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水泳

やっとアルディア城に戻って来ました

裏手に馬車が着き、恐る恐る窓から外を見る。


『良かった…誰もいない!』


殿下のエスコートで安心して降り真っ直ぐ自室に向かう。


自室に戻るとエレナさんがいた。

エレナさんは涙ぐみ


「多恵様〜!心配いたしました!」


「ただいま。ごめんね…心配かけて」


エレナさんの涙が止まるまで抱きしめる背中を”とんとん”して宥める。


「申し訳ありません。多恵様が辛い思いされたのに、私が泣くなんて…侍女失格です」


「私の事思ってくれてるの分かったから、嬉しい!ありがとう」


エレナさんは目を赤くしながらも微笑んでくれた。


それからソファーに座りエレナさん入れてくれたお茶をいただきながら何気なくエレナさんに


「サリナさんとライカさんはお休み?」


「…」


「あれ!エレナさん?」


「多恵様。何もお聞きになっていないのですか?」


「えっ?何?」


「サリナ様とライカ様は睡眠薬紅茶を多恵様に盛った疑いで、身を騎士団預かりになっています」


「!!」


「特にライカ様はオブルライト家との繋がりが分かり、連日事情を聞かれているそうです」


そうだお茶の件だ!お茶はサリナさんが用意しライカさんが持って来た。

でも茶葉は入れ忘れたショールと一緒に入っていて、ショールを使わないとある事すらわからない状況だった。

それに騎士団が用意する茶葉がたまたま無かったからその茶葉を使ったけど、忘れる事自体が稀な事。

睡眠薬茶葉を使わせたかったら、騎士団の用意する茶葉を睡眠薬入にした方が確実だ。

なんか合点がいかない。サリナさんやライカさんが企てるのには無理がある。


頭を抱えていたら誰か来た様だ。エレナさんが対応してくれる。


「多恵様。グラント様がお目通りを願われていますが、どういたしましょうか⁈」


サマンサさんとバトルってた時に会話して以来だ。

心配かけたなぁ…きっと。お詫びしないと…


「お通しして下さい」


席を立ちお迎えする。

入室されたグラント様は明白に窶れてる。びっくりして思わずグラント様に駆け寄る。


「グラント様!顔色が良くありません!ちゃんと食事し眠れてますか⁈」


断りなくグラント様の頬に手を添えてしまった。

グラント様は目を見開き口元を歪め…エレナさんに


「済まぬ…多恵様に大切な話しがある故、そなたは席を外してくれ。もちろん扉は開けてくれていい」


エレナさんは戸惑いながら私に視線を送り答えを聞く。私は頷いた。


「私は外に控えておりますので、何かございましたらお呼び下さい」


きれいな礼をして退室していった。


「グラント様どうぞ」


ソファーを勧めた時、グラント様に手を取られ引き寄せられた。気がつくとグラント様の腕の中にいた


「グラント様⁉︎」


「不敬な事は重々承知しています。貴女の安全がこの目で確認出来た事と、貴女が私を案じて下さったので自制が効きません。抱きしめる事を暫し間にお許し下さい」


グラント様は小さく震えている。凄く心配してくれたのが分かる。


「も〜少しだけですよ!」悪戯っぽく言ってみた


“くす”グラント様が小さく笑う。少し調子は戻りましたか⁈


グラント様は騎士では無いのにしっかりした肢体をされている。所謂細マッチョってやつだ。

私はゴリマッチより細マッチョが好みです!

マリン系の香りがグラント様のクールなイメージに合っている。

なんだろう…フィラと接してる時と同じ感覚。


また名が付けれない感情に戸惑う。


分からない感情に戸惑ってきて、恥ずかしくなりグラント様の背中を軽く叩いて


「グラント様…そろそろ…あの…離して下さい」


グラント様は慌てて私を離して


「申し訳ありません」余裕の無いグラント様は初めて見た。何か得した気分!





ソファーに座りグラント様に部屋でのサマンサさんとのやり取りを聞かれています。


“フィラが近くまで来ていてあの部屋を出れさえすれば助かる勝算があり、わざとサマンサさんを煽り落とさせた事”を話したら、唖然とした顔されていました。


「鉄の布で中の様子が分からず会話でしか状況が分からない中、貴女がサマンサを煽って貴女が落とし穴から落ちた時、私がどんな思いでいたか分かりますか!」


「すみません。説明出来る状況で無かったから」


「フィラ陛下が間に合ったから良かったものの、間に合わなければ湖に落ち溺れるところでしたよ!

時間がかかっても助けを待つべきだ。無謀過ぎます!」


「あー こちらの女性は分かりませんが、私の世界では学校で泳ぐ事を学び、泳げる距離は個人差はありますが殆どの人が泳げます」


「へ?」グラント様少しキャラ崩壊してますよ!


「ちなみに私は泳ぎを習っていたので、ゆっくりであれば5キロくらいは泳げます」


「あっははは!貴女はやはり面白く愛すべき人だ」


「あの?褒めてます?貶してます?なんか失礼ですよ!」


まだ笑ってるよ!もういい!やさぐれでやる!


しばらく事件の話が続きます。


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