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扉と使命

中学2年生の14歳が書いています。

何かと至らない点があると思いますが読んでもらえると嬉しいです。

「っはぁっ、はあっ、はあっ、

し、しんど……」


まさに命を削る勢いで走り続けた湊は脇腹を抑えて喘いだ。


のも束の間、桐ヶ谷神社の鳥居の向こう側、蹲るようにして手で胸を抑えている渚冬の姿が視界に入るや否や、


「ーーーーっ!!渚兄!!」


己の体に更に鞭打ちそちらに駆け寄る。


「渚兄、渚兄っ!

な、何や、な、な、何があったんやっ…?!」


「み、なと……

このまま、じゃ………

湊も、桜、も、あぶ、ない……

おにい、ちゃんは、ここ、から…動け、ない、から…」 


「っ…?!な、何で、」


息も絶え絶えで弱々しく言の葉を紡ぐ渚冬の姿に湊は狼狽する。


と、丁度その時、桜と葵も桐ヶ谷神社へ到着する。


「ぜえっ、はぁ、おぇ……」


余りの全力疾走っぷりに葵がグロッキーになるのを余所に、桜は二人の姿を捉えるなりそちらに走っていく。


「渚兄?!湊兄?!

ど、どうしたの…っ?!」


「さ、くら……

“時雨夜”にいって、守る、んだ……」


「ぇ…」


「このままじゃ、危ない、からね……」


なけなしの体力を振り絞り弱々しく笑って見せる渚冬に桜の心臓に痛みが走る。


「ぇ、渚冬さん……?!」


その様子を見た葵はグロッキーさを吹っ飛ばしてそちらに慌てて向かう。


「何が、何があったんですか?!き、救急車呼びますか?

大丈夫です、きっとすぐに来てくれますから……」


「い、や…大丈夫、だよ?」


パニックで涙目になりながらもスマホを取り出す葵に渚冬はその手をそのまま押さえる。


「葵ちゃん……この2人を……………

この街を、少しだけお願いしてもいいかな?」


「も、もちろんです!

私に出来ることなら、何だってっ!!」


「ふふ、ありがとう。なら、頼んだよ。」


必死に頷く葵に渚冬は安堵の笑みを浮かべる。


その笑顔の真相を葵が読み取ろうとしたその刹那、


「ほんなら行くで!!

桜!それに、えーと何や、あ、葵?!」


「えっ」


突如として湊に手を引っ張られ無理矢理何処かへ連れて行かれる。


と思いきや、湊の向かう先は神社の中へと入る扉。


桜と葵を引っ張って扉の前に立つ。


「ち、ちょっと、どなたか知りませんけど、渚冬さんを置いてどこに行くつもりー」


「ほな行くで!」


「いや人の話ちゃんと聞いて下さい?!」


「1、2の……」


葵はもっと何か言いたかったが、恐怖やら何やらで舌が痙攣したように動かない。代わりにギュッと目を閉じる。


「3!!」


音を立てて扉が開く。


閉じた目の中にまでまばゆい光が届くのを感じてーーーー





「何、ここ……」


閉じた目を再び開けたとき、葵は思わず愕然とした。


扉の先にあったのは神社の本殿ではない。


通りを行き交う鮮やかな髪、着物をまとう人々。ーー否、その人々は本当に人なのか。つばさが生えていたり、角が生えていたりと、葵の知る人間の姿とは少し違う。


そして、暗い空には無数の星が瞬いている。


通りの左右には和風な建造物が並んでいて、この訳の分からない場所を最も的確に表現しようとするのなら、夏祭り、という言葉が一番正確にこの世界の様子表していると感じた。


リン、リン、と鈴の音が聞こえる。


ドン、ドンと太鼓の音も聞こえる。


通行路は車など一切通らずただ人のみが行き交う、歩行者天国のような景色。葵は直感する。


ここは葵がいた“世界”ではないと。


ここは、何か、違う場所だ。違う世界だ。似ているのに、明確に違う。


一人でこの状況になれば、混乱してその場で蹲り、ただ何もできずにいただろう。


しかし今はそうではない。


そして、ーーーー


「行くで!」


「行くよっ!オネーさん!」


残念ながら状況が、葵にこの場所を理解する時間を与えてくれなかった。


無理解が脳内を渦巻き続ける中、葵は桜と湊に手を引かれ、人混みの中に突っ込んでいった。

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