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Top of the world~天にも昇る~  作者: 玲於奈
3/15

meeting 2

なし

2月下旬 K段社


盛山けやきが

売れるきっかけを作った張本人

柳原邦男


昨年末

札幌での官学一体のプロジェクトで

テレビ局一押しの

アイドルを特集せず

けやきの密着記事をのせる


そして

盛山けやきのヒットへと繋ぐ


作家のような名前だが

小太りおねえキャラで出版社にもぐりこむ


本人は

軽い気持ちで行った

高校への教育実習で

「加奈子ー」

と言われてそれがあだ名

大作家の名前も今時は

そっちかい


その後邦男は教員になるも

やはり

書く仕事がしたくて

教員を辞職


女性誌にもぐりこんだが

雑用ばかり


そして、今日

テレビ、雑誌の忙しい合間をぬい

邦男所属の女性誌インタビュー


女性誌のフロアで

邦男をやっとつかまえる


「けやき、すまない。

 ゆるしてくれ、

 俺だっていろいろあるんだよ」


「ことわると

 おれっちも

 また

 日本全国地方読者モデル

 さがしの旅へ

 逆戻りなのさ」


「もう、

 ベシルータは卒業したいのさ

 頼む、頼みます」


土下座せんばかりの勢い

さらに指折り数える都市名


「沖縄、福岡、神戸、

 大阪、京都

 名古屋、仙台、

 札幌」


その後、

けやきに

いきなり顔を近づけて


「読モのアンケート調査の仕事で

 とばされちゃうのよ」


「もちろん宿泊なしの

 日帰りで」


「あなた、あれが

 どんだけつらいのか

 飛べ、飛行機

 こんな強風に負けるな。

 行け、新幹線。

 関ヶ原の雪はたいしたことない」


すでに加奈子劇場

悲劇のヒロイン

そして、また顔を近づけ


「もう、あんな

 つらい仕事はお断り」


ちょっと真顔で


「編集の仕事をしたいのよ」



そして

懇願ポーズ


しかしながら

おねえなので


ちょっと

五郎丸か


はたまた

ブームのお笑い芸人のまねか


ふざけてる。

そう思った


そこに

ヒールの音も高らかに

真っ赤なスーツに

身をつつむ女性登場


真木よう子似の編集長登場


しかも名前は

小田 真理


いきなり

カウンターパンチ


「すこし話題になって

 消えていく

 女のいかに多いこと」


遠いかなたを見る

どこをみているのーーー


「しかし

 あなたには

 きえてもらいたくない」


視線が戻ってきて

きっちり

けやきを瞳でとらえる


「最初にはっきり

 言っておくけど

 私も

 あなたを利用します」


役員、ボード入りを果たすためには

あと一つ何か実績が必要とのこと

女だてらに編集長を

何年も歴任

しかしながら

この出版不況で

女性誌も整理される

もしくは廃刊とのうわさもある



「わたしも

 あなたもこの波を逃したら

 次はないわよ」


そんなことを言われても

私は有名になんかなりたくない

と言おうとして



「あなたの未来が

 みんなを幸せにするのよ」


「わたしに任せてちょうだい

 悪いようにはしないから」


どこかで聞いたような台詞

悪い奴ほどそれを言う


こうして

本の出版が決まった


なし

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