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雌猫

グラント様の父登場!

先触れから少ししてオブルライト公爵様が来室されました。ど緊張してます。


入室されたオブルライト公爵様はイケおじでお歳は私と同じ位のアラヒィフぐらいでしょうか。

グラント様が歳をとったらこんな感じになるのかなぁ⁉︎


「御目文字叶っい光栄に存じます。オブルライト公爵様当主クラーク・オブルライトと申します。

この度は家臣が女神の乙女で有らせられる多恵様に危害を加え、弁解のしようもございません」


公爵様は最敬礼をして謝罪を続けられます。


「本来なら家督を愚息に譲り王国に領地の返還等償うべきですが、多恵様もご存知の通り間もなく寒気により流行り病が猛威をふるいます。

領地が落ち着きましたら償う旨、陛下に陳情しております」


「謝罪をお受けしました。お頭をお上げ下さい。

多恵と申します。微力ながらオブルライト領地の病の予防をお手伝いさせていただきます。よろしくお願いいたします。色々お話したい事がありますので、まずはお掛け下さい。」


公爵様は安堵した表情をしてソファーにかけられます。


「多恵様は事件の詳細をお聞きになっておられますか?」


「はい。大まかにですが。一番気になっているのですが、サマンサさんはどうなったのですか?誰も教えてくれないので…」


公爵様は苦々しい顔をして


「罪を犯した者の身を案じなさるのですか⁉︎多恵様はお優しいのですね。サマンサは今騎士団の地下牢に収監されていますが、精神的に不安定で話を出来ない事も多く事件解明に時間を要しそうです」


あーやっぱりあの時も色々おかしかったからなぁ…


「よかったです。こんな事言うの不謹慎ですが、私は落とし穴から出ていて、その後の部屋の様子を見ていないので、もしかしてその場で処刑されてしまったのではないかと… 恐くてですね…聞き辛くて…」


「やはりグラントが言うとおりのお人だ。多恵様が落とし穴に落ちた後に、殿下が自ら手を下そうとしましたが、グラントが止め一旦城に送る事になりました。サマンサはその場での処刑を求めましたが、グラントが多恵様が後で知ると悲しまれると、殿下を説得したのです。

私がその場に居たなら殿下と同様の事をしたでしょう」


グラント様わかってる!自分が関わった人が死ぬのは後味悪いし、きちんと事件の全貌が分かってからでも遅くないし、罪を償う事もできる。

当事者としてはこうなった理由を知りたいから生きていてくれてよかった。


「ナタリー様は大丈夫ですか⁈サマンサさんはナタリー様の侍女だと聞いていたので…ショックをうけられたのでは⁈」


「… ご心配いただきありがとうございます。体調を崩し伏せっていましたが、昨日から普通の生活をしております。

多恵様はヒューイ殿下とナタリーの婚約が決まった事をお聞きでしょうか⁈」


恐る恐る聞いてくる公爵様は申し訳無さそうだ。

全然OKなのに!寧ろそれがハッピーエンドなのだ


「はい!御婚約誠におめでとうございます!」


あれ?公爵様呆気にとられていますよ⁈

私、殿下に恋がれてませんからね!


「元々お2人は結ばれる運命だったのに、タイミング悪いリリスが、私を召喚しちゃうから話が拗れただけです。殿下も毛色変わった雌猫に興味を持って寄り道しただけです。

そういえば公爵家にもう1名寄り道中の方がいらっしゃるので、正規ルートに戻る様に軌道修正いただけると助かりますが!」


公爵様は緊張がとれて穏やかな表情になり


「私はその者にはそのまま毛色の違う美しい猫を追かけ捕まえればいいと思っています」


「一時の気の迷いだと思うのですが!いいのですが後継ぎでしょう⁈」


「息子を信じていますし、今息子の判断が正しいと確信いたしましたから」


『…これ以上は明言はやめておこう。逃げ道無くなりそうだ』


話題を変えなっくっちゃ!


私がテンパってきたのを察してくださり、公爵様が話を変えてくれました。


「ナタリーが多恵様にお目にかかり謝罪をと申しております」


「必要ないです」


「そういう訳にはいきません」


ゔーん本当に要らない。『あ!いい事思い付いた』


「唐突ですが、ナタリー様は簡単な針仕事できますか?」


「針仕事ですか?淑女の嗜みとして刺繍ならそこそこの腕前ですが…」


「刺繍出来るなら大丈夫です。謝罪は必要無いので、変わりに流行り病の予防のお手伝いをして頂きたいのです」


「あの子に勤まりますか?」


「大丈夫です。キチンと指導しますから」


「多恵様のお手伝いが出来て領民の為になるならあの子も喜ぶでしょう!」


よし!人手確保!


話がひと段落ついたので、座り直しお茶を頂きます。


「グラント様から流行り病の件何かお聞きですか?」


「はい。多恵様の世界でもある病気で予防する事が出来ると聞いております」


「検査をした訳では無いので正確な事は言えませんが、症状と流行る時期からして“インフルエンザ”というウィルス系の感染症だと思います。

インフルエンザにかかると高熱が出て関節痛、頭痛等の風邪と同じ様な症状が出ます。

体力があれば1週間ほどで完治しますが、体力の無いお年寄りや子供は重症化して亡くなることもあります。

私の世界でも毎年流行り亡くなる方もいます。

私の世界では流行る時期より少し早く予防接種というものを受け予防します。こちらの薬や医療がどの程度か分からないので、予防接種は恐らく不可能でしょうが、こちらの医師や薬師の方と相談したいと思います。

医療以外でできるのは感染予防です。マスクに手洗いうがいをする事で感染リスクが低くなります」


公爵様は初めて聞く話が多く目を白黒されています。


「ご説明いただきましたが初耳のものが多く、理解するのに時間がかかりそうです。私共は何をすれば良いのでしょうか⁈」


ですよね…まずは時間のかかるマスク作りからです!


「この箱庭にはマスクがありませんよね⁈

マスクとゆうのは口と鼻を布で覆うものです。インフルエンザウィルスは飛沫感染といい、咳やくしゃみをした時に空気中にウィルスが飛散し、それを吸ったり付着した手で鼻や口元を触る事で感染します。

ウィルスを体に入れないのと、人にうつさない様にする為に使うものです。私の世界では予防対策に一番よく使われています。」


「多恵様は作り方をご存じですか⁈


「はい。侍女さんに材料を用意いただいたので、試作品を作るつもりです。使って頂いてご意見いただいて改良し、量産体制を取りたいと思っております」


「・・・」


「ん?」公爵様がフリーズされています。

私おかしな事いいましたか?


「公爵様どうかなさいましたか?」


「いえ、女性がこの様な知識を持ち、男性に意見されるのを初めて見ました故驚いております」


「あーこちらの女性は男性に擁護されるの理想でしたっけ⁈」


「はい。私の妻もそうですが夫に守ら子を産み育てるのが役目とされています。故に政治や国の情勢など知る者は少ないく、知っているのは城勤の女官くらいでしょうか。

女性とこのような話が出来るのが不思議でして…」


「ははは・・・ですから毛色が違うんですよ。

私の世界では男女同権で身分は無く、法の元皆平等です。男女同じ教育を受け成人すると働きます。もちろん結婚し子供を産んでも働きますよ」


「すごいですね…」


「いえそれで育っているので普通です」


「この箱庭女性には無い魅力だ。私があと20歳若かったら求婚していたでしょう!」


でた!褒め褒め社交辞令!箱庭男性標準装備です。騙されません!


「いえ、はっきりものを言うので可愛くないでしょう⁈」


「いえ、いつも微笑むだけの女性は何を考えてるか分からないので、はっきり言ってもらえる方が分かり合えます」


ダメだ!むず痒くなってきた。公爵様は満面の笑みを浮かべ話を続けられます。


「陛下より多恵様の伴侶選びに口を出さない様に言われましたが、出来るならばグラントをお選びいただき我が公爵家に来ていただきたい」


「・・・。まだこちらに来て1ヶ月も経っていませんし、まだ役目も果たせていません。

伴侶選びになんてまだ考えられません。もし、グラント様の奥方様をお望みなら、素敵な女性はいっぱいいらっしゃるでしょう⁉︎

私に固執する必要ありません」


いかん!ちょいキレた!

陛下が口出すなと言っとたではないか!


公爵様は慌てて席を立ち最敬礼をされ


「失礼な言。陳謝いたします。全く女性を気にも止めなかった息子が初めて好意を寄せたので、親として嬉しく先走りました。お許しを…」


「謝罪お受けしました。ですがこの様な話をグラント様が居ない所でするべきでは無いと思います。

グラント様もご意志がおありでしょうから」


公爵様は明らかに”やってしまった感”がでてます。ナタリー様の事といい親バカが過ぎますよ!

グラント様はいい大人なんだから、恋愛くらいほっといてあげて!


最後は少し気まずくなってオブルライト公爵様との面会が終わりました。


はぁ…疲れた…頑張った私!


『たえ えらい』


『へへ…』てん君に褒められてちょい機嫌がなおりました。

お読みいただきありがとうございます。

誤字脱字に気付かれましたら、ご指摘いただくと嬉しいです。



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