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エデンの園のユグドラシル  作者: 秋陽尊午
受胎
6/14

修学旅行~戸惑い~

9:

部屋に戻ると、何やら男子がテレビを見ながら話をしている。

「買い出しご苦労。ささ、献上品の上奏を賜るぞ」

同じ部屋の男子が謝池からお菓子と飲み物をとりあげた。

「後で折半な」

謝池がテレビに向かって座った。


部屋の男子が話かけてくる。

「東京でテレビが見れなくなってんだと、ここは京都だから地方局はまだ見れるみたい」

「スカイツリーが事故っちゃったんじゃない?」

各々声が飛んでくる。


携帯が震える。

「さっきは、ありがと!もっともっとキレイになってやるからね!」

靖子からメールが届いていた。


それともう一件メールが。

母からだ。

メールを開いた。

「これをよく見ておいて。

貴方の守護菩薩は『勢至菩薩』。手印と真言は絶対に憶えなさい。

それと、お母さんに、何があっても心配しなくていいから」

その一文と共にURLが張り付いている。

それと、『パスワード』という文字の後に、数字が8桁。



URLを開いてみた。


『パスワードを入力して下さい』という文字と、パスワード欄がある。


母のメールにあった、パスワードを入力した。


webサイトが現れる。



『樹の芽』


という、サイトのタイトルの文字が、黒バックに白い文字で、如何にも無愛想に、機械的に書いてある。


「なんだこれ?」

中身を見てみると、手の写真や模様のような文字の羅列がある。

どうやら真言密教で使う、真言や手印の組み方の解説サイトのようだ。


「これは!」

と、思い当たった手印。ある光景が思い浮かぶ。



『九字の印』



エレベーターに乗りこむ時に、田邉が空を切っていたあれだ。


「あいつ、なんであんな事してたんだ…?」

疑問に思うと同時に、少し興味が湧いた。


謝池は、試しに勢至菩薩の手印を組んでみた。



神様を拝む時の合掌の指を軽く開き、左右の指と指の間に指を挟むようにする組み合わせだ。




ヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!



左腕の数珠が振動した。



「なんだ!!?」



と、同時に、田邉が部屋に入ってきた。

疲れているように見える。

「おお、献上品御苦労。上奏受け賜るぞ」

男子が田邉からお菓子と飲み物を取り上げた。


「どうしたんだよ、お前さっき…」

謝池が聞く

「なんでもないんだ。わりぃな、いきなり怒鳴っちまって」


「それより、東京でテレビが見れなくなってるってよ」

同じ部屋の男子が口を挟む。

「あ…ああ、そうなのか。」

田邉は心ここにあらずという感じだ。


「お前らー、もう寝ろよー」

担任の長山がドアから入ってきた。

「わかりましたー」

各々銘々に応える。


「お前ももう早く寝て、今夜、絶対ホテルから抜け出してコンビニ行こうとかするなよ」

田邉が真剣な顔で迫ってきた。

「わかってるよ」

と、謝池は携帯へ目を移した。



「なにかあったの?」

母へ送った一文は返ってこなかった。

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