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リメイク第一章 プロローグ

 この話は、私が最初に書いた「平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ!」の第1章のリメイクになります。

 

 第一章の内容があまりに陳腐で、自分で見るに耐えない程酷い文章だったのでリメイクしました。とは言っても今も別に文章力が上がったとは思えませんが・・・


 第一章の内容は基本一人称視点で物語は主人公三上 礼を中心に進行していきます。


 なんとなく異世界転移にSFをぶっ混みたくて作った作品ですが、第一章はごく普通の?異世界転移のストーリーになります。


 出来る限り既存の設定に無いような展開の物語を目指して書いていきたいと思います。ゆるりとご付き合い下さる方がいれば嬉しいです。

 ここに、様々な物語がある。一つの終着点に行き着く為の沢山の物語が・・・


 その始まりはいつなのか、何処で始まったのかは誰にもわからない。だが、一つ言える事はその物語に僕はいた。そしてみんなもいた。


 だからまずは僕の、僕から始まった一つの物語から始めよう。






 この物語は僕たちが「支配者」を倒す物語。


 そして、「支配」する物語・・・






 201X年 日本国の都会でも無い田舎でも無い、ごく普通の『三上』という苗字の家。


 『ピピピッ!!!ピピピッ!!』


 昨日の夜セットした目覚ましが僕の眠りを覚ました。僕は朝早いのは苦手じゃ無い。だから目覚ましの鳴る音を止めるのにそんなに時間は掛からなかった。けど、寝起きはやっぱり眠いものだ。


 「ふぁ・・・おはよー」


 僕は部屋から出て階段を降り、先に起きている母に僕は挨拶した。


 「おはよ、わ、寝癖ひど。さっさと顔洗ってきなさい?」


 母は僕の顔を見るなり顔を洗って来いとの事だ、分かってるよ、もう成人になったんだから。僕は洗面台で顔をバシャバシャと洗う。うん、少しだけ目が覚めたな・・・


 冷蔵庫には昨日のおかずの残りがある。それを電子レンジでチンしてそれを朝ごはんにして食べる。


 『続いてはエンタメのコーナー、未完結で突如最終回を迎えた往年の特撮ヒーロー作品、超人戦士 ムテキザムライのリメイクが決定致しました。主演はアイドルグループ・・・』


 僕はご飯を食べながら朝の情報番組を適当に眺める。


 「なんかここ最近むかーしのリメイクとか多くない?」


 「だんね、しかもなんでアイドルなの?何の為に俳優って職業があるのか分かんないやん」


 母は歯を磨きながらモゴモゴと話す。さて、僕もそろそろ歯を磨いて・・・


 『続いてのニュースです。今から50年ほど前より行方不明となっていたニヒル アダムス氏が今朝遺体で発見されました』


 50年か・・・白骨死体のDNAでも調べたのかなぁ。警察はそんな事よりもっと別のやるべき事件があるでしょうよ。


 『しかし、この事件での不可思議な現象が報告されており、街の人にインタビューを行いました』


 第一発見者『あの、私はただ道端で人が倒れていたので警察に通報したんです。見た目は二十代くらいでかなり若い女性でした。けど、その人が50年前の人だなんて、何かの間違いとしか思えませんよ』


 第一発見者の人が興奮気味に語る、その後血縁関係の人がインタビューを受けてたんだけどその人はひたすらあたふたしてた。


 「ここ最近変なニュース多いよね」

 

 「そうだねー」


 その事件に僕たち母と息子はそんな感想を送る。対岸の火事と言ったら嫌な感じだけど、僕はこんな変な事件に巻き込まれるのは嫌だなーと言う感想しか持ち合わせなかった。


 僕は身支度を整える、いつもの職場に着ていく服を身につけてリュックを背負う。


 「んじゃ行ってきまーす」

 「気を付けてねー」


 母は外で洗濯を干していた、その母に行ってきますを言って僕は職場に向かう。


 僕は駐車場に置いてあるバイクに跨った、そしてエンジンをかける。父は昔から機械に強くバイク好きで僕は小さい頃良く父のバイクの後ろに乗っていた、それがあってなのか僕は何となくバイクの免許を取った。因みに普通自動車免許もある、MTだよ。


 そう、そこから僕は職場への道を行く。大体10分から渋滞だと20分くらい、結構近い場所に職場はある。


 そろそろ僕について話しておこうか、僕の名前は「(れい)」名前の由来は簡単、常に礼を重んじる優しい子になって欲しいという意味でその名を授かっている。


 僕の仕事ははんだこてを使って様々な機械の基盤を作ったりしてる、いわゆるものづくり系の仕事だ。まぁまだ簡単なハンダ付けしか出来ないペーペーなのは変わらないけど。

 

 ちなみに父はそこの上司にもなってたりする。今朝は早番とかで僕が起きる頃には職場にいた。


 それが大体僕、三上 礼の日常。実家暮らしの20歳、趣味は一人旅で、好きな音楽ジャンルはオールディーズ全般。友達はほとんどいない、高校の時サバゲーに呼ばれた事があって多少今でも付き合いがあるくらいだ。


 そうやって聞くと陽キャっぽく聞こえるけど全然そうじゃないよ、これはとある理由(小さい頃にいじめ)があって無理矢理取り繕ってるだけだから。僕自身は今でもかなりの隠キャだと思ってる。


 それが僕、礼と言う男。僕はいつものように仕事をして、いつものように帰ってきて、いつものように疲れた身体を風呂に沈めたい。要するに平凡に生きたいんだ、そう言う平凡に暮らしているのがこの僕だ。


 僕のバイクは住宅街の中にある少し交通量の多い交差点に差し掛かる。ここは昔から事故が多い、見にくい上にどっちが優先かわかったもんじゃないんだ。僕はいつものように気を付けてこの交差点に差し掛かる。


 けど、今日だけはいつもなようにはいかなかった。




 『ズガアァァァァァンッ!!!』




 この音が聞こえたのは僕の見てる世界がぐるんぐるん回って見えた後だ。しばらく何が起きたのか理解が出来なかった。


 「がはっ!!」


 急に頭が冷静になった。あぁ、事故ったんだ・・・その直後電撃が貫くような激痛が全身を走った。


 そして走馬灯が走る、過去の事、学生時代の思い出、家族との思い出。それから来たのは未来の事、これから僕はどうなるのか・・・死。


 嫌だ・・・まだ死にたく無い。駄目だこのままじゃ!!地面に叩きつけられる前に身体よ動いてくれ!せめて受け身を!!


 普通ならせいぜい頑張ってそこの思考に到達出来るだろう。でも僕は何故か違った、その理由は簡単だ。あり得ないからだ。そのせいで僕は大切に思っていた何もかもを切り捨てこの疑問で頭を一杯にしてしまった。


 事故の筈なのに僕の周辺には、誰一人としていなかった。この時間、この場所、絶対誰かはいなきゃいけない筈なのに、この瞬間には僕の視界には人も子供も、車の影すら無かった。音も・・・聞こえない。


 僕の視界はコンクリートに激突する寸前から記憶が飛んでいた。


 ・ 


 ・


 ・


 「ん・・・ぐっ、いっ・・・た・・・」


 僕を目覚めさせたのは痛みだった。何とか、無事だったのか・・・身体は、痛い・・・救急車、呼ばなきゃ・・・


 僕は何とか起き上がろうとした。血反吐が出てまた力が抜ける。


 「え・・・」


 僕は吐いた血反吐を見て驚いたんじゃない。吐いた場所だ。


 「草?」


 そして前を僕は見た。


 「草原!?」


 さっきまでの住宅街は完全に消えた。眼前に映るのはだだっ広い草原だけだった。


 「ここは・・・」


 僕は周囲を見渡した。向こうの方に人工的な壁がある、その奥にはあれは街か?まぁいいや、こんなとこ、救急車なんて来れないし、まずはあそこに向かおう・・・


 『ぐるるるるるううぅぅ・・・』


 ん?何の音だ・・・背筋がゾワッとした。この感じはすぐにわかる。指先まで痺れてる、恐怖だ。僕は恐る恐る後ろを振り返った。


 そこには見た事の無い生き物がいた。いや、特徴的に言えばトカゲに近いのかもしれないけど体格は人間より少し大きい、そしてあの牙の量はトカゲのそれでは無い。逃げろ・・・逃げろ、逃げろ!!


 僕は抜けそうな腰に無理言って走り出した。でも全身を貫く鋭い痛みが全力疾走をさせてくれない。

 

 『ぐいぁああああっ!』


 あいつに追いつかれるまではそう時間がかからなかった。僕は頑張ったと思うけど、僕が逃げたのはきっと三秒に満たない。僕は足を掴まれその場に倒れてしまった。


 「くっ!!こいつ!!」


 僕はなんとかあいつを蹴り飛ばそうとしたけどあの硬い鱗は硬くて靴が破れた。そして今度こそ痛感した、この牙に僕は食われる。


 『ぐぃやぁあぁああっっ!!』


 「神さま、助けて・・・」


 今更神様頼みか、神様にお願いして何とかなった試しなんてないから僕は、神様なんて信じないって言ってたのに、いざとなったら神様か。都合が良すぎる・・・


 僕は自分で口に出しておいて、そこの一言に僕は後悔した。


 『ブロロロロロロォォォッ・・・』


 ん?今の音は・・・


 『ブゥルルルルルゥンッッ!!』


 「バイク!?」

 「伏せろ!!」


 まるでこの化け物を追ってきたかのようにバイクが僕の真上を飛んでいってあいつを跳ね飛ばした。


 「だいじょぶか!?」


 「は、はい!」

 

 突然の希望、僕はこの人に助けてもらったんだ。その人はバイクに乗っているにも関わらず、その姿は西洋の甲冑と槍を身に纏った、左頬に三本の爪痕のような傷のある男だった。


 『グゥがガァぁ・・・』


 まだだ、あいつは仕留めきれてない。


 「ちっ、仕留め損ねたか・・・だけど、終わりだぜ?()()()()


 バイクの騎士と化け物は一気に走り出した。


 「おらよぉ!!」


 力の差は一目瞭然だった。騎士は化け物を串刺しにしそのままバイクを走らせ木に串刺しにした。


 『ぎぎぁあっ!!』


 耳が痛くなるほどの叫び声を化け物は上げる。苦しんでいるのがヒシヒシと伝わる、僕は思わず耳を塞いだ。


 「終わりっと」


 化け物は完全に動かなくなった。騎士は槍を引っこ抜くと僕に近づいてきた。


 「おい、だいじょぶかー?」


 僕はただ呆然としていた。


 「おい!」


 ぺちんと騎士は顔を叩か僕は我に帰った。

 

 「あ、はぃ!!」


 「よし、だいじょぶそーだなー。けど何でこんなとこに一般人がいんだ?ここは国境の外、危険地帯だぜ?」


 「危険?」


 一体何の話だ?いやまてまて、そもそもこの人はなんだ?あの化け物を知ってるのか?なら、ここは一体どこ?


 「は?何言ってんだお前?マジで言ってんのか?それ」


 騎士は驚いたようやく呆れたような顔を僕に向けた。


 「あんた名前は?どっから来たんだ?」


 んー・・・落ち着け、この展開。見た事ない怪物、西洋騎士、草原の奥にある街。


 当てはまるのは異世界というやつだ。それしかないだろう、最近流行ってるしそれだな。昨日夜更かししすぎて夢を見てるっぽいね、そんで?僕はこの世界の常識をどちらにせよ知らない。だからこんな変な目で見られるんだ、そう思えば簡単だ!相手に合わせれば良いじゃん。


 「ふぅ、僕の名前は礼・・・三上(みかみ)(れい)です」



 僕が今告げた僕自身の名前、この名前が後に、僕の運命を大きく変えることになるとは、今はまだ夢にも思わなかった。






 僕の・・・『僕たち』の運命は、この時既に交わって決まっていた。





 予言の勇者編

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