男女間の友情に関する考察
とある日の夜、女友達からLINEでこんな質問が飛んできた。
『いきなりだけどさ、男女間の友情って成立すると思う?』
そのメッセージを見た瞬間、スマホをタップして言葉を文字に変換していく。
『本当にいきなりだな。何かあったのか?』
『ううん。ただ友達とそういう話になってさ、その友達が「男女の友情なんて絶対無理!」て断言してたから、あんたの意見を聞いてみたくなって』
合点がいったところで、投げかけられた問いについて考える。
「男女の友情は成立しない」というのがおそらく一般論だろう。
相手から異性としての魅力を感じてしまえば、それがきっかけとなり異性として意識してしまうことがある。
人間は子孫を残すために異性に惹かれやすくなっているのだから、たとえ小さなきっかけでもそうなってしまうのは仕方ないだろう。
だから、俺は「男女の友情は成立しない」という意見を否定するつもりはない。
だがしかし、俺の考えはそれとは異なる。
『なるほど。俺の意見はあれだ、成立すると思ってる。ただ、それが破綻する可能性があるとも思ってるが』
『どういうこと?』
『たとえば、俺たちはこうして喋ったりするし普通に遊んだりするよな?』
『うんうん』
『この時点ですでに友情が成立している。でも絡んでいく中でどちらかが恋心を覚えてしまい、友情じゃなくなってしまうかもしれないってことだ」
『私があんたに恋心?ないない』
『たとえだっつったろバカ野郎』
同じ言葉を返してやりたくなったが、くだらない言葉の応酬に発展しそうなのでグッと堪えて話をまとめに入る。
『とりあえず、友達として絡むようになった時点で成立する、恋や疎遠などで友達関係が破綻することもあるってのが俺の意見だ』
『あんたらしいつまらない意見ね』
『よし、殴りに行くからお前そこから動くなよ』
『女を殴るとかサイテー』
男女間の友情は成立するのか………
様々な人が様々な意見を持ち、実際に成立しなかった人がいれば成立した人もいるこの問題に対する答えは人それぞれ違うと思う。
俺の場合は………「成立する」が答えなんだろう。
なぜなら―――
「おらぁー!討ち入りだコラァー!」
「えっ!?ウソまじで来たのっ!?」
こんなバカができる女友達がいるんだから。