表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/442

馬車

アーサー殿下の突然の告白。

多恵が眠っている間に何が起きたのか⁈

「…すみません。色々疑問符クエッションマークなんですが!」


「ヒューイが正式に貴女の伴侶候補を辞退し、ナタリー嬢との婚約を決めました」


私が寝てる間にそんな事になってるの⁉︎


「以前に私の婚約は訳ありと話したのを覚えてらっしゃいますか⁈あの婚約はヒューイとナタリー嬢の婚約の為で破棄前提のものです。

その婚約者も事情があり、意にそぐわぬ婚約を避けるべく、私とのかりそめの婚約を選んだのです。


貴女の召喚の前触れがあったあの前日。ヒューイはナタリー嬢の病の完治に歓喜し、私は婚約者からの破棄の連絡を受け安堵していたのです。


そこに召喚の前触れが舞込み話が思わぬ方向に進み出しました。」


あーリリス…タイミング悪し!


「私は貴女が陛下に謁見した日。陛下に物怖じせず陛下に意見する貴女に心を奪われてました。

聡いだけでは無く、愛らしさを持ち合わせてた魅力的な女性だ。すぐに貴女の伴侶になりたいと思ったのです

しかし婚約を正式に破棄していない私は貴女に求婚アプローチ出来ず、妖精王や他の者が貴女に求婚アプローチするのを苦々しい思いで見ていました。


特にナタリー嬢に未だ気持ちがあるのに、貴女に心酔していくヒューイを許せなかった」


今思えばアーサー殿下の発言や行動に合点がいく。


「私は貴女の伴侶候補だ。もう我慢しない。遅れを取った分、私の心を受け取って頂けるよう貴女に愛を捧げます」


…この世界はどうも話の展開が早い。物語や漫画なら早く先を知りたいから、さくさく話が進むのはいいけど、当事者になると色々と追いつかない。

特に恋愛物語ラブストーリーは…

逆ハーレムなんて楽しいのは乙女ゲームだからだと実感する。

人に好意を向けられるのは本当マジで疲れる


「多恵殿?」


おっといかん!意識を手放していた。

目の前にはキラキラ王子が私の反応をみている


「事情は分かりました。他の候補方にも話しましたが、私が必ず伴侶を選ぶとは限りません。もし、想われる方が現れましたら、この召喚の犠牲にならず、ご自分の幸せをお取り下さい」


アーサー殿下は私の両手を取り強く握りしめる。


「私は貴女以外無い!」


今になってもうちょい妖精城に滞在した方が良かったと後悔した。


アルディア城に馬車が到着。

馬車の中でアーサー殿下の猛烈アピールに憔悴していたから、早く着いてくれてよかった

かなりの疲労ダメージで自室までたどり着けるかどうか…


馬達が嘶き馬車が静かに止まった。

窓から外を見て仰天!


大勢の騎士と侍女が赤絨毯のサイドに並び、その先に陛下と王妃様と宰相様がスダンバイしている。


『何?何が始まるの?』


「では、多恵殿。城の者が貴女を待っています。参りましょう!」


「えっ⁈あの赤絨毯を歩くんですか?無理です。降りれません」


「どうされました?体調を崩されましたか⁈」


ちっがーう!


「こんな注目される中なんて無理!城の裏手にして下さい。そうで無いなら降りません!」


「??」


扉を開けた従者が困った顔をしている。

ごめん!こんな中歩く心臓ハートは持ち合わせていません!


私の泣きそうな顔を見た殿下が従者に


「多恵殿は裏手からの入場を希望されている、馬車を裏手に回せ」


「??」従者は戸惑っている。


「早くしろ!」


従者は慌てて扉を閉めると直ぐに馬車を走らせた。

外は騒ついている。

殿下は相変わらず恋する男子の表情だ。


アルディアに戻って早々、出鼻を挫かれ嫌な予感しかしないのは気のせいだろうか⁈

お読みいただきありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ