八つ当たり
お読みいただきありがとうございます
話がひと段落したのでエレナさんにお願いして、お茶を入れ直してもらいお茶菓子をいただきます。
まだまだ聞きたい事はあるけど、私の頭は容量が少ないので一度整理をしたい。向かえに座るグラント様はまだ話足りなそうでしたが、無理をするとフィラが怒るので今日は閉店します。
「グラント様。帰って来たばかりで疲れたので、急ぎで無いものは明日でいいですか⁈」
「もちろんです。ゆっくりおやすみ下さい。
…多恵様。アーサー殿下から何か聞いておいでですか?」
「何かとは?」
「多恵様の伴侶候補についてです」
「…はい。一応」気まずくなって来た
「こうなる前に貴女に選ばれたかった…
アーサー殿下は幼い頃より良い友人関係を築いていて、信頼しています。家臣としても友人としても殿下の幸せを誰よりも願っています。
しかし貴女だけは違う。たとえ殿下であっても譲れない。今で私は公爵家嫡男という肩書と容姿だけを見た女性の視線に晒され辟易としていました。
特に己の信念や意見は無く着飾るだけの令嬢には…
しかし貴女は違う。ご自分の感情に素直で、はっきり意思を述べ相手を思いやれる女性だ。貴女との未来は」
「ちょっと!まった!」
私の大きな声にグラント様は驚いて身を硬らせた。
「すみません。誰の話をしているのですか?
私はそんな高尚な人物ではありません。
皆さんの好意は嬉しいですが、あまりにも早急で私自身気持ちがついていきません」
ダメだ。疲れてるからか”イラ”っと来た。
「思ってくださるなら時間かけて本当の私を知って下さい。そして飾らない本当の貴方を教えて下さい。上辺だけの愛情は欲しくありません」
『あー言っちゃたよ…乙女なんて言われるから、頑張ってたんだけど』
「すみません。失礼致しました。グラント様だけでなく皆さん早急すぎて色々辛いです」
グラント様は強ばった顔し私の前で跪き頭を下げられ
「多恵様。大変失礼いたしました。多恵様が仰る通りです。理想の女性に巡り会え舞い上がり、好敵手に貴女を取られたく無く子供の様に我儘になっておりました」
真剣に謝られて反対に困った。自分のイライラをぶつけた様なもんで、謂わば八つ当たりである。
申し訳無くなって来た。
「多恵様。やはり私は貴女に惚れている。はっきり言っていただいて目がさめました。これまで以上に知り合う時間を持ち貴女を知りたい。それに私を知って欲しい。真剣に私との未来を考えてみて下さい」
「ありがとうございます。御免なさい。完全にグラント様に八つ当たりしました」
「八つ当たりですが⁈」
「はい。妖精城でフィラに帰るなと言われ、帰り馬車ではアーサー殿下に口説かれ、城に戻ると目立ちたく無いのに沢山の人が待ってるし、皆さんの求婚が凄すぎてイライラしていたんです」
「謝らないで下さい。私も独りよがりでした」
「独りよがりですか⁈」
「はい。」
「私、乙女なんて言われてるけど短気な気の強い女なんですよ」
「私は将来の宰相と期待されていますが、悋気が強い狭量な人間です」
「ぷ!あっははは〜」お互い顔を合わせたら、笑っちゃいました。
「完璧な人なんていないって事ですね!何かグラント様に親近感持ちました。こんな風に飾らずお付き合いお願いします」
グラント様はリラックスした表情で
「私も気が楽になりました。でも貴女に惚れているので程良く求婚はしますよ!」
私もリラックスして
「お手柔らかにお願いします」
何かいい付き合い方出来そう!
「これで終わりにします。貴女が倒れたらフィラ陛下が本当に貴女を妖精城から出さなくてなってしまうので」
「大丈夫です。フィラはきつい事を言いますが、私の嫌がる事はしない人なので」
グラント様は顔を顰めて
「フィラ陛下は信頼されているんですね!私も信頼してもらえる様に頑張ります」
「いや!頑張るものじゃないですよ」
また顔を合わせて笑う。
「明日また伺います。多恵様が落ち着かれたら、ナタリーにお会いいただきたい」
「大丈夫ですか?私嫌われていませんか⁈」
「ナタリーが直接会って謝罪したいそうです。お嫌で無ければお願いします」
「分かりました。また時間調整お願いします。
グラント様。お忙しいと思いますが、ちゃんと食べて寝て下さいね!疲れてると色々間違いますよ!」
グラント様は今日一の笑顔で退室されました。
直ぐエレナさんに疲れたから今日の来客は断る様にお願いすると
「承知しました。多恵様”蛍の光”ですね!」
エレナさん!使い方をマスターしたようです
先まで構想出来てますが、書くのは難しいです。




