防御靴
お読みいただきありがとうございます
「今日は目覚めスッキリ!絶好調!」両手を突き上げる伸びる。
「多恵様!お目覚めですか⁈入室許可を」
エレナさんの明るい声でテンション上がる!
今朝は3刻からマナーレッスンです。
早目に用意し先生をお迎えします。
今日は挨拶の練習でカーテシーを習います。
見た目優雅に見えるけど、結構下半身の筋力が要ります。運動不足の私の足はプルプル状態です。
筋力アップの為にウォーキング始めようかしら…
あっという間にマナーレッスンは終わり、直ぐに移動してダンスレッスンです。今日もスケジュールはタイトです。
今日は先生と組んで踊るのかと思ったけど、足の動きを確認したら、壊滅的に覚えていなくてステップからやり直しです。すみません先生!リズム感も無いし運動神経も鈍いです。
レッスンか終わり先生と雑談していると
「多恵様。先日教えて頂いた防御靴ですか、ファーブス領地の靴職人に相談に行ったところ、作れるらしく多恵様に詳しくお聞きしたいそうです。
ファーブス領は船員が多く荷物の積み下ろしの際に荷物を落とし怪我人が出て困っているそうです。防御靴は船員にも使えると靴職人がファーブス公爵に話し、公爵が興味を持たれ開発に援助いただける事になりました」
あー何気ない会話が色々繋がっていってるなぁ…
防御靴の第一号はイワン先生がもらえるそうです。
イワン先生は凄く嬉しそうに話しています。
やっぱり踏まれるの辛いですよねー
ダンスレッスンが終わり自室に戻ると交代の騎士さんが扉前に待機されています。
マーカスさん、ガイさんお疲れ様でした。
部屋に入るとエレナさんとサリナさんがいます。侍女さんも交代です。
サリナさんはリフレッシュ出来た様で顔色がよくなっています。
さて、昼食後はグラント様との面会です。どんな話が出るのか戦々恐々です。
グラント様は4刻半頃にお見えになるので、英気を養う為にベッドで横になります。
ゴロゴロしながら、オブルライト領の流行り病について考える。”毎年”って言ってたから、インフルエンザやウイルス系の胃腸炎とかかなぁ…
「多恵さん。グラント様から先触れが来ました。ご用意下さい」
「おぉーし!」気合いを入れる
ソファーで待っているとお見えになりました。
「本日はお時間いただきありがとうございます。
多恵様は今日も愛らしい」
はーい!貴族の褒め褒め挨拶ありがとうございます。
ソファーに座りグラント様の話を待つ。
「昨日多恵様にご挨拶の後、陛下より多恵様の伴侶候補に選んでいただけたと聞き及びました。
大変光栄で嬉しく思っております」
「グラント様は婚約されてないのですか?」
「はい。中々縁がなく」
「公爵家御嫡男でしたら縁を望まれる令嬢が多いのでは⁈」
「確かに望まれますが、私は後ろに控える女性ではなく、共に並び一緒歩む様な女性を好ましく思っているのです。箱庭の女性は擁護されるのが美徳と考えるので当てはまりません」
「はぁ…」
「昨日多恵様にご挨拶した際に、多恵様は私の理想の女性だと感じ縁を持ちたいと思ったのです。
そこへ伴侶候補に選ばれ僥倖でした」
「えっと…候補のキース様にもお話ししましたが箱庭で伴侶を得るのは義務では無いのです。私自身受け入れれるか分かりません。ですから想われる方が現れたのなら、ご自分の幸せを優先なさって下さい」
「私の想い人は多恵様です」
「昨日初めてお会いし少ししか言葉を交わしていないのに⁉︎」
「あの短い会話だから貴女様の為人が分かったのです。ちなみに多恵様は昨日お会いした時に嫌そうな表情をされましたが、私は貴女様の好みではありませんか?」
『バレてる!ちゃんと頑張って表情作ったんだけど』
「自分でいうのも言うのも何ですが、私は容姿も身分も女性に好まれる方だと思うのですが⁈」
「えっと…好き嫌いとか…その様な話ではなくてですね…私人見知りするんです」
「では私は嫌われていないのですね!」
「嫌いでは無いですが、好きでもありません。不明です」
「……不明ですか?」
「はい!不明です!」
「はっあははは!」
「いきなり何なんですか!びっくりした!」
「本当に多恵様の答えは予測が付かなくて面白い!貴女様の伴侶になれたら毎日が楽しい事でしょう!」
何か失礼だなぁ!
『ん?』このデジャヴ感。グラント様誰かに似ている気がする
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