表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/23

彼女編7

そして土曜日の夜。

遂に後編の内容が出来ました。

秋風さんはこれを読んでどう思ってくれるでしょうか。


…………

月曜日に登校すると校内では妙な噂がたっていました。

なんでもお腹を空かした猫が今日のお昼ご飯は煮干しが良いにゃあと鳴いていたというのです。

なんて具体的なお昼の催促。それを聞き取った人には獣医になるか猫博士になることをお勧めしたい。

ともかく、猫と聞いて思い浮かぶのは中庭のあの猫しかいない。

昼休みに入ると早速私は購買で煮干しを買って中庭へと向かいました。

そこには予想通り猫がいましたが、もうひとり男の子がいました。

彼の手元にも煮干しがあることから例の噂を聞いてきたんだと思います。

と、その時。突然猫が私の持っている煮干しに向かって飛び掛かってきました。

私はびっくりして尻餅をついてしまい、その拍子に手帳が地面に落ちました。

その手帳を見て驚く彼。

彼は私に手を差し伸べながら言いました。

「――――――」

それを聞いて私は……


投稿を終えた私の心は充足感で満たされました。

小説と童話。似ている部分もありましたがそうじゃない部分も多くて、何より今回の作品は完全に自分事のように考えながら書いたので、所々願望がダダ洩れになって照れたり書き直したりと忙しかったです。

お陰で満足のいく作品にはなったと思います。

それから1時間で幾つもの感想が付きました。

嬉しい事にみんなすごく良かったと言ってくれています。

でも秋風さんからは感想が登録されません。

忙しくて読んでいないのでしょうか。

それとも考えていた内容と違い過ぎて怒っているのでしょうか。

私はベッドの上で体育座りをしながらじっと待ち続けました。


気が付けば朝。

どうやらあのまま眠ってしまっていたようです。

飛び起きた私は布団の中に埋もれていた携帯を取り出してチェックしました。


『僕は猫の言葉が分からないので猫から励ましてもらう事はできません。

でもこの小説から勇気をもらう事が出来ました。

だから僕も一歩を踏み出してみようと思います』


そう、感想に書いてありました。

なんでしょう。秋風さんの事だからてっきりお礼の言葉とか感想とかが最初に書かれるのかなと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。

書いてあったのは彼の思いというか決意。

一歩を踏み出すって何をする気なんでしょうか。

…………え?

あ、あれ?

もしかして、そういうことですか。


どきどきしながら迎えた月曜日。

というか私、今月だけでどれだけドキドキしてるんでしょう。

秋風さんからのメッセージにはいつ何処で何をするかなどは書かれていませんでした。

何かあるとすれば昼休みでしょうか。


キーンコーンカーンコーン♪

ガタッ


チャイムと同時に立ち上がる私。

でも立ち上がったのは私だけじゃありませんでした。

祥子さんが私の前に立ち塞がります。

あ、いえ。別に祥子さんにそんな意図は無いとは思うんですけど。


「姫~。もしかして何か急ぎの用事?」

「え、はい」

「じ~~、ん?あれ、手ぶら?」

「え、えぇ」

「ダメだなぁ。はいこれ」

「え、え?」

「じゃあいってらっしゃい。頑張ってね!!」


謎の質問から突然煮干しの袋を渡されて、何も言うまもなく教室を追い出されました。

どうしてこのタイミングでしかもよりによって煮干し?

祥子さんはもしかして全てを知っているのでしょうか。

いいえ。今は祥子さんの事を考えている場合ではありませんね。

私は頂いた煮干しを持って中庭へと向かいました。

中庭で待っていたのはあの時の猫。

そしてその猫と煮干しで戯れている男子がひとり。


「え、まさか本当に来てくれるなんて」


私を見てそう呟く彼。

その視線は私というか私の持っている煮干しの袋に向けられています。

『月曜日』『中庭』『煮干し』『猫』

全ての符号が私が書いた後編の内容と一致しています。

これが偶然じゃないなら彼が秋風さんで間違いないと思います。

彼は煮干しを猫に預けて立ち上がると私の方に手を差し出しました。


「初めまして、かな。秋風、本名は秋元 凪って言います。

手帳の事とか話したい事たくさんあるし、仲良くしてくれると嬉しいです」

「あ、はい。姫宮みことです。こちらこそ、よろしくお願いします」


そう言って私は彼の手を取りました。



ここまでが彼女編1となります(2があるとは言ってません汗)

明日からは彼氏編をお送りします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ