第2女神
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自然な流れでアーサー殿下にエスコートされ部屋に戻ります。唐突に殿下に甘いものは好きか聞かれて“はい”と答えると、城下にできた洋菓子店に今度行きましょうと誘われた。
「殿下。それって開店したお店ですが?」
「ご存じか?」
「はい、先ほどご面会したトーイ殿下にお誘いいただき今度行くことになりました」
「…。 私はやはりリリスの加護は無い様だ…」
『やっば!殿下は気分ダダ下がりだ!』
「えっと… こちらに来てから城以外に行ったことないので、城下とか色んな所に行ってみたいです。殿下どこかお薦めはありますか?」
「では妖精の森近くに“ライラスの滝”があります。景色もよく滝の近くで半日過ごすと、体が浄化されると言われている。道が細いので途中まで馬車で行き後は馬で行きましょう」
「私乗馬できませんよ」
「大丈夫です、私がお乗せしますので!」
「相乗りですか⁈」
「お嫌か?」
「いや…恥ずかしいので…」
殿下は顔を背け何かブツブツ言っています。何か怖いのでスルーしておきます。
あっという間に自室が見えてきました。殿下は名残惜しそうに手を握りじっと見つめてきます。
走って乱れた髪や首元をから覗く胸元とか超絶色っぽい。鑑賞対象としては最高なんですがね…
「送っていただき、ありがとうございます。公務でお疲れでしょう⁈ゆっくりお休みください」
「ありがとう…。多恵殿ラストダンスの件考えてみて下さい」
頷くと殿下は微笑み手の甲の口付けを落とし帰って行った。
部屋に入るとケイティさんが迎えてくれる。食事の前にケイティさんにラストダンスの件を相談をすると、ケイティさんは…
「ラストダンスは親愛を意味し身内の年長者にお願いするのが一般的です。最近では兄弟や従妹をパートナーにされる方も多いので、広い意味で信頼を置いている方という意味で認識しています。そう考えるならばアーサー殿下をラストダンスのパートナーに選べば、多恵様がアルディア王国を信頼している意味になります。陛下もその辺を考慮したうえで、他国に多恵様との良好な関係性を示したいのだと推測いたします。まぁ…アーサー殿下は多恵様の特別になりたいのだと思いますが…」
「じゃ!受けても問題ない?受けてまたグラント様やキース様が乗り込んで来ない⁈」
「そこは微妙ですね…」
「微妙なん…ですか⁈ ちょっと考えてみます」
話が終わりケイティさんは夕食の準備を始める。待っている間ソファー座りぼんやり考える。
そもそもダンス自体したくないのだ。初めは最低1曲って言ってたじゃん!だったらフィラと踊って終わりでは駄目なの⁈ それにあと2週間ほどしかないのに今だステップしか出来ていない。
伴侶候補が増えたせいで踊る人も増えている。私何か悪い事した?もー罰でしかないんだけど…
食後はすぐに寝室に入りベッドに潜り休みます。寝るには少し早いかと思ってけど、お休み5秒でした。
『ぅーん…眩しい』目を開けると目の前を妖精さんがふわふわと飛んでいます。
「おはよう。朝からご苦労様です。今日は何かあるの?」
妖精はテラスの窓近くに集まっています。窓からテラスを除くとベンチにフィラが座っています。慌ててテラスに出るとフィラが来て抱き寄せてきます。初めの時はドギマギしたけどもう慣れちゃいました。まだ日が昇る前で辺りはまだ少し暗い。寒くて身震いすると、妖精さんが部屋からショールを持ってきてくれました。フィラ丁寧にそれをかけてくれ、再度抱きしめます。
「おはよう。昨日はありがとう。舞踏会よろしくね」
「ああ…。アルディア王から返事が来ていた。昨晩お前に会いに来たら寝ていたので出直したのだ」
「ごめん。疲れていたから」
「気にするな。お前の顔を見れればいい。それとリリスから伝言がある。第2女神の箱庭に良くないものが多恵に向いているから気を付けるようにと」
「何それ⁉怖い怖い…第2女神の箱庭って近いの?」
「船で3日はかかる。リリスは多恵の召喚で力が弱っているからあまりあてにならん。大丈夫だ、俺がいる」
遠くで2刻の鐘の音が聞こえてきた。そろそろケイティさんが起こしに来る。
「また来る、用心しろ!」
「ちょっと待て!そんなふわっとした情報では分からないよ!用心しようがないじゃん!」
フィラは急ぐ様に帰っていった。また事件とか嫌だからね!
寒いので直ぐ寝室に戻りベッドに入った。ケイティさんが起こしに来るまで色々考えてみるけど、よく無いモノって何?
『たえ こわい?』
『“良くないモノ”って怖いじゃん』
『てん フィラ いる』
『そうだね…よろしくね』
『だいじょうぶ てん つよい』
てん君呼んでもふもふしようとしたらケイティさんが来た。てん君ごめん…夜もふもふするね!
いつも通り朝食を食べ湯浴みを終えるとケイティさんが今日の午前中は自由になったと教えてくれた。どうやらアーサー殿下が面会続きの私を気遣って調整してくれたようです。
でも、今日から舞踏会までは毎日ダンスのレッスンが入ります。ホンと嫌!
午前中何をしようか考えて書物庫と城内の針子さんの作業場を見せてもらう事にしました。
書物庫はフィラが言っていた第2女神の箱庭の事を知りたいから、針子さんはこの世界の縫物事情を知りたかったから
早速、騎士さんに護衛を頼み書物庫へ!今日は誰とも遭遇しません様に…(誰か知ら会うんだよね…)
書物庫まで誰にも会わずに着けた!でも何かありそうで怖い…書物庫に入ると…誰も居ない!ちょっと神経質になり過ぎかなぁ。
すぐにトーマスさんが来てくれ前に借りた本を返して、第2女神の箱庭について書かれてる本を教えてもらう。
トーマスさんは”女神イリアの箱庭”という本を選んでくれた。この本は女神イリアが箱庭創成から現代までを解説した本らしい。
『この本に”良くないモノ”のヒントがあればいいけど…それにしても重!』
この国は紙はあるが1枚1枚が分厚いので、自ずと本が分厚く重い。文庫本位の内容でも百科事典位ある。今日も騎士さんが持ってくれます。感謝!
トーマスさんの案内を断り1人で本を見て回っていると、奥の扉からケニー様が出てきた。
「ん?」何か怖い…美少年が台無しだよ⁉︎
ケニー様は私を見るなり驚いた表情をして、駆け寄ってきた。
「多恵殿…今日はどうされました。調べてものですか?」
「おはようございますケニー様。午前中は自由時間になったので」
ケニー様は急に最敬礼して事件の事を詫びられました。直接関係無いのからいいのに…謝罪をお受けしてしばらく立場話をしています。
「そういえばケニー様が出てこられた部屋は何が有るんですか?」
「トーイ殿下の命で禁書庫に本の返却に参りました。内密ですので他言無用でお願いします」
「あっはい」
指で口前でバツをして返事をしたら、あれ?ケニー様はフリーズして目が点に⁈そして下を向いて控えめに笑ってる!
「やはり貴女は素敵だ」
手を取られて手の甲に口付けされた。箱庭男性の褒め褒め社交辞令もだけど、この様なスキンシップは慣れない。本で読んでてちょっぴり憧れてたけど、実際されると困るだけだった。
憧れは実現しない方がいい事もあるんだと実感する。
ちょっと中だるみ中で中々話が進みませんが、気長にお読み下さい。
よろしくお願いします。




