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フィナンシェ

投稿がまちまちですみません

「なぜそう思われたのですか?」


「今回の事件で兄上は多恵殿の心情を察していない事が分かったからです。兄上は次期国王になるべく学ばれ努力されて王としての品格と自覚もお持ちです。己の感情や心情より“国”を優先する。私は現場におらず報告書を読んだだけですが、サマンサを捕縛した時に兄上は躊躇なくサマンサを切ろうとしている。

それは尊き女神の乙女を害した者を“国”として罰する必要があると考えての事で、そこに多恵殿の心情を察する考えはありません。しかしその判断は“国”を治める者としては正しい。

今後、このような状況に遭遇した時に兄上は多恵殿のお心を察することが出来ないでしょう。私がナタリー嬢では無く貴女を選んでも同じであったと思います。私も王族だからです」


「…」


「それに比べグラント殿はまず多恵殿の心情を考えサマンサの処分を止めた。多恵殿があの場にいても同じ事を望むのではありませんか?」


「確かに…」


「グラント殿が未来の義理の兄という贔屓目では無く、グラント殿の方が貴女の心をお支え出来ると私は思っています。選ぶのは貴女です。焦らず兄上や他の求婚者の為人を見て下さい。私は貴女の味方です」


「ありがとうございます。箱庭の問題が片付いたらゆっくり考えます。私てっきりアーサー殿下を薦められると思っていたので、グラント様推しで拍子抜けしちゃいました」


「絶対贔屓目では無いですから!公爵にも頼まれていませんよ!信じて下さい!」


「はい。分かっていますから!」


ヒュー殿下は少し考えて楽しそうに


「もしグラント殿を伴侶に選べば、多恵殿は義理の姉になるのですね!うーん悪くないですね!」 


そっか!グラント様とナタリー様は兄弟でした!そこ繋がっちゃうんだ…なんか複雑な気分だ…

ヒューイ殿下は終始穏やかな笑顔をくれます。


最後に殿下はサマンサさんに対し情状酌量を求めてくれた事を感謝なさり、ナタリー様がサマンサさん件と流行病の予防策に協力できる事に喜ばれていた事を教えてくれました。近いうちにマスクづくりでナタリー様にお会い出来るかなぁ⁈

面会は穏やかに終わりました。時間にゆとりが出来て、次のトーイ殿下の面会までゆっくりできそうです。


「ケイティさん。次の面会までゆっくりしたいので、急な面会はお断り下さい。寝室で休みます」

そう告げて寝室に行きベッドにダイブしてゆっくりします。


『たえ つかれ たくさん』


『そうだね…疲れた てん君さっきはありがとう』


『なに?』


『フィラをエスコートお願いした事だよ』


『つがい いいの フィラ だけ』


『アーサー殿下のエスコート回避の為に妖精王のフィラを思いついたんじゃないの?』


『アーサー つがい ない』


どうやらてん君はただ単に認めていないアーサー殿下がパートナーなのが気に食わなかっただけでした。理由はどうあれ、てん君のアシストで難を逃れました。

で!てん君を呼んで今もふもふの最中です。


「多恵様。トーイ殿下の前触れがありましたので、そろそろご準備を」


「は~い」てん君に戻ってもらい居間へ行きます。


ケイティさんは微笑んでいますが、気付いてしまいました。ケイティさん目が笑っていません!その視線を追うとドレスの裾を見ている!

ベッドで寝転がっていたのがバレてる!ごめんなさい・・・無言で身なりを直されました。


『あれは!!』ソファーのテーブルに私の大好きな焼き菓子“フィナンシェ”があるではないか!

テンション上がる!!

フィナンシェに目を奪われている私に気付いたケイティさんが


「エレナからお好きだと聞きましたので、パティシェに依頼しご用意しました。昨日、今日と続けてのご面会でお疲れでございましょ⁈甘いものは元気がでますゆえ」


サリナさんも出来る侍女さんだが、ケイティさんも凄い!仕事が出来る女性はかっこいい!

“ぷっ” 笑った?


「あ…失礼いたしました。多恵様は表情が豊かで思ってらっしゃる事が手に取るようにわかるので、可愛いお方だと思いまして」


甘味スイーツを前にしたら誰でも嬉しくなるでしょう!」


「いえ、アルディアの令嬢は人前であまり感情を出されません。不敬になりますが…本当に多恵様可愛いです。お会いになった殿方が心酔なさるのが理解できますわ」


「お世辞は要りませんし、可愛くもありませんから!はい!この話は終わりです」強制終了します。


私が赤面しているとトーイ殿下がお見えになりました。


「多恵殿⁈お顔が赤いですがお熱でもあるのでは?医師を呼びましょう!」


「ちがいます!トーイ殿下!お医者さん呼ばなくていいから!恥ずかしい事があっただけなんです!」


何とかお医者さん回避しました。


仕切り直して…トーイ殿下は最敬礼しやはり謝罪から始まりました。謝罪をお受けし殿下に着席を勧めます


怒涛の面会最後です。気合を入れてこなします。


トーイ殿下は事件当日第1、第2騎士団が捜索に出てしまったため、またまたお留守番になったそうです。すっかりお留守番役ですね!

そこにレックロッドとモーブルの騎士団が何の前触れもなく王城に詰め寄り、一時緊迫した状況になったそうです。

無理やり捜索に出ようとするオーランド殿下を説得していると、早馬が着き監禁場所を知らせる一報が届いたそうです。


「いつも損な役割ばかりです。私も多恵殿救出に向かいたかったです」


「ご心配をおかけしました。お気持ち嬉しいです」


トーイ殿下はレックロッドとモーブルの騎士と殿下を何とか城内に留めて私の帰りを待っていると、帰って来たのはアーサー殿下とグラント様だけ。

私はフィラが妖精城にお持ち帰りしていました。(決していやらしい意味ではない!)

オーランド殿下が怒りアーサー殿下にアルディアには任せられないと詰め寄ったそうです。


「あの時は兄上も珍しく冷静さを欠き感情的でしたので、言い争いになりまして…

どうやら多恵殿を救出した後にフィラ陛下が、多恵殿の傷は妖精の国にいた方が早く治るし、アルディアに任せられないと、半ば強引に多恵殿を妖精城に連れ帰ったのです」


「知らなかった…私、フィラに助けてもらって直ぐに気を失ったので…何か皆さんすみません」


その後の事はヒューイ殿下に聞いていた通りでした。皆さんに迷惑をかけたとしょぼくれていたら


「多恵殿は愛らしいから何をしても誰も怒りませんから、気になさらないで下さい!」


んな訳あるか!漫才師バリに突っ込みたくなった!

あっありがとう。ちょっと元気出た。

役者もフィナンシェ大好物です。

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