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エデンの園のユグドラシル  作者: 秋陽尊午
受胎
7/14

修学旅行~聖夜~

10:

目が覚めた。

携帯を見た。

夜中の三時過ぎたくらいだ。


謝池は窓側の椅子に座り、窓の下を眺めた。


母からメールは返ってきていない。


その事がひっかかりながらも、靖子へのケジメと田邉の行動が気になっていた。



窓の外がぼんやり光った。



一つ、また一つと、ひらひらと何かが舞い降りてくる。

「雪か?」

そんなわけない、今は6月だ。それも京都。

部屋の中はむしろ冷房を入れても良いくらいの温度だ。


光るものは、気づけば、雪のように降ってきていた。

その一つを凝視した。




羽根だ。




「天使の羽根事件」

いつか見たニュースが頭をよぎる。


気がつけば、それは雪のごとく大量に降ってきている。


田邉を起こそうと思った。

瞬時に頭をよぎって部屋の布団を見ると、田邉がいない。


「どこだ?」

謝池は同じ部屋の男子の布団を避けつつ、部屋の外に出て、エレベーターに向かった。


エレベーターは4階と8階に止まっていた。

謝池はエレベーターを呼ぼうと、ボタンを押した。

ボタンを押しても反応が無い。


「なんだ?壊れているのか?」


それにしても、おかしい。

謝池は思った。


通常エレベーターは誰も使わなかったら1階に止まっているものだ。


ここは男子が泊まっている3階。

4階は女子が泊まっている階だ。

8階は最上階になる。

謝池は階段から1階へと駆け降りた。

羽根をもっとよく見たいと思ったからだ。


ロビーにつくと、そこに人の気配はなかった。

受付にも人はいない。


そのまま外に出た。


羽根が光りながら、雪のように降っている。

手のひらに乗せると、ポウッと光って消えた。


謝池はおもむろに携帯を取り出し、『サエズリズム』を見た。サエズリズムは文字数108文字制限のSNSである。

そこには、東京でテレビが見れなくなったことが溢れていたが、多少、中くらいの規模で、羽根のについての記述があった。

「今降ってる!at kyoto」

「こっちじゃ降ってないよ、栃木」

「すげえ!雪みたいだ 五山の送り火地方」

どうやら、京都の一部で、降っているようだった。


その中に、気になる一文があった。

「え?そっち降ってるの?昨日はこっちで降ってたよ 東京」


昨日は東京でも降ってたのか。


謝池は、その一文を読んだ後、空を見上げ、あまりの神々しい情景に思考を停止し、

しばらく、その神秘な雪の中に身を置いていた。

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