閑話 「愚かな聖女さま」
『「聞いた? あの先生、口車に乗せられて馬鹿な賭けを始めたそうよ」』
『「聞いた。何でもと言ったこと、あんなに聞いてる人がいたのになぁ」』
『「きっと僕らを舐めてるんだ。百点なんか取れっこないってね」』
『「なるほど。なら本気を出すか?」』
『「いや。それこそ思う壺ですよ。出席や努力しての満点は、あの方の意思にも反する。赤点にならない程度にやればいいのです」』
『「でもせっかくあの聖女を好きにできるチャンスよ? 逃す手は無いわ」』
『「でもな、相手はかなり狡猾だ。ペースに乗せられるのはまずい」』
『「問題や回答に、罠を仕掛けてくるかも」』
『「どのみち下見は必要だな」』
『「問題と回答を盗みましょう」』
『「だめだよ。あの女はやはり用心してる。問題はテスト前日まで全て頭の中にしまっておいて、朝にアウトプットするってさ」』
『「他の教師は何も言わないのか?」』
『「本人が無視してるぜ。どうせ敵だからってな」』
『「いっそテスト作成から干してしまいます?」』
『「馬鹿か。そしたら逃げることになるだろうが。プライドが許さねぇ」』
『「朝に印刷されるのを待って盗む?」』
『「どうせ肌見放さず持ってるに決まってますわ」』
『「「・・・・」」』
『「ならいっそ………アレをやろうぜ」』
『「そうだね。アレは油断したときがいい頃合い」』
『「テストの終わりに、とうとう止め。ふふ、その後はどうとでもなるわ」』
『「――雉も鳴かずば打たれまいに」』
『「――触らぬ神に祟りなし」』
『「上手くやれよ?」』
『「もちろんです」』
「アハハ………愚かで愚かで、どうしようもなく哀れな聖女さま。私がこの手で…………とうとう」
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