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新キャラ

日本人のソールフードであるお米を手に入れ上機嫌の多恵に新たな人物が接近か?

馬車の待機場で私達に馬車に横付けする煌びやかな馬車。明らかに高位貴族か王族が利用する物だ。

私がユグラスの港に立ち寄るくらいの情報は入っていてもおかしくない。

入出港の手続きが終わればすぐのバスグルへ出発する為、ユグラスの面会等は全てお断りしておくとクレイさんが話していた。もしかしたら正攻法で会えないと判断した貴族達が、私が朝市に向かった事を聞き後をつけたのかもしれない。


『面倒な事になった』


そう思うとさっきまでの楽しい気持ちが半減してしまう。テンションダダ下がりで遠くから馬車を見ていたら…


「あれ?」


揉める事無く私たちの馬車は移動を始め、煌びやかな馬車はそのままだ。


『え?これって自意識過剰だった?』


そう思うと猛烈に恥ずかしくなってきた。熱くなる頬を押さえながらデュークさんに手を引かれ移動した馬車に向かう。馬車に着くと急かされて乗り込み寄り道もせずに船に戻る。気分を上げたくて馬車の中で買ったもらった土鍋を愛で、ご飯を炊いたらどうやって食べようか考えていた。


元の世界では異世界漫画やアニメそして小説が流行っていて、私は特に小説を読むのが好きだった。異世界の話では見た事も無い食べ物が多く、転生者はお米を恋いしがる件がある。そして中盤でお米が発見される事が多い。だから密かに私もいつかお米に出会えると信じていたのだ。それがこんなに早く叶うなんて思ってもいなかった。

この世界の食べ物はどれも美味しく不満を感じた事は無いし、パン好きな私は苦痛に感じた事は無かった。でもやっぱりお米が食べれると思うと嬉しく、自分が日本人である事を痛感する。きっとお米は遺伝子(DNA)に組み込まれているのだろう。そんな事を考えている内に船が見えて来た。そして…


「デュークさん。私の目が悪いのかな…船の前にさっきの金ぴかの馬車が見えるんだけど」


すると溜息を吐いたデュークさんが見間違いでは無いと言う。その金ぴかの馬車の前にはオリエンタルな面立ちのイケメンがいる。とっても嫌な予感がして来た。城の様に別の場所からアプローチ出来れば躱せるが船の乗り場は一か所しかない。


『あれだけ金ぴかなら偉いさんに間違いない。困ったなぁ…』


同乗するデュークさんと並走する騎士の皆さん表情は険しい。しかし逃げ場が無く船の前に馬車は着いてしまった。扉を開けてリチャードさんの手を取り馬車を降りると、例のイケメンが近づいた来た。直ぐにアッシュさんが前に出て止める。その間に船に乗り込む為にタラップに急ぐと、船から降りてきたクレイさんが


「この方々と事情は乗船後にご説明いたします。乙女様に接触を持ちたい輩ではありませんのでご安心ください」

「そうなの?」


クレイさんが嘘は言わないだろ。まだ警戒を解かない騎士さん達に囲まれながら乗船し一旦部屋に戻った。さっきのイケメン一行が気になるが、まずはお米と土鍋が先だ。船でお米を炊く事は無理でも、精米くらいは出来そうだ。部屋付きの侍女さんに大きな瓶と木の棒を用意できなか確認してもらう。

返事待ちの間にお茶いただき、市場で買ってもらった菓子を食べて少し休憩。するとクレイさんが部屋に来て事情を説明してくれた。


どうやらあの金ぴかの御一行はビルス殿下の従弟に当たるサキーダ領の領主のご子息らしい。そのご一行はバスグルに商談に行く予定にしていたが、先日バスグルの港が嵐に合い船が出せずキャンセルになり、今日バスグルに向かう船が確保できずに困ったいたそうだ。

そこにバスグルへ向かうモーブルの船が停泊していると聞き同船させて欲しいと願った。

余り詳しくは教えてくれなかったけど、サキーダ領はモーブルから多くの麦を輸入しているお得意先らしく、無下に出来ない様で乗船を許可せざるを得ないらしい。


「サキーダ領主のご嫡男のアダム様は妻帯者で、多恵様との縁に興味はないようですし、今回の礼に新たな品目を輸入してくれると約束を正式に取付けました。我が国にとってもいい話になります」


それにここユグラスからバスグルまでは約半日。部屋も反対側にし騎士さんが私の部屋に繋がる通路を巡回するらしく接触は無いという。別に会っても挨拶ぐらいはするし世間話くらいはさせた貰う。まぁモーブルからしたら要らぬ接触は避けたいのは分かるけど…


こうして新しい登場人物(キャラ)を乗せ船はバスグルへ向けて出港した。サキーダ公爵のご嫡男が乗船しているため、私の行動が制限され大好きなバスグルガールズの元へ行く事ができず暇を持て余す。仕方なくご飯に合いそうなおかずを考えて時間をつぶす。正直言ってリリスの箱庭の料理は洋食が多くご飯のおともになりそうな料理があまりない。私的にはお漬物か海苔や干物が欲しいところだ。


『干物なら魚を天日干したら自分で作れるかも…』


そんな事を考えていたら昼食の時間になり何故かクレイさんが部屋に来た。そして


「とても言い難いのですが…」


このフレーズで話しの内容が分かってしまった。きっと昼食のお誘いですよね…

お読みいただき、ありがとうございます。

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