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レジ袋戦争  作者: 泡沫夢、しゃーな
3/6

世界を守る為ならば。

「螢、灯…さん…」

なぜ彼女がここに。冷や汗が止まらない。自分が持っているのは玩具の銃のはずなのに、やけに重く感じる。

「治さん、やめてください!」

彼女は僕に抱きついてきた。でも、もう戻れない。

「離せっ!」

彼女をふりはらって、客に見えないように玩具の銃を店員の横腹につきつける。

「早くしろ。」

「お、お金なんて渡せませんっ!」

「金なんかじゃねぇ!レジ袋、この店にあるレジ袋、全部持ってこい!」

「そんなことできるわけないじゃないですか!」

「いいから!じゃないと撃つぞ!」

「私たちは、レジ袋削減のために…」

これ以上話しても意味がない。人質が必用だ。

首に手をまわし、また同じように横腹に銃をつきつける。

「こいつが殺されてもいいのかよ!」

人質は…螢灯。彼女だった。

「治さん!やめてください、こんなこと!」

彼女は泣き叫ぶ。

「黙れ。」

僕の低い声だけが店内に響いた。

ふと彼女を見た。彼女の目には、もう光はなかった。


彼女を守るため。僕らのキセキを守るため。仕方がないことなのだ、と自分に言い聞かせる。

「…っレジ袋、早くしろ!」

「うっ…わかりましたよ!」

長いやり取りがあり、ようやく、店員が大量のレジ袋を抱えてやってきた。

「他にはもうないな!?」

「は、はい…」

僕は黙ってそれを抱え、彼女と共に店の出口まで行った。もちろん、彼女に玩具の銃をつきつけながら。

ゆっくり深呼吸をし、レジ袋をしっかりと持つ。


もう、離さない。


本当に小さな声で、彼女に言った。

「…ごめんね。」

「えっ…」

僕は全力で家まで走った。

「治さん!」

螢灯の僕を呼ぶ声がかすかに聞こえた。


嗚呼、神様。僕らの奇跡をどうか消さないで。

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