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ラブストーリー

様子がおかしいアーサー殿下。何があったのでしょうか?

気不味いままアーサー殿下のエスコートで部屋に向かっています…


『あれ?違う?』


この廊下知らない!どこ向かっているの?

不安になり後ろを歩くとマーカスさんとガイさんに視線を向けると首を振られた。


『今の何?諦めろてか?』


まだ歩くんですか?どこに連行されているのでしょうか⁈


廊下の突き当たりに扉があり、扉前に第1騎士団の騎士さんがいます。


扉前に来ると騎士さんが開けてくれます。

だからここ何処ですか?


部屋に入ると陛下の執務室に似ている。

アーサー殿下の執務室なのか?


殿下に誘導されソファーに座ると、一緒に入ってきたマーカスさんとガイさんは私の後ろに控えます。


向かいに座った殿下の表情は硬い。


「マーカス、ガイ外で待機しろ。多恵殿に話がある」


「… 御意。しかし多恵様は未婚の女性故、扉は少し開けておきます。何かございましたらお呼び下さい」


2人は退室していく。


『きっきまずい!なんか説教される様な事したかなぁ⁈』内心焦る私。


「昨晩。ヒューイと私は陛下に呼ばれある報告を受けました。それはヒューイが多恵殿の相手を白紙にする事により、多恵殿の相手候補者を増やす事を決め、その者達に今日通達すると言うものでした。


候補は王家に近い貴族の未婚男性で3人です。

オブルライト公爵家のグラント殿

ファーブス公爵家のキース殿

カクリー侯爵家のケニー殿

もちろん多恵殿のお気持ちが優先で義務ではないので安心を」


「はぁ?」空いた口が塞がらない!


陛下何してんですか⁈勝手に夫を充てがわないで!


「先程会ったグラント殿は今頃陛下から話を聞いているでしょう。

… 先程はグラントと何を話していたのですか⁈」


「初めてお会いしたのでご挨拶と、明日の面会の目的をお聞きしていました。それだけですよ」


珍しく殿下は歯切れが悪い。何を言いたいのか見えない。


「お話が無いようでしたら自室に戻りたいのですがよろしいでしょうか⁈」


もー帰りたい!部屋でゆっくり本を読みたい!

あっ護衛方法に意義あり!伝えておこう。


「殿下。お願いがあります。護衛騎士さんが過保護です。ご心配いただけるのは有り難いですが、自由が無くなります。

それは嫌です。困った時や調子が悪い時は皆さんに頼りますから」


殿下はいつもの調子で笑いながら


「多恵殿は箱庭の女性と違い自立されているのでしたね。箱庭の女性は男性に心身共に依存する傾向にあるので…」


「でしたら男性と同様に接して下さい。私の元の世界は男女同権で身分階級はありませんから。その方が私も気楽です」


ふと殿下を見ると…なんて顔してるんですか!その微笑み綺麗すぎます!女性より綺麗なんて反則です。


マーカスさんとガイさんが入室してきました。

殿下は2人に護衛する上で、出来うる限り私の望みを聞き、自由に行動出来る様に指示してくれた。


殿下にお礼を伝えて退室し自室に今度こそ向かう。


マーカスさんとガイさんは護衛が過剰にだった事を謝罪されたが必要ないと答えて


「私は元の世界では男女同権で身分階級はありません。ですから擁護して頂かなくて大丈夫です。

もちろん困った時は頼りますから」


2人には理解いただけた様です。


部屋に戻り昼食です。この世界はパンの種類が豊富でパン好きの私は飽きる事がありません。

昼食後はソファーでゆっくり本を読んで過ごします。レベッカの伝記は読むと心的ダメージを負うので、軽い気持ちで恋愛小説ラブストーリーを読みます。

題名は「真実の愛」です。もー題名から甘すぎます。

渋い緑茶が要るかもしれません。


内容は…


【とある国にジュディと言う令嬢がいます。彼女の家は没落寸前の男爵家。両親から家の為だけに見合いを勧められる日々を過ごす。

ある日友人の誘いで侯爵の夜会に誘われ参加をした。ジュディは絶世の美女と言われた祖母に似ており、亜麻色の髪と瞳は参加した男性を虜にした。

あまり評判の良くない子爵家令息に強引に庭に連れて行かれ迫られる。

嫌がるジュディを助けたのが、澄んだ瞳の男性で子爵令息を抑え撃退してくれた。

ジュディは感謝を述べて何かお礼をさせて欲しいと願うと、男性は1曲踊って欲しと述べ満点の星空の下で2人は踊る】…


この後男性が王子である事が分かり、彼の婚約者候補の公爵令嬢に意地悪をされ、終いには毒殺されそうになる。毒殺は未然に防がれが王子がジュディに求婚プロポーズして終わる。


『あっま!』王道のラブストーリーだ。

この本の面白いところは、王子の詳細が書かれていないこと。つまり人物像をあやふやにする事で、読み手が好みの男性を王子にして読めるのだ。

令嬢達は主人公ジュディを自分にし、王子を思い人にする事ができる。

さしずめアーサー殿下やヒューイ殿下、トーイ殿下を王子に充てて妄想していているのだろう。


つまり箱庭女性の頭はお花畑である事が分かった。

男性に見初めてもらい幸せにしてもらうのが幸せなんだ。次は男性視点の恋愛小説ラブストーリーを読んで研究しよう。


遠くで5刻の鐘が聞こえて来た。本を読んでいると時間の経つのが早い。

扉をノック音がした。誰が来た様だ。


来室したのは第3騎士団の騎士さんでファルコンさん。朝トーイ殿下が言っていたお菓子を持って来てくれました。

お礼を述べてティータイムです。


お茶の準備が終わりいただこうとした時、また誰が来室した様です。

『タイミング悪いなぁ…』少し不貞腐れちゃいました。


入室許可を出すと入って来たのはヒューイ殿下です。見た瞬間お疲れなのが見て取れます。

何があったのでしょうか⁈

お読みいただきありがとうございます。

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