サバイバルディナー
日も暮れてきた頃、4人は夕食の準備に入っていた。
「デカイもん狩ってきたなあ。 これならしばらく狩りに行かなくても良さそうだ」
小屋の外で獣の解体しているゲバラが呟く。
彼の前に転がっている獣は彼と変わらないぐらいの大きさがある。
「なかなか素早いから仕留めるのは大変じゃったぞ。ああ安心せい、弾の無駄遣いはしとらん」
彼の隣で火を起こしているホーが言う。
「何発使ったんだ?」
その問いに答えるように彼は人差し指をたてる。
「1マガジンか?」
「1発じゃ」
「……冗談だよな?」
ゲバラは明らかに信用してない顔をする。
「ほっほっほっ」
そんなゲバラに対してホーはただ笑うだけだった。
場所は変わって小屋の中。
ここではチトーと少女が獣といっしょに取ってきた野草やキノコなどを調理している。
「あなたは怪我をしているのだから、手伝わなくても良いのだが」
チトーは怪我を心配してか少女に声をかける。
「これくらいの怪我大丈夫よ。 それに匿ってもらってるんだからこれくらいしないと」
「そうか。細かい事情は食事をしながら聞くとしよう。 今は料理だ。 あそこにある木の実を取ってくれ」
「ちょっと待ってて」
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夜になり、4人は外でたき火を囲み食事をしていた。
「今回の飯はかなり上手いな」
そう言ってゲバラは肉にかぶりつく。
「良い食材がとれたからであろう。少女よ、味はどうだ?」
チトーは少女に聞く。
「とても美味しいわ。 ここ最近まともな食事はできなかったから」
彼女は肉をナイフで小分けにしながら食べる。
「それは良かった」
チトーはにっこりと笑う。
「それでだ」
ゲバラが食事を止め話始める。
「嬢ちゃんは何で襲われてたんだ? 元王女とかなんとか聞こえてきたが」
「そういえばまだ名前も聞いとらんのう」
その言葉に少女も食事を止め立ち上がる。
「私はイリーナ。 今は無きオルト王国の王女よ。今日は助けてくれてありがとう」
イリーナは一呼吸おき、
「もうひとつ頼みたいことがあるの。私は滅ぼされたオルト王国を取り戻す。そのための力を貸して欲しいの!」