I need help.
なし
大学正門前に
多数の報道陣
カメラが半端でない。
警備員の人数も
いつもの倍以上
入校する職員への
セキュリティチェックもきびしい
にやけ顔の大学職員には
ガードが緩いと判断されたのか
すかさずマスコミの囲み
かの職員はこのとき
まだ知らないが
この後
知ったつもりは
減俸処分
こういうときは
ノーコメント
もしくは
足早に遠ざかるのが
賢い人のようだ
さてさて
やはりといえばやはり
スーパーステーションに
取り上げられたのが大きかったようだ
そのあとのネットの評判も上々
就任後 はじめての大学出勤に
初日を心配した小沼も参戦
手配したバンで
ガードマンに囲まれ
出勤
そうなのです
私も知らなかった
会長に就任するも
そこは専任で働くのではなく
大学講師の仕事は
そのままで
要は
二足のわらじを
はかなければならない
「うっそうううう。
聞いてないですうううう」
満員の中央線×1000の
協奏曲が終了した後
メイクを直す間もなく
学長に呼ばれる。
時の人に学長も会いたいのか?
はや、アイドル氣分
のはずも
なぜか
いつの間に平川教授も
帯同
かげなく忍び寄る
初めて会った学長だが
開口一番
曰く
大学名を売るのに絶好の場だが
これから控える
4月の入学式で
何かあっても困るとのこと
鶴の一声
上位下立
落ち着くまでは
出勤しないでよいとのお達し
何と寛大な
大学はこれから
始まる1年間に向けて
猫の手も借りたいとき
新学期からの講義
その他のスケジュールで
1年で一番忙しい時に休めるとは
そのしわよせが
誰にいくのだろう
しかも、騒ぎが落ち着くまで
大学には近づかず
ホテルを転々とする暮らしになるとの
小沼の話
アイドルと言うより
逃亡者。
時の人がなぜ逃げ隠れる
このご時世
何かあった時を心配する人々
私よりも
何かあった時。
その責任を取るのがめんどう。
そんなこったろう。
そこへ小沼に伴って
現れた一人の女傑
佐々木 希美 衆議院議員
以後彼女の秘書のようにしながら
政治を学んだ
議員もそんなけやきを
鍛えるべくいろいろと対応の仕方を
教えてくれた
落語の口伝教授に等しい
また、国会の会期中でもあったが
できるかぎり
商業、農業の支持母体への挨拶回り
果ては、自分の講演会
そして、自分へ課しているらしい
駅での辻説法と
引き連れてまわった
また
痛快な女傑
マスコミも慣れたもので
体よくあしらい
かえって自分の評判も高める
しかしながら
男達が腰砕けの中
盛山けやきにとって
大変ありがたかった
こうして それらのルーティンが
3週間ばかり 続いて
4月 新学期となり
世間は次の
有名アイドルグループのリーダー引退へと
うつっていき
けやきは
もとの大学での生活が戻ろうとしていた
そんな連休明けに事件はおこった。
なし