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異変

中学2年生の14歳が書いています。

何かと至らない点があると思いますが読んでもらえると嬉しいです。

時雨夜から離れた人間界。


ここにいる限り、“時雨夜”での不穏の影には気付けない。


この世界を守るのならば、向こうの世界では守り手がいなくなる。


守り手のいない世界では、どんな世界でも例に漏れず、悪が蔓延る。


どんなに平和な場所だとしても、その平和を守る者が必要となる。


平和を守る者がいなくなれば、平和を乱し破壊し蹂躙するものが現れる。


2つの世界を行き来するものは、どちらかの世界に意識の重きを置いている。


故に、重きが置かれていない方の世界での異変に気付けない。





…………このときの、渚冬のように。


神は皆、神代と呼ばれる魂の核のようなものを持つ。


そしてそれは、渚冬も、湊も、桜も、例外ではない。


神代は人間で言う心臓のような大切なもので、丸く、それぞれの個性によって様々な色に光る。


神代は肉体とは別の場所にある。


もっと具体的に言えば、どの神も例外なく、“時雨夜”の“何処か”に、隠されている。


神代が壊されてしまえば、その神はあまり時間を置かず消えてしまう。肉体も、魂も。


“時雨夜”からも、人間界からも。


神代は、神にとってまさに命をに等しい。


だから、普通は、自分の神代が危険にさらされていればすぐに分かる。


…………“時雨夜”に、いたならば。


渚冬は気付けなかった。


極限まで。この世界に意識を集中させていたから。


渚冬は昔から勘が鋭いが、このとき、渚冬の勘が働くのは、異変に気付くのは、僅かばかりに遅かった。


それが致命傷となる。渚冬が踵を返して残りの稲荷ぐるみを売る台へと一歩踏み出したその瞬間だ。


「づっ、……」


心臓に痛烈な痛みが走り、渚冬はうめき声をあげてそのまま膝から崩れ落ちる。


その痛苦に渚冬は己の神代、そして時雨夜、そしてーー

大切な、家族の神代の危機を直感。


「っぐっ……」


信じられないほどの痛みが走り、思考が白熱する。


その燃え上がる思考の中で渚冬は“神使い”を呼ぶ。


“神使い”はどこからともなく現れうずくまる渚冬のの横にちょこんと座る。


“神使い”は渚冬の相棒。

狐の精霊だ。


「湊に、頼む。

伝えてくれ。きっとまだそんなに遠くに行ってない」


狐の精霊はこくんと一度だけ頷き、湊に異変を伝えるために、桐ヶ谷神社の外へと駆け出す。


「頼むぞ、」


渚冬は祈る。


自分の命の救済に、ではない。


家族の命の保証に、だ。


渚冬はただ蹲り、徐々に全身へと広がる身を引き裂くような痛みに耐えるしかなかった。

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