マッサージ
アーサー殿下と多恵の距離が近くなっている?
「いった!」体の痛みで目が覚めた。うそ筋肉痛⁈もしかして昨日のダンス⁈
凄い!翌日きたよ筋肉痛!流石17歳の若き肉体!
「あ…ぃたたた…」腹筋が痛くて起き上がれない…
『たえ だれ いたい した?』
『てん君違う。昨日のダンスで筋肉痛なの!』
『ダンス⁈ アーサー? グラント? いたいした!』
『違う!運動不足だから誰も悪くないから』
『?』
てん君は筋肉痛は理解出来ない様で、ダンスの練習相手の殿下とグラント様を悪者として見てる。
てん君にいっぱい説明して何とか分かってもらえた
暫くして入室して来たエレナさんが慌ててベッドに駆け寄ってくる。筋肉痛だと伝えると食事の前に湯浴みをし、その時にマッサージをしてくれる事になった。しかしバスルームまでも行けない位酷い筋肉痛。流石にエレナさんが私を運べる訳も無く、外で待機の騎士さんにお願いする事になった。
はっはずかしい…
エレナさんが騎士さんを呼びに行ってから大分経つのに中々帰って来ない。騎士さんが拒否しているのかもしれない。鍛え上げた騎士さんからしたら筋肉痛なんて有り得ないだろうし…
自分で言っといて傷ついた
もー1日ベッド生活を覚悟した時に勢いよく寝室の扉が開いた。びっくりしてまた痛みが走る!
「多恵殿!」
「へ?」何で?貴方がいるの⁉︎
ラフな部屋着に少し寝癖のついたアーサー殿下が立っている。ベッドまで早足で来て私の手を取り、キラキラしながら手の甲に口付けを落とし微笑む
「状況はそこの侍女に聞きました。貴女をバスルームに運ぶのを他の者に任せられない。私がお運びしましょう!」
目が点になり思わずエレナさんを見たら気不味そうに俯く。あー何か訳ありだなぁ…エレナさんに首を振り微笑んだ。察したよ!
「ではお運びしてよろしいか?」
「殿下にお願いするなんて恐れ多いです。当番騎士さんでいいんですが…って言うか騎士さんもお嫌でしょうが…」
「なりません!貴女の夜着姿を他の者に見せる事など出来ません!」
勢いよく掛け布団を剥がされ殿下に抱き上げられた。「いったぁ!」思わず声が出た。
殿下はどさくさに紛れて額に口付けをして微笑み
「すみません。少しだけ我慢して下さい」
殿下はバスルームに向かうと慌ててエレナさんがバスルームの扉を開けバスルームに入る。
浴室の横に置かれた椅子に下ろして、名残惜しそうに私の頬を撫でてバスルームから出て行った。
「多恵様…申し訳ありません。待機しているポール様にお願いしたら、殿下の指示を仰がないと出来ないと言われ、クリス様が殿下に報告に行くと殿下が直々にお見えになりまして…」
あーポールさんもクリスさんも殿下が怖かったなぁ…内緒にしとけばいいのに…
私は比較的早寝早起きだから、あの感じは殿下はまだ寝てたなぁ…クリスさん私の筋肉痛程度で殿下起こしたのね…
「はぁ…ごめんねエレナさん大事になって」
「いえ!それより早く筋肉痛とさよならしましょう!」
いつもは湯浴みは1人でするけどエレナさんに手伝(介護)ってもらい服を脱ぎ浴室に入る。
湯に浸かり少し痛みが緩和される。湯船から上がると簡易ベッドに上がり、エレナさんが香油でマッサージを施してくれる。どんどんほぐれて痛みがマシになって来た。
マッサージが終わる頃かには違和感もなく元通りに
着替えて居間に行くと身なりを整えた殿下がソファーでお茶を飲んでいた。どうやら私が湯浴みしている間に着替えに戻ったようです。
本当に鑑賞対象としては最高なのよね…
殿下にお礼を述べるとがっかりされた。
湯浴み後の移動もできると思っていた様です。
すみません…エレナさんのマッサージで全快です
ふと食卓を見るとサリナさんが朝食の準備をしている。あれ?今日は昼からじゃーないの⁈まじまじサリナさんを見ていたら
「おはようございます。エレナは他の用向きで暫く空けますので、私が務めさせていただきます。アーサー殿下、多恵様食事が御用意出来ました」
今日は殿下と朝食を共にし意外に⁈楽しく食事をしました。食後ソファーに移動してお茶をいただいています。唐突に殿下が…
「多恵殿。ライカ嬢に面会してもらえないか⁈ずっと黙秘していて正直困っている」
「私も気になっていたのでお役に立てるなら喜んで」
「よかった…日程を調整しよう。後、昨日キース殿から報告があり、第2女神の箱庭のベイグリー公国から入船が増えているらしい。関係ないとは思うが彼の感はよく当たるゆえ、多恵殿の身辺警備を増やす。暫く不自由をかけるが理解していただきたい」
リリスが注意していた第2女神の箱庭の良くないものってこの事⁈
お読みいただきありがとうございます。
第2女神の箱庭が出てきました。
まだ多恵が来て1ヶ月経ってないのに、色々ありすぎですね




