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靴職人

キース様の当番回では無いのですが出番多めです

恥ずかしいのもあと少し!部屋の扉が見えてきた。が!手前の廊下からトーイ殿下が現れた。思わず顔が引きつる。


「多恵殿!どうされました?」


トーイ殿下が駆け寄って来る。


「書物庫で少し気分が悪くなったところをキース様に助けて頂いて部屋まで送っていただきました。もう大丈夫なので自分で歩くと言ったのですが、キース様が意地悪して下ろしてくれません」


トーイ殿下は楽しそうに笑いながら


「キース殿。気持ちは分かるが下ろしてあげなさい。あまり悋気やきもちが過ぎると嫌われるぞ」


「ええ。そうですね」


やっと下ろしてもらい“ほっ”とする。その様子を見て楽しそうに笑うトーイ殿下。

いつも通りトーイ殿下に安心する。殿下と立ち話をしていたら4刻の鐘の音がした。廊下の向こうから交代の騎士さん2名と女性騎士さん…あっ!ミリアさんがこっちに来る。

騎士が1名増えるって女性騎士だったんだ。事件以降ミリアさんに会う間が無くて気になっていたの!


「ミリアさん!」


嬉しくて走りだそうとしたらキース様に腕を取られ肩を抱かれた。


「キース様?」


「私が居るのをお忘れなく」

「えっ?あっはい?」


「だから…それが悋気やきもちなのですよキース殿」トーイ殿下は苦笑している。


ミリアさんが駆け寄って来てくれ手を取り合い再会に喜んでいると、今日の当番のデュークさんと新人さん?がやってきてご挨拶頂きました。やはり新人さんでマックスさんです。しっかり覚えますね!よろしく


「本日より今までの護衛に女性騎士が1名増えます。女性騎士は部屋の中や男性が付き添えい場所までも護衛いたします。多恵様が嫌がられることは致しませんので、思う所があれば遠慮なくおしゃって下さい」


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


踵を返し「ポールさん、クリスさんお疲れ様です。先ほどの書物庫の件アーサー殿下に報告するのですか?出来たら内緒にしてほしいです」


首を振られて報告すると言われた

「ですよね…」諦めついた。今晩アーサー殿下の訪問決定!



部屋に入るとサリナさんが迎えてくれる。キース様が一緒なのに違和感が無いの?


「多恵様お帰りなさいませ。閣下。本日は多恵様をお助けいただきありがとございます。昼食の用意が出来てございます。こちらへどうぞ」


食卓を見るときっちり2人分用意されている!なんで?城内の情報伝達の速さに驚かされる。もしかして密かに無線とか備わっているの?


昼食はこれまた意外に楽しかった。キース様は他国にもよく行かれるので話題が豊富だ。箱庭の男性は一見無口そうに見えるが話し上手な方が多い。


「多恵様はチョコラーテがお好きなようですが、箱庭にチョコラーテを取り扱う店は我が領地に1件とモーブル王国に1件しかありません。

チョコラーテの主材料のカカオスが第4女神の箱庭にしか無くそれを輸入し作られています。舞踏会が終わりましたらお店に行きましょう。店内でも食する事が出来ますよ」


「私の世界にもチョコラーテに似た食べ物があり大好きだったので嬉しいです。お忙しいでしょうからお暇な時にお付き合いください」


またお出掛けの予定が出来て嬉しい。正面に座るキース様は穏やかに微笑んでいたのに急にクスクス笑い出した?訳が分からず首を傾げると


「多恵様は思われている事が全て表情に出ますね。今、外出予定が出来て嬉しかったのでは?」


当たり!思わず拍手してしまった。更に笑うキース様。ちょっと失礼になってきましたよ!


「キース様は特別な能力があるのですか?例えば人の心を読んだり…」


もしそうなら心に強固なシャッター付けないと!


「有れば貴女の今の悩みも理解出来るのですが!」


キース様鋭いから怖い。逃げたくてサリナさんに目配せすると


「閣下。ご歓談のところ申し訳ありませんが、多恵様はレッスンの用意がございますので、一旦退席させていただきます」


綺麗な礼をして私の手を取り立ち上がらせてくれた。私も礼をし退室する。


衣装部屋に入り大きく息を吐き


「サリナさん!ナイスフォローありがとう」


「お褒めいただき光栄です。書物庫で何かありましたか!キース様は多恵様を観察しているといいますか、探っている様にお見受けしますが…」


「やっぱりか…有るには有るけど、まだ私自身が整理出来ていなくて話せる状況ではないの」


「分かりました。お話されたい時はいつでもどうぞ。暫くはキース様との会話時は私も注意して、お助け出来る様にしますので遠慮なく頼って下さい」


それにしても誰に相談していいかも分からない。

近いうちにケニー様との面会ガチンコがある。

大丈夫か私!



イワン先生から組んで踊る練習をするので、本番に近い服装を指示されているらしく、キラキラのドレスを着せられた。鏡に写る私をみて七五三の記念写真を撮った娘を思い出す。着せられてる感満載である。


「似合わない…」


そう呟くとサリナさんが慌てだし、別のドレスを取りに行こうとする。違う違う!ドレスが気に入らないじゃなくて、私が似合ってないのだ。

はぁ…ジーパンとティーシャツが懐かしい!



着替えて居間に戻るとキース様が目を見開き、口元を綻ばせ足早に向かってきます。

手を取られて褒め褒め攻撃を受けています。 

ダンス前からもう疲れました。

練習部屋へ移動中。いつもは騎士さんと談笑しながら向かいますが、今日はがっちりキース様に手を取られとエスコートされています。


廊下を歩いているとすれ違う女性は皆んな目がハートで、キース様に秋波を送り私には敵意を向けてきます。今横をすれ違った令嬢にすれ違いざまに小声で、”チビ、醜女”と悪口を言われた。当たってるから反論ないし悲しくも無い…よ…ちょいへこむけど


突然キース様が立ち止まり私をミリアさんに預けて、さっき悪口を言った令嬢の元に行った。

令嬢は突然近づいて来るキース様に顔を赤らめて更に秋波を送っています。

令嬢の前に立ち止まると綺麗な礼をされて何か話していますが、距離があり会話は聞こえません。

キース様は背を向けられ表情は分からないが、令嬢は見る見るうちに顔面蒼白になり涙目になってとうとう俯いてしまった。キース様なに言ったの⁈

キース様は礼をされて戻ってきて、またがっちりエスコートを再会します。


「何を話されていたのですか?」


「ご自分の身の程を教えて差し上げただけです」


「?」意味わからん…


私の顔を見て楽しそうに笑ってます。「やはり貴女は最高かわいいです」


後日全く面識のない伯爵様から謝罪文が届きました。



練習部屋に着きました。

入室するといつもの様にイワン先生がいらっしゃって笑顔で迎えて下さり開口一番


「多恵様!見て下さい!防護靴完成しました」


イワン先生はその場でターンをしてポーズを決めます。足の甲には鉄板が付いてます。

近づいてイワン先生の足元に屈んで足元を見ようと視線を落とすと、イワン先生は後退りをし私はキース様に腕捕まれ引っ張られてキース様に抱え込まれた。


「へ?」


イワン先生は赤面し狼狽えています。ミリアさんが駆け寄り皆んなが慌ててる理由を教えてくれた。

足元に屈む姿勢は貴方にに身も心も全て捧げますっという意味になると


私はキース様の腕の中で慌てるなか、ミリアさんがイワン先生に私が意味を知らなかったと伝えに行きイワン先生は安堵している。


「イワン先生ごめんなさい!意味知らなかったし、単純に防護靴を間近で見たかっただけなんです!」


「驚きました!意味をご存知無かったのですね、安心しました。私は妻帯者ですので…」


ふとキース様を見上げると

『怖!めっちゃ機嫌悪い!』

キース様の腕の中が居心地悪くて俯いていると、


「目が離せないお人だ」キース様が小さくつぶやく。素直にごめんなさい。やっぱり無知は駄目だね…


部屋の隅に職人風のおじ様が立っているが目に入った。靴職人さんかなぁ⁈ワイルド系の男前さんだ

もう美丈夫は見慣れました。

イワン先生が職人さんに声をかけ部屋の隅のテーブルに腰掛ける。職人さんはテーブルに布を置きその上の防護靴を置いてくれた。

見本があるなら早く言ってくださいよ!


防護靴は思った以上にしっかり出来ていて、職人さん曰く重いので軽量化が目下の課題らしく意見を求められた。

甲の部分は鉄板らしく強度を考えるとこれ以上の軽量化は無理で行き詰っているらしい。


「鉄以外の素材は無いのですか?動物の皮や鋼材などで⁈」


「多恵様の教えていただいたのが鉄だったので、素材まで頭に無かったです。素材を探してみます」


職人さんは嬉しそうにメモを取っていた。


「あと、足の甲だけで無く爪先も防護してくださいね。荷下ろしとかは特に爪先に荷物が落下しそうなので」


職人さんは目を輝かせてメモを取りうれしそうです。


靴の打合せが終わり席を立つと職人さんが手を出されてので『握手かなぁ?』と手を出したらキース様に手を取られた。

微笑んでいますが目が笑っていません。ここに来てからずっと機嫌が悪い。困ったなぁ…




気不味いままダンスの練習が始まります。イワン先生から昨日の自主練習どんな事をしたか聞かれ、組まずに向かい合い手を取り合いステップを確認したと伝えると腕組みをして考えています。


「いい練習方法ですね!多恵様が考えたのですか?」


「いえ、侍女のエレナさんが女性パートを教えてくれまして」


「エレナ嬢ですか!彼女は私の教え子の中でもとても上手で講師になれる程の腕前です。エレナ嬢の練習方法で一度踊ってみましょう」


イワン先生が私に手を差し伸べた時


「イワン殿。パートナーは私が務めましょう!よろしいか!」


「えっ⁈はい」


イワン先生が返事する前にもう私の手を取っているキース様。いきなりキース様ですか…今日はご迷惑おかけしているし仕方ないか…

昨日同様に向かい合い手を取り合い、先生の手拍子で踊りだす。


キース様は流れる様にリードされます。動きに無駄が無い。やっぱり何度か爪先が当たった。


「多恵様。リズムは取れています。もう少しステップを練習しましょう。では防護靴の出番です!組んで一度踊りましょう」


イワン先生に教わりながら先生と組みます。『はっ恥ずかしい!何これ、結構体が密着する』


「多恵様。初めは恥ずかしいかもしれませんが慣れましょう」


助手さんが手拍子をはじめ踊り始めます。結果は。。。

3回ほど先生の足を踏みました。先生は全く痛くないと防護靴を絶賛し上機嫌です。

気が付くとキース様が横に来ていて、「次は私と!」とパートナー交代を申し込まれます。


「確実に踏んでしまうので防護靴を履かれているイワン先生にお願いします。キース様上達したらお相手お願いしますね」


やんわり断ったけど「大丈夫」の一点張りで引いてくれずイワン先生が困っています。

もー面倒くさいなぁ・・・


「では、キース様そちらの助手の方と見本のダンスを見せて下さい。上手な人のダンスは参考になりますから」


キース様明らかに難色を見せます。助手の女性は満更でもなく頬を染めてキース様を見つめています。

私と踊るという飴に釣られてキース様は助手の方と踊りだします。


やっぱり上手な方のダンスは美しい!目の保養です。グラント様の時も思ってけどキース様も私とじゃなく美しいご令嬢と踊った方がいいんじゃないかな⁉


踊り終わると助手さんに礼をし、踵をかえし直ぐに私の手を取ります。


キース様…そんなに踊るの楽しいですか⁈私はあんまり…です。

お読みいただきありがとうございます。

今忙しく更新はゆっくり目です。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録よろしくお願いします。

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