冒険者になってみた
遅れてすみません。
「天井が違うな...」
昨日はあえてギルドに行かず、宿屋で休んだ...。周りはもう暗かったし、俺と愛梨以外はヘトヘトだったからな...。みんなはまだ起きていないみたいだ...。ん?愛梨が起きたっぽいな...。
愛梨「...天井が違う...そうか、夢ではなかったようだな。」
愛梨に続いて、みく、スズも起きた。
みく「...おはようございます...裕翔さん...あれ?なんで裕翔さんが...あ、私達、異世界に来たんでしたっけ。」
スズ「おはよぉみんなぁ。」
どうやらスズは朝に弱いらしい。
「とりあえず、身支度を整えてくれ...朝食はもう来ているから、出来るだけ早く食べてくれ...。速く出発したいんだ...。」
俺の身支度はもう出来ていた。男子は簡単だしな...。
みく「は、はい...でも、なんで早く行きたいんですか?」
「異世界に来て、ギルドに登録...といえば、何かしら絡まれることが多いからな...。身を守るものがない今は、そういうイベントは避けたんだ...。早朝だったら、人は少ないだろう?」
スズ「そうだねー。異世界転生のテンプレだもんね。今はちょっと、避けたいなー」
ナビィ((そんな理由で急いでたんですか...。それよりご主人。パーティーメンバーの方に私を紹介しなくてもよろしいんでしょうか?))
((そうだな...紹介しておいても、良さそうだ...))
この世界で妖精は、精霊族に属するらしい...精霊族は、滅多に人の前に姿を表すことがなく、上級の冒険者でも見たことがない人がほとんど出そうだ...
「みんな聞いてくれ...新しい仲間だ...主にナビゲーターとして、この世界のことについて説明してくれる...ナビィだ...妖精はこの世界では珍しいらしいから、街中や人がいるところには出たくないらしい。主に念話で話すことになると思うが、よろしく頼む...」
ナビィ)おはようございます。はじめまして。ご主人のナビゲーター、皆さんのサポートをします。ナビィです。今は普通に話していますが、念話喋ることもできます。念話は、頭の中で話しかければできますので、よろしくお願いします。」
愛梨「!?...う、うむ、よろしく頼むぞ。」
スズ「妖精まで出てくるんだ!すごいね!ステータスもそうだけど、ゲームみたい。よろしくね!ナビィちゃん!」
みく「妖精さん...かわいいです。よろしくお願いしますね。ナビィさん」
ナビィを紹介し終わった所で、みんなの準備が整ったようだ...。
「準備は大丈夫か?...大丈夫だな...じゃあ、冒険者ギルドに行くぞ...。念のため、絡まれる準備しておけよ...。」
...自分で言っておいて何だが、絡まれる準備って一体、なんなんだ?
そんなことを考えつつ、宿屋を出た。
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冒険者ギルドの前では、揉め事が起こっていた...ということもなく、むしろ受付嬢しかいないという、珍しいことになっていた...
それにしてもこの世界の受付嬢って似ているのか?まだ2人しか見たことがないが...
「俺と、この3人で登録したいんだが...ついでに、パーティーも組んでおきたい。」
受付嬢「かしこまりました。では、登録料として、300arle、4人なので、1200arle頂きます。」
「わかった...」
そう言って、事前にみんなから集めておいた、登録料を払った...
受付嬢「丁度、お預かりします。ギルドカードはこちらになります。カードに魔力を込めると、ステータスなどが表示されます。依頼内容とパーティーメンバー、討伐したモンスターもここに表示されます。偽造などした場合は、即死刑ですので、注意してくださいね破損や紛失した場合は、再発行料として、500arle頂きます。失くさないでくださいね。ギルドについて説明は要りますか?」
途中、随分と物騒なことを笑顔で言ったなこの人...説明はここに来る合間に、ナビィにしてもらったから必要ないが...一応聞いておこう。
「あぁ...よろしく頼む。」
受付嬢「冒険者ギルドは、主に依頼を受けて冒険者の方々にこなしていただく。というシステムでやっております。依頼にはランクがあり、ご自身のランクの1つ上のランクの依頼までは受けることができます。ランクは下から、F、E、D、C、B、A、S、SSです。FからCまでは、一定数依頼をこなしていただくと、上がります。B以上は、ギルドで試験を受けていただく形になっております。モンスターのドロップ品や魔力の欠片の買取もやっています。依頼はあちらの掲示板に貼ってあります。皆さんのランクは、Fですので、最高Eランクのものまで受けることができます。買取は隣のカウンターです。」
魔力の欠片は、モンスターを倒した時に出てくる、紫の宝石の欠片のようなものだそうだ...大きさと、色で値段が変わっていくらしい...
愛梨「では、買取をお願いする。」
昨日倒したモンスターの魔力の欠片を売るみたいだな...その間に依頼いておこう...
〜依頼〜
ランクF
薬草集め
1つ10arle
上限なし
ランクF
青スライム討伐
一匹50arle
上限なし
ランクF
猫探し
耳の先が切れている三毛猫を探して欲しい。
赤い首輪を付けているからそれを目印にしてくれ。
達成100arle
ランクE
赤スライム討伐
一匹100arle
上限なし
ランクE
ゴブリン討伐
一匹150arle
上限なし
今受けられるのはこんなところか...
一応全部受けておこう...
「あの...」
受付嬢「あ、すいません。名乗って無かったですね。私はファルマ・ブリンズ。ファルマとお呼びくださいね。」
「ブリンズって...」
宿屋の受付嬢もそんな名前だったな...
ファルマ「あ、お姉ちゃ...姉の事をご存知なのですか?」
「昨日泊まった宿の受付をしていた...。姉だったのか?」
ファルマ「はい。あの宿は私の家族が経営してるんです。安いことで有名なんですよ!」
「そうだったんですか...」
姉妹だったのか...どうりで似ているわけだ...ちなみにファルマのステータスはこんな感じだ...
ファルマ・ブリンズ
人間族
ステータス
Lv.30(35/300
arle54,000
体力1200/1200
魔力300
攻撃200
防御170
魔攻150
魔防150
器用120
俊敏70
幸運500
〜装備〜
受付嬢の服
〜魔法〜
火魔法Lv.1
〜耐性〜
水耐性Lv.1
〜スキル〜
鑑定眼Lv4
(他人のステータスを見ることができる。)
〜ジョブ〜
M受付Lv.4
(コミュニケーション能力向上。)
S冒険者Lv.4
(特になし)
...姉より妹の方が強いって...
ファルマ「それより、何かご用でしょうか?」
「はい、依頼を受けたいんです。一応に全部受けておきます。それと、これを金貨にして
欲しいんですが...」
そう言って、白金貨を取り出した。
ファルマ「両替ですね。わかりました。それにしても白金貨なんて、よく持ってましたね。...どうぞ、金貨100枚です。お確かめください。猫探しの依頼の猫は、捕まりましたら隣のカウンターで引き取りします。」
「わかりました。それでは。」
魔力の欠片の買取も丁度終わったので、ギルドを出て、武器屋に行くついでに、猫を探すことにした。
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((ナビィ...マップで依頼の猫の位置わかるか?))
ナビィ((検索中です。......発見しました。位置情報を転送します。))
数秒後、視界の右下にマップが表示された...表示からすると白い点が俺達で旗のマーが猫のようだ...
パーティーは、ギルドで組んだ。相手を見ながら、"パーティー"と念じれば、組めるらしい...
そんなことを考えているうちに、武器屋に着いたようだ...
店に入ると、子供位の背で割と毛深そうなおっさんがいた...ステータスを見る限り、獣人族だった。いわゆるドワーフといったところか...。
おっさん「おぉ、 客か?」
「武器を買いに来たんですが...」
おっさん「そうか。俺はここの店長。ドワーフのバランだ。で、小僧。どんな武器がいい?」
「俺は籠手が欲しい。」
スズ「私はナイフかな!」
みく「私は杖を...お願いします...」
バラン「小僧は籠手か。珍しいな。丁度いいもんがある。チョイと高いが、見るか?」
「...見せてくれ...」
衝撃の籠手
(攻撃+450、魔力を込めて殴ると衝撃波が出る。衝撃の靴とセットで装備すると、さらに攻撃+450)
どうやらかなり強い武器らしい...これは買っておいて損はないだろう...
バラン「どうだ?これで靴とセットで10,000,000arle、大金貨1枚だ。」
「買います。」
そう言ってアイテムポーチから金貨10枚を出す。
バラン「即決かよ。小僧はどっかの貴族か?...違うな。貴族ならこんな店こねぇし、籠手なんか買わねぇ。小僧、何者だ?」
「ただの冒険者ですよ...」
そう言って籠手を受け取り、装備する。
バラン「そうか...で、お嬢ちゃん達はどうすんだ?ナイフならそこ、杖は少ねぇがあっちにある。」
「愛梨、こいつらが選んでる間に、俺は猫を探してくる。あとは頼んだ。5分後、この店の前で。」
そう言って店を出る。再びマップを表示して、猫を探す。どうやらさっきから動いていないようだ...さっさと終わらせてしまおう...。
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5分後、何事もなく猫を捕まえた俺は、猫を抱きかかえてまま、店の前にいた。実は2分前に帰ってきたんだが、バランのおっさんが猫アレルギーで、「店に猫をいれるな!」と追い出されてしまった。
スズ「おまた!無事買えたよ!金貨ありがとうね!裕翔!」
...流石に店で白金貨を出すのは、問題なので、3人に金貨を渡してあった。愛梨は、昨日の宿屋代のお礼だ...。
「よし...全員装備したな...次は防具屋に行きたいんだが、その前にこの猫おいてくるぞ...。」
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数分後、ギルド前
朝とは違い、賑わっていたが、絡まれることはなく、無事依頼を済ませ、報酬を貰うことができた。途中スズが、((誰か絡んでくるよね!あそこのガタイいいおっさんとか。))
と、念話で騒いでいたが、無視しておいた。
そんなこともありつつ、俺たちはいま、平原にいる...。防具屋はどうなったかって?大体武器屋と同じだったから、省略する...。
今の俺の装備はこんな感じだ...。
裕翔
武闘家の服(男)
(動きやすい。俊敏+20、防御+50)
衝撃の籠手
(攻撃+450、魔力を込めて殴ると衝撃波が出る。衝撃の靴とセットで装備すると、さらに攻撃+450)
衝撃の靴
(俊敏+450、魔力を込めて蹴ると衝撃波が出る。衝撃の籠手とセットで装備すると、さらに俊敏+450)
服以外は、もう変えなくてよさそうだな...。
「とりあえず、依頼のモンスターを倒しながらレベル上げしよう...。それと、パーティーでの戦闘になれる必要がありそうだな...」
スズ「わかったよ!そんじゃ、レッツゴー!」
((ナビィ...薬草をマップに表示できるな?))
ナビィ((既に検索が終わっておりますので、情報を転送します。それと、赤い点はモンスターです。旗が立っているのが、依頼のモンスターです。))
((気がきくな...ありがとう...。))
それから、一日中狩って休んでを繰り返し、途中で薬草を採取...を繰り返した。昼飯はどうしたのかって?猫の依頼の完了後、ファルマさんが「昼飯に」とパンをくれた。どうやら、パーティー組んでいると、リーダーに入る経験値がそのまま他のメンバーに入るらしい。俺は勇者のジョブの恩恵で、取得経験値が2倍だ...それがそのまま他のメンバーに入るため、実質全員が取得経験値2倍だったわけだ...。パーティーって便利だな...。
今日一日で、青スライム32匹、赤スライム29匹、ゴブリン45匹、ウルフ19匹、ホワイトウルフ2匹を討伐した。ホワイトウルフは、ウルフの統率をとっていた。ゴブリンは、集団でいることが多かったため割と数を稼げた...。その代わり、経験値はあまり入らなかったがな...。
それと薬草が、150こほど集まった。手当たりしだいに採っていたからな...。
「もうそろそろ街に戻ろうか..」
スズ「そうだね。疲れたから戻ろう。」
みく「ここから街には結構距離ありますね...日が沈む前に着きますかね?」
愛梨「裕翔はマップを見れるのだろう?最短ルートで、帰ってくれ。」
「わかった...じゃあ、行こう...」
こうして見ると、移動にかなりの時間がかかるな...。スキルシードを使って転移を習得するか...?...いや、使うほどでもない気がする...。どうしたものか...。
今後の移動時間について考えてながら歩いているとき、丁度街と出発地点の真ん中ぐらいのところでナビィに話しかけられた...
ナビィ((12人組の集団が後をつけて来ています。モンスターではないので、おそらく、盗賊の類です。およそ5分後に接触します。))
((つけられてるのはわかっていたが...盗賊だったか...。ナビィ、どうするべきだ...?))
ナビィ((相手が盗賊の場合、人間ではなく、モンスター扱いになるため、殺しても罪にはなりません。遠慮なく、討伐してください。))
((...だそうだ...一応ばれないように戦闘準備しておいてくれ。愛梨、人を斬ることはできるか...?))
既にパーティーを組んでいるため、全員に念話で話しかける。
愛梨((殺ったことはないが...できなくはない。))
スズ((私はま無理っぽい。裕翔と愛梨に任せるよ。))
みく((私も...無理そうです...。すみません...))
((別に謝らなくてもいい...。じゃあ、後ろでサポートを頼む...。))
5分後、
「オイ、そこの冒険者!死にたくなかったら、装備と金おいておとなしく捕まれ!...ゲヒヒ...今回の女は上物だぜぇ...。さんざん犯ってから、奴隷にでもするか...。」
目の前盗賊が現れた。数は12人。レベルは、20〜25だった...。そのうちのリーダーらしき2人が、珍しいスキルを持っていた...。"武器創成"と"鬼人化"だ..."武器創成"は、任意の武器を創れるらしい...。ただし、かなりの魔力を使うそうだ...。"鬼人化"は、一定時間攻撃、俊敏が倍になるらしい。ただし、防御力がかなり下がるという...。まぁ、12人とも愛梨に瞬殺されて、ポリゴン化していたがな...。スキルは奪っておいたぞ?2人は最後に殺られたからな...奪う時間はあったからな...。
その後は特に何事もなく、街に着いた。
とりあえずギルドで、依頼完了と換金、報告をしようか...。
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「ファルマさん。依頼完了しました。後、途中で盗賊に襲われたんですが、」
ファルマ「盗賊に襲われた!?お怪我はないですか!?何を捕られたんですか!?」
「...いえ、何も捕られてませんし、怪我もありません...。返り討ちにしましたし...。それより、依頼のことなんですが...。」
ファルマ「返り討ちにですか...。あ、はい。ギルドカードを見せてください。...。全部完了してますね。それにウルフとホワイトウルフも狩ったんですか...。ホワイトウルフはCランクモンスターですよ...。あなた方、何者ですか?...あ、薬草は隣のカウンターに置いてください。換金するものがあれば一緒にどうぞ。」
「わかりました。」
そう言って、大量(150個)の薬草と、大量(125個)の大小様々な魔力の欠片をカウンターに置いた。
ファルマ「薬草もこんなに...えっと...150個ですか...もう驚きませんからね...。」
そう言ってファルマさんは魔力の欠片と薬草を持って奥へと入っていった。
10分後
ファルマ「依頼分も合わせて31,500arleです...。1日でこんなに稼ぐ人そうそういませんよ...?それと、盗賊を12人討伐した、ということで、ギルド長から話があるそうなので、明日の朝、一度ギルドに来てください...。実はあなた方が討伐したのか討伐、Bランク以上で依頼出してた奴らなんですよ...。大規模な盗賊団の幹部2人も倒しちゃうとか...。規格外すぎますよ...。」
幹部ってあの珍しいスキル持ちの2人か...。
一瞬で殺られたし、その盗賊団、俺達4人で潰せるんじゃないか...?
「わかりました。では、また明日。」
盗賊倒してギルド長と対面か...。異世界での王道だが悪くないな...。
そんなことでを思いながら、宿屋に帰った。