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候補

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“ぐ〜”


お腹の虫で目覚めた。昨晩は夕食も食べずに寝てしまった。早目に朝食用意してもらおう。

居間に向かうと少しお疲れ気味のエレナさんがいた。気のせい?エレナさん老けてるよ!


「おはようエレナさん。昨晩何かあった?」


「おはようございます。多恵様が寝室に入られてから、沢山の方が来室され御面会を希望されまして… こちらがその一覧表リストです。皆さん出来るだけ

早く面会したいとの事です。如何されますか?」


一覧表リストを確認すると…

陛下!

アーサー殿下

ヒューイ殿下

トーイ殿下

イザーク様

オブルライト公爵様

キース様 …


「… これは使いの方もしくは文官さんが来たの?」


「いえ…ご本人が直接…」


「うわ…きっつ!」 


こんな偉いさんが続け様に来たら疲弊して老けちゃうの分かるわ。ごめんエレナさん!でも早く閉店してよかったとしみじみ思った。


朝食を頂きゆっくり湯浴みしてさっぱりする。

また来客一覧表リストを見ながら暫くは来客続きを覚悟した。


一覧表リストを見ながら急ぐ順番に番号をふる。


6 陛下

4 アーサー殿下

5 ヒューイ殿下

7 トーイ殿下

2 イザーク様

1 オブルライト公爵

3 キース様   …こんな感じかなぁ⁉︎


一覧表リストをエリナさんに渡して時間調整をお願いする


「多恵様!陛下が1番になっていません!」


「重要な案件がある人順です。偉い人順では無いから。私はこの王国の救済に来ています。王族のご機嫌伺いに来たのではないからね!」


「私…調整出来るかなぁ…」


私の指示とは言え一介の侍女が”陛下は6番目です”は言えないなぁ…

グラント様にお願いしよう。彼なら私の意図を分かって配慮してくれるだろう


「エレナさん。この一覧表リストをグラント様に渡して、私が調整をお願いしたいと伝えてください。

それからハンカチ大の布、針と糸。それに細いリボンは揃えれますか?」


エレナさんあからさまに安心してる。ですよね〜私も逆の立場なら嫌だもん


一覧表リストの件畏まりました。多恵様。布は何にお使いですか?必要な物がありましたら、城内の針子をお呼びしますが⁈」


「マスクの試作品を作るの。一度私が作ってみたいから」


「マスク?とはどの様なものですか?」


やっぱりマスク無いんだ。そりゃ風邪やインフルエンザ流行るね!


「口を布で覆う病気予防のアイテムです。出来上がったら試着お願い出来る?意見聞きたいから」


「?? 」エレナさんフリーズ中。


「エレナさん。一覧表リストをグラント様に持って行ってね!」


「あっはい!」エレナさん再起動!


踵を返し部屋を出て行った。


私は寝室に籠り木板タブレットを出して、蚊が媒介する病気と対策方法を検索する。

グラント様の話ではチャイラ島から沢山の人が来ている。もしかしたら何か病気を発病していたらマスクも予防接種も無いこの国では直ぐ感染する。


城の医師か薬師に医療事情の聞き取りも必要になる。これも追加で面会予定に入れないと…


エレナさんが行ってからはずっと検索をして夢中になり、気が付いたら3刻半になっていた。

「多恵様。戻りました。今お時間よろしいでしょうか⁈」


エレナさんがグラント様のところから戻った様だ。居間に行くとエレナさんがリストと篭を持っていた


「グラント様に一覧表リストを確認・調整いただきました。やはり陛下は一番にお会い下さいという事です。今日一日でこれだけの方との面会は、多恵様がお疲れになるので、2日分けて調整くださいました。どうぞ一覧表リストを確認下さい」


エレナさんから一覧表リストを貰い確認する。


今日朝(今から)陛下、4刻半~ オブルライト侯爵様、5刻半~ イザーク様とキース様

明日 3刻半~アーサー殿下、4刻半~ヒューイ殿下、5刻半~トーイ殿下


「ん?」 最後に何か書いてある。


“私を頼っていただき光栄です。予定に無理がありましたら仰って下さい。再度調整いたします。

また、本日昼からサリナ嬢が職務に復帰致します。よろしくお願いします。“


サリナさんが戻ってくる!話したいことがいっぱいある。今からの陛下との面会も頑張れる気がした


今から陛下の執務室に向う為、エレナさんに着替えを促される。謁見する訳ではないのでこのままでは駄目かね?

結局、キレイ目のワンピースに着替えさせられました。


当番の騎士さん(マーカスさんとエリックさん)と執務室に向います。

「やはり警備上遠回りするのですか?」

「いえ。多恵様がお疲れなので最短で来るように陛下に指示されています」

いっぱい歩かなくて済むようだ。陛下ナイス!

少ししたら陛下の執務室が見えて来た

「はや!」いつもの半分以下だ。いつもこの順路でお願いしますよ~。


入室許可を頂いて執務室に入ると陛下は神妙な面持ちで


「多恵殿。この度は其方を危険な目に合わせ王国の代表として謝罪する」


陛下は深々と頭を下げられた。


「頭をお上げ下さい。謝罪はお受しましたので。それに皆さんが尽力下さり、大事に至っていないので!」


「寛大な心遣い感謝する」


「私こそ昨日陛下自らお越しいただいたのに失礼いたしました」


陛下は手の平を私に向け首を振った。これは気にするなだなぁ!察しました。


「逃げる際に怪我を負ったと聞いておるが、お体はもうよいのか?」


「妖精王に治していただいたので大丈夫です。ですが疲れ易くしばらくは調子を見ながら過ごしたいと思います」


「あい分かった。多恵殿の体調を加味するようにイザークに申しておこう」


「よろしくお願いします」


陛下にエスコートされソファーに座りお茶を頂く。

少しの雑談の後、陛下が急に…


「アーサーから伴侶候補の話はきいておるか⁈」


びっくりしてお茶を吹き出しそうになった。前置きもなく重い話をぶっ込まないで!


「お聞きしていますが、それ以前に陛下に言っておきたい事があります」


ガッツンと文句言ってやる!


「私の伴侶を選ぶも選ばないのも私が決めます。伴侶をあてがわないで下さい。候補の方に好意を向けられて困っています」


陛下は鳩に豆鉄砲です。


「我が王国の男は容姿も優れ、優秀なものが多い。今の候補が気に入らぬのなら他の者を」


「陛下!そこからして間違っているのです。私の世界では恋愛が普通で他人に伴侶を決められる事はほぼありません。自分で相手を見極めて、自分で選ぶのです。もしかしたら私が好きになった方が平民でも私は伴侶として選びます。不敬覚悟で言います!“余計なお世話!”です」


陛下は固まっています。恐らく女性にこんな風に反論される事無かったんだろうな…


お茶を飲みながら陛下の再起動を待ちます。長いなぁ…衝撃ショックがでかいか!


「重ね重ね失礼した。多恵殿の気持ちはよく分かった。これ以上候補を選ぶのはよそう。しかし今の候補達は其方の為人を知った上で、其方の伴侶候補を望んでおるのでなぁ…。選択は多恵殿にゆだねる故このままでよいか⁈」


本当は候補なんて廃止して欲しいけど、めっちゃ陛下が落ち込んでいるの見たら“廃止”なんて言えない…


「分かりました。私の伴侶について口出しされないのであれば現状維持でお願いします」


一応言いたいこと言えたから良しとしよう。


そこからはお昼前まで陛下と雑談した。ちょいちょいアーサー殿下を推して来るの気になったけどスルーしておこう。


陛下との面会も終わり自室に戻ります。帰ったらサリナさんが居るから気分テンションアゲアゲで、心の中でスキップしました。


『たえ へん』


てん君が呆れてるけと気にしない!



お読みいただきありがとうございます。

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