予期せぬ転生
佐藤 翔太 / リリア(主人公)
- 年齢:20歳(人間世界) → 外見16歳相当(異世界)
- 性別:男性 → 女性(妖精)
- 元職業:ニート → 冒険者
- 性格:引きこもり気味、臆病だが好奇心旺盛、成長志向
20歳のニート、佐藤翔太は、ある日突然異世界「エーテルガルド」に召喚される。しかし、召喚の過程で予期せぬ事態が発生し、翔太は女性の姿をした妖精「リリア」として異世界に転生してしまう。
佐藤翔太は、またしても一日中ゲームをしていた。20歳になった今も、彼の生活は高校を中退してからほとんど変わっていなかった。両親の溜め息が聞こえるたびに罪悪感を覚えつつも、現実世界に向き合う勇気が出ない日々が続いていた。
「はぁ...明日こそは履歴書を書くぞ」
いつものように自分に言い聞かせ、翔太はベッドに横たわった。しかし、その「明日」が、彼の人生を大きく変えることになるとは、この時の彼には想像もつかなかった。
翌朝、翔太は見慣れない景色の中で目を覚ました。柔らかな草の感触、さわやかな風、そして鳥のさえずり。どれも彼の部屋にはありえないものだった。
「なんだこれ...夢か?」
身を起こそうとした瞬間、翔太は自分の体の違和感に気がついた。視界に飛び込んでくる長い金髪。そして、驚くほど小さくなった手足。
「え?えええええ!?」
慌てて周囲を見回すと、草一本一本が自分よりも背が高いことに気づく。そして、目の前に映る自分の姿に絶句した。
そこにいたのは、わずか15センチほどの、きらびやかな羽を持つ妖精だった。しかも、明らかに女性の体つきをしている。
「嘘だろ...俺が...女の子に?しかも妖精!?」
混乱する翔太...いや、今や彼女となった妖精の叫び声は、か細く、どこか愛らしいものだった。
突然の状況変化に頭がパニックを起こしそうになる中、彼女の背中でふわりと羽が開いた。
「うわっ!な、なんだこれ!?」
思わず背中を振ると、羽がはためき、彼女の体が宙に浮いた。
「ひゃあああ!」
驚きのあまり、彼女は空中でくるくると回転してしまう。やがて、なんとか体勢を整え、ゆっくりと地面に降り立った。
「落ち着け...落ち着くんだ...」
深呼吸を繰り返しながら、彼女は現状を整理しようとした。
1. 自分は見知らぬ場所にいる。
2. 15センチほどの妖精になっている。
3. 性別が女性に変わっている。
「もしかして...これって異世界転生!?」
ライトノベルやアニメでよく見たシチュエーションが現実になったことに、彼女は複雑な心境を抱いた。喜びと不安が入り混じる中、ふと自分の名前のことを考えた。
「翔太...じゃさすがにまずいよな。え~と...リリア、うん、リリアにしよう」
そう決意した瞬間、彼女の体が淡い光に包まれた。
「わっ!?」
光が消えると、リリアの体に不思議な感覚が走った。まるで体の中に新しい力が宿ったかのような感覚。
「これって...魔法?」
試しに手をかざすと、指先から小さな火花が散った。
「すごい...」
しかし、その驚きもつかの間、遠くから人の話し声が聞こえてきた。
「誰かいるみたいだけど...このサイズじゃ危ないかも」
リリアは咄嗟に近くの草むらに隠れた。そこから、彼…いや、彼女の異世界での冒険が始まるのだった。