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エデンの園のユグドラシル  作者: 秋陽尊午
受胎
1/14

修学旅行~序章~

0:

それはそこにあった。

本来あるべき場所に無く、違うそこに居たのだ。


「なんなんだよこれ…」


そう呟くのが精一杯だった。

『それ』はいかにも人間らしく、二本足で立っていた…



1:

「尚、オリオン座流星群はじょじょに地球に近づいており、NASAの発表によると冥王星付近まで接近しており…」


時は遡って数週間前、

朝のニュースがテレビから流れている。


道武みちたけ、早く食べないと遅刻するわよ」

「わかってるよ」


母の急かす言葉に合わせ朝食を早めに終えると、登校の途に着いた。


今年の梅雨は空梅雨。梅雨の季節だというのに、ここ一週間、やけに天気が良く過ごしやすい天気だ。

「修学旅行まで持ってくれればな…」

そんなことをふと思いながら学校への道を歩く。


「おい!謝池しゃいけ!おっす」


後ろからふと声をかけられる。

クラスメイトの田邉だ。


「おお、おはよう」

少々普通のテンションで挨拶を返す。


「お前、修学旅行で廻る場所決めたか?俺、平安神宮行ってみたいんだよな」

と、田邉。

「俺はまだ決めてない。っつーか一緒の班だから今週中にもミーティング入るっしょ、そん時決めるよ」

謝池が返す。


「やっぱ嵐山と京都タワーは外せないよな。しかし、高校にもなって修学旅行が京都って、ウチの学校、どんだけ予算がないんだよ…」

田邉が不満そうに口をとがらす。

「まあ、いいじゃねーか。どこぞの外国行った学校なんて集団食中毒起こした、って聞いたし。」


「みっちゃん、おはよう!」


明るくまろやかな声が空に飛ぶ。

幼馴染の靖子だ。


「おす。」

と、軽く返事。


「みっちゃん、修学旅行で廻るとこ決めた?ウチの班では清水寺行く事になってるの!」

と、靖子がコロコロと言う。

「もう、そこまで話が進んでるのか、ウチの班も早く決めないとな」

と、田邉が口を挟む。



と、そこへ、無精髭を生やし、疲れたスウェット姿の男がフラッと横切った。

(のぶ)兄ィ!」

と、謝池が声をかける

「おお、ミチ。それにやっちゃんと…、田邉くんだっけ?」

近所の幼馴染で年上の最上伸彦もがみのぶひこ、大学生だ。


「あ、おはようございまっす」

田邉が分が悪そうに挨拶する。


「伸兄ィにしては、珍しいね、こんな朝早くに通学なんて。でも、今から大学行く格好には見えないね!」

靖子がからかうように、いたずらに微笑んだ。

「オンラインゲームでオール明けでコンビニに朝飯買いに行くんだよ。大学は、今日も自主休講。

じゃあな」

フラフラと伸彦が姿を消した。


「あんなので、卒業できるのかな? ねぇ、みっちゃん!」

と、靖子。

「まあ、昔から頭切れる伸兄ィだ、学校でもうまくやってるだろ」

謝池が納得したように頷きながら、


「どこまわろっかな…」


そんな事を思いつつ、顔馴染みの二人に挟まれながら、学校への道を歩いた。




2:

「じゃあ、各々、班の中で話し合いをして、周る場所を提出するように」

担任の長山おさやまが声をあげた。


クラス中、班に分かれて話し合いを開始した。


「さあ、やるか」

田邉が音頭を取る

「どこ、廻る?」

「嵐山は定番っしょ」

「平等院も捨てがたいよね」

「でも、あそこ、京都の外れだから移動時間に時間取られるんじゃない?」

D班男女混合7名、各々に声を上げる。


「謝池はどこ行きたいのよ?」

と、田邉が声を上げ、視線が謝池に集まる。


「俺は………、金閣寺かな?」

と、心ここにあらずで応える。


「やっぱなー!」

「金閣、清水寺は外せないよなー」

「でも移動距離的に清水寺から金閣寺は結構距離あるぜ?」

「間に平安神宮挟めば見るとこ増えるじゃん」

「後、下鴨神社も!」

各々の声が上がる。


謝池はこの修学旅行にあまり乗り気になれなかった。と、言うのも、幼馴染の靖子と同じ班にならなかったからだ。

靖子と出会って17年。来年には大学受験も本格的に始まる。忙しくなる前に、二人の関係にきっちりとケジメをつけておきたいと思っていた。修学旅行はいい機会だったが、二人きりになれる時間が取れるかどうか…という事ばかりに頭が回っていた。


「謝池くん、話し聞いてた?」

同じ班の睦美むつみが口を挟む。


「ん?ごめん、聞いてなかった」

「田邉君の案で、金閣寺からスタートして、嵐山、そこから飛んで、平安神宮、八坂神社、清水寺っていうコースで決まりそうなんだけどな」


清水寺か…確か靖子の班も清水寺に行くと言っていた。うまくすれば会えるかもしれない。


「ああ、いいと思う」


謝池の一言により、D班のコースは決定した。

と、共に、別班で話し合いをしていた靖子の視線も謝池に注がれていた。

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