表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

レイルとリリーの話その1

 

 

 レイルちゃんとの出会いは運命的だったねぇ~~。

 激しく胸が高鳴り、生まれて初めて心臓の動悸で、「ああぁっ今わたし胸がきゅんきゅんしてるうぅ!」って自覚できたのがあの時だ。

 とにかく素敵だった。

 過去を回想して、もっともっと美化してみようと思う。

 数学の時間というのは、別名私の中で妄想の時間なのだから。


 天蓋を覆う空が割れそうな、ある意味で幻想的な、酷く中二病の魂が揺さぶられる、そんな世界の終末を歌いだしそうな神の黄昏時。

 わたしは屋上で、日課のエアータイピングをしていた。

 踊るように、舞うように、強引に力強く、身体能力と精神を超過させて、

 知性によるアシストによって、わたしの機動は、変態的だが、高次元な軌跡を描いている事だろうと、わたしは私を客観的に見つめていた。


 わたしは屋上に居たのだ、だが屋上には更に高い場所、貯水槽の上という場所が存在していたのだ。

 わたしはこの時、初めて、そこに人が居た、舞っていた事に気付いたのだ。

 一見して、わたしは初見で、それが私とほぼ同じ業である、技術体系に基づく技だと、術だと見破った。

 

 自らをビデオで客観視している様な、それを実物で見ているという、現実的には不可能な所業なのだろう、

 私は、とてつもない、現実ではありえない、ありえてはいけないような、そういう現象として感じた、

 それは自らの分身、ドッペルゲンガーと遭遇したような、酷く不安感を駆り立てる、

 だがそれは、同時にカルタシスでもあった、

 退屈な日常をぶち壊す、破壊の号砲、運命の破滅的な衝突、わたしはなぜか、酷く死を覚悟していた。


 どうやら後で聞いた話では、相手もまったく同じ心境であり、

 もし仮に、どちらかが、攻撃のような動作を見せていれば、その瞬間には人外のバトルが繰り広げられていただろうと、正直ぞっとしない。

 

 でも私たちは、お互いを認識したまま、見つめ合ったままで、その場での接触は途切れる。

 具体的には、思春期の少年少女のように、おっかなびっくり、酷く不器用だったと記憶している、

 会話を重ねて、交流をちょっとづつ、それこそミリ単位で、時々後退なんかもしながら、

 それでも最終的には一歩前進するような形で、深めて、深めて、ある時に一線を越えて、存在として相手を認め合ったのだと思う、

 今は、親友という枠に収まる良好な関係で居るのだから。


 さて、なぜ途中から早回しで、レイルちゃんとのラブ百合ストーリーを省略したかというと、

 ある意味で、尺が足りなかったからだ、別の物語になってしまいそうだったからだ。

 

 私は一応、この物語はアクション要素を前面にっこれでもかと、これでもかっと、ぶちまけたい!

 超絶的なノリとテンションと勢い、バトルや、友情どりょく勝利や、青春的な疾走感、常に夏休み直前のノリみたいな、

 そういう風にしたい、

 だから、脱線しそうになったら止めるのだ、そう本当に、ただそれだけ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ