嫌いなのは…
「嫌い…。」
ポツリと一言、少女はそう言った。
もちろん、誰もいない場所で。
もし、誰かに聞かれて告げ口なんてされたら…少女は生きていないだろう。
嫌いな人は、少女の母親。
その母親は、躾だと思っているのだろうけど…。
少しでも、自分の気に入らない事があると少女に暴力をふるう。
言葉だったり、体だったり。
少女が、違う事を違うと言うだけで…『言い返した。』と言い、叩く。
そして、謝るまで叩き続ける。
少女は泣きながら、「ごめんなさい。」と言った。
泣いているのは、悔しいからなのか悲しいからなのか…。
それが終わった後、少女は部屋に帰りくまのぬいぐるみを抱きしめながら泣く。
毎日、その繰り返しだった。
ある日、朝起きて母親がいつもいる場所へ行った。
母親は、いなかった。
少女は、おかしい…と思い家中を探した。
だけど、いなかった。
少女は、ある事を思い出した。
自分が、呟いていた事が本当になったのだと。
ここ数日、少女はこう呟いていた。
『嫌い…。消えて…。」
自分のせいで、母親が消えてしまった。
何て事を言ってしまったのだろう…と後悔していたら、どこからか声が聞こえた。
『まりかちゃん…。私が、消したの…。』
声の正体は、少女が大切にしていたくまのぬいぐるみ。
「えっ…?」
少女は、戸惑うばかり。
『ごめんね…。まりかちゃんが辛そうにしていたから…。』
「ベア…。“ごめんね”は、私の方だよ。いつも泣いてて、ベアに迷惑をかけた。私が、“消えて”なんて言わなかったら、ベアはこんな事しなかった。」
『私、まりかちゃんを見てて思っていたの。まりかちゃんが、お母さんにされている間何にも出来なくて…。だから、神様にお願いして動けるようにとお話が出来るようにしてもらったの。』
「ベア…。ごめんね…。」
『謝らないで…まりかちゃん。これからは、自由に生きていいんだよ。』
「うん…。だけど、お母さんは…。」
『大丈夫だよ。あの人には、試練を与えてもらってるの。』
「えっ…。そうだったんだ。」
『だから、心配しないでね…。』
「うん、ありがとう。」
そして、少女はベアと幸せに暮らしました。
かなり、長くなりました。
自分で読み返してみても、よく分からないものになってしまいました…。
面白くないと思います。
読んで下さった方、ありがとうございます。