フィラ sideー3
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『おうさま きょうも たえ げんきだった
ていさつ ごくろうさま って』
多恵の様子を見にいった花の妖精が報告に来る。
どうやら多恵は妖精達が来るのは嫌では無いようだ。
『たえ わたしたち みえない おうさま!
はやく たえに みえる ようになりたい』
うーん。妖力の無い者が妖精を見るには”契り”を交わさねばならない。俺はいつでもいいのだが、無理強いするとリリスが怒り狂うからなぁ…
女神の台座に集まる日までの数日は、ゆっくり多恵を観察して気を引く術を見出さねば
先日、多恵に接近した事でアルディア側にかなり警戒されている。多恵が寝室で眠る以外は必ず誰か付いているから接近できん。
特にアーサーが厄介だ。アイツは呑気そうに見えてかなり策士だ。断言するアーサーは多恵を気に入っている。ヒューイは真面目が取り柄の簡単な奴だから問題ないが、アーサーは簡単にいかん。
リリスの話では今回の召喚を最後に暫く召喚はしないらしい。4国の問題は多恵の協力の元解決し、多恵には各国の男性との間に子を儲けてもらい、その子が多恵の知識や意思を継いでもらう考えだ。
多恵の相手となるのは恐らく召喚の儀に来ていた、グリードとオーランド、それにアーサーだ。
ヒューイは妖精姫がいるからそれを知れば多恵が拒むだろう。そうするとアーサーが絶対出てくるはず
俺の本心は多恵は俺だけの番にして、妖精城で過ごして欲しい。それが叶えばどんなに幸せか…
母上がなし得なかった幸せ…
しかしリリスが有っての箱庭だ。リリスが力を失っては存在すら出来ん。不本意だが協力が不可欠だ。
多恵が俺色のリングに触れる度に、我が身に触れられた様に感じ身が震える。
早く多恵に会いたい。この腕の中に閉じ込めたい。
あと数日だ。会ったら必ず抱きしめる。たとえリリスが怒ろうとも!
フィラ回次で終わる予定です。
がんばります。




