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ベイグリー公国

誰かが呼んでる…誰?

『たえ… たえ…』


『誰?』


『救ってくれ…』


周りを見渡すけど真っ暗。女神の台座?…でも違う気がする。


『たえ 俺を リズを 救ってくれ』


『誰?』


声はするけど姿が見えない。


『迎えをやる。きてくれ』


『迎えって?何処に?』


“てん!” 誰かが叫んだ


『ゔぅ!!』てん君が威嚇している。“何に?”


『たえ おきる はやく おきる!』


これは夢?それともまた誘拐とかされているの?

体が浮上する感じがする・・・


「あれ?」

見覚えのある天井⁈首を振り辺りを確認する。自分の部屋だ。やっぱり夢?でも妙にリアルな会話にどっちが夢か分からない。

夕飯待ちで確かソファーで待っていて…あー寝ちゃったな・・・もしかしてまた夕飯食べずに朝?

徐に起きてテラスにつながる窓のカーテンを開けた。外は暗くてまだ夜みたい…だ⁈


「ん?・・・ キャー!」テラスに人がいる!!びっくりして尻もちをついた


「多恵様!」誰かが駆け寄り起こしてくれる。見上げるとミリアさんだった


「ミリアさん!テラスに人が!!」


「多恵様!落ち着いて下さい。あれは護衛騎士のガイです」


そう言われて恐る恐る見ると暗がかりにガイさんが騎士の礼をしてくれている。なんでテラスに騎士さんがいるの?

サリナさんが来て説明があるから着替える様に言った。状況が全く掴めずサリナさんとミリアさんの指示に従って動く。着替えが終わり居間に行くと丁度部屋にアーサー殿下とイザーク様が来た。殿下は一番に私の元にきてハグをしてソファーに座らせてくれた。お二人とも疲れが顔に出ている。あー何かあるパターンだなぁ


「多恵殿体調は良くなられましたか⁈書物庫にて気分が悪くなったと報告を受けていますが」


「ありがとうございます。もう大丈夫です」


「急に護衛が増え驚かれた事でしょう。これには訳があり今から説明します。

まず以前にも話しをしましたが、第2女神の箱庭からの入船が増えている。そのうえ今日は事前の連絡も無く、ベイグリー公国の皇太子と宰相が入国を求めてきた。用向きが貿易であればファーブス公爵に任せるのだが、今回は多恵殿の謁見が目的だ

今ベイグリーは妖精王の世継ぎ問題で国内は混沌としている。定かでは無いがチャイラ島の虫の大量発生も、妖精王の妖力が安定していないからだといわれている。チャイラ島とベイグリー公国は友好関係にあり物と人の往来が多い。

今この世界に異世界人は多恵殿ただ1人。長らくどの箱庭も召喚がなされていない。

女神が居てくださり加護があれど、人がいる限り何かしら問題は生じる。どの国も異世界の知識を欲していて関係を持ちたいはずた」


ベイグリー公国って聞いたことある気がする。どこで聞いたのかなぁ?

ぼんやり思い出しいると殿下と視線が合う。

お疲れでもやっぱり綺麗なお顔されているなぁ…

いかんいかん…真面目に話を聞かないと


「アルディアはベイグリーから薬草を買い付けている関係上無碍にできないのだ。

今はファーブス領でキース殿が対応し引き留めているが、留めるのは難しく長くはもたないでしょう。

一国の皇太子を拒否する事はできない。今、陛下が直々にフィラ陛下に多恵殿の保護を願い出ているところだ。妖精王の元に居れば誰も手を出せない」


「えっ!フィラのところですか⁈」


さっきのバスルームでの事を思い出し顔が熱くなる。ダメだ変に意識してしまう!

ふっとアーサー殿下を見るて眉間に皺を寄せてじっと見てくる。


「多恵殿…妖精王と何かありましたか?」


「いえ!別に普通です」


「…じっくり話す必要がありそうですね」


殿下の笑顔が怖い!不意に扉がノックされびっくりする。殿下が入室許可を出すと文官さんが急ぎの書簡を持ってくる。受け取ったイザーク様が確認し難しい顔をして殿下に渡す。


「参った。明日朝登城する様だ。薬草の取引を盾にして来た。明日早朝妖精城に向かう。各自準備に取り掛かれ。多恵殿キース殿から文だ」


「ありがとうございます」


手紙を受け取り読む。


『多恵様。申し訳ありません。ベイグリー皇太子を留める事ができませんでした。後の事は我々にお任せ下さい。不本意ですが安全な妖精王の元で暫くお過ごし下さい。必ずお迎えに参ります。私の心はいつも貴女の側に…』


キース様すみません。落ち着いたら一緒にチョコラーテを食べに行きましょう。


『たえ フィラ むり ふあん』


『へ?どう言う事⁈』


『フィラ いま たえ まもれない』


扉が勢いよく開きグラント様が入ってきた。


「許可も無く入室申し訳ございません。緊急事態です。妖精王は多恵様の保護は無理だと仰られまして陛下もお困りです」


「へ?」私嫌われちゃった⁈

お読みいただきありがとうございます。

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