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モテ条件

バスグルへ向け出港。5日間の船旅は楽しく?

「タエちゃん。ダーリンはいいの?」

「うん。お仕事忙しくて邪魔になるから食事以外は別行動なの」


出航して今日は3日目。波も穏やかで順調に進んでいる。

キースは商談があり仕事で乗船していてとても忙しい。3食の食事以外はキースとは別行動。1日客室で仕事している事が多く、暇な私は遊び相手を探して1日中船内をうろうろし、知り合いを見つけては遊んでもらっている。

今日は運動がてら船底の方まで探索に行った所、バスグルに帰国する人達の船室に行き着いてモナちゃんに会い、バスグルのガールズとお茶をいただきながらお話し中。


はじめ皆さんは"女神の乙女"の肩書に緊張し中々打ち解けてくれなかったが、少しすると直ぐ仲良くなり今は冗談を言いながらガールズトークに花を咲かせている。

女子が集まれば恋バナが始まるのはセオリーで、皆さんの恋バナを聞きながら胸キュンしていたら矛先が私に向いた。質問責めに合っていたら一番若いセリーナちゃんが


「乙女様のお相手は素敵な方ばかりで羨ましいです。私もいつか素敵な人が現れますかね」


頬を染め船内でキースを見かけたと興奮気味に話した。それを聞き私が乙女では無く平民ならセリーナちゃんと同じ様に思っていただろう。確かに私の婚約者は容姿身分そして性格も素敵で非の打ちどころが無い…いやあるな。嫉妬深いのが無ければ完璧なんだけどね。

そんな恋バナからバスグルガールズにバスグルの男性について聞いてみた。


「バスグルではどんな男性がモテるの?」


すると一番年上のジュリさんが


「バスグルでは女性に幸福感を与えられない男は男じゃないと言われ、とにかくマメで優しいです。それは好きな相手だけでなく、全ての女性に対し優しいんですよ。だから乙女様がバスグルに行ったらバスグル中の男たちがお世話をしたがるでしょう」

「じゃぁマメな人がモテる条件なんだ」


すると部屋にいた8人が一斉に首を振った。意味が分からず話を聞くと


「優しいのは何処の国でもモテる条件ですが、バスグルの女は話し好きだから、聞き上手でなければマメで優しくてもモテません」

「つまり話上手より聞き上手がモテるの?」


そう言うとガールズは皆頷いた。私はバスグルの知り合いは少ないが、思い出してみるとバスグルの男性は相槌がとても上手く、話す方は気持ちよく話ができる。

やはり国が違うとモテ条件も違うのだと感心していると、部屋の扉をノックしケイスさんが入室許可を求めた。どうやらそろそろ戻る時間の様だ。皆さんにお礼を言い


「またお暇な時に仲間に入れてくださいね」

「乙女様ならいつでも歓迎ですよ。いつでも来て下さいね」


バスグルの皆さんと沢山話をしてご機嫌で船室に戻る。船室に戻る途中にレッグロッドの騎士達が通路の奥から歩いて来た。どうやらモーブルの騎士と交代の時間の様だ。

そうファーブル領の港からアルディアから3名。レッグロッドから3名の騎士さんが同行している。どうやって決めたのかは知らないが交代で護衛してくれているのだ。今日は初めてレッグロッドの騎士さんが護衛してくれる。人見知りが発動したのを察知したケイスさんが部屋の方で交代すると言い、そのまま部屋までエスコートしてくれた。相変らず細やかな気遣いが出来るケイスさんだ。


『ウチのダーリンできる子なんですよ』


私の頭の中のアイリスさんがそう言い、ケイスさんを褒めているのを想像し1人でクスクス笑う。するとケイスさんは優しく微笑み


「船旅は退屈ではないかと心配しましたが、楽しそうで何よりです。やはりご婚約者様がご一緒だからでしょうか」

「そっそうだね」


確かにキースが一緒なのは心強く安心するけど、案外バスグルのガールズと話をするのが楽しく、時間を持て余す事無く楽しく過ごしている。

そんな話をしているうちに部屋に着いた。そしてモーブルの専属騎士達はお休みに入り、代わりにレッグロッドの騎士達が付いてくれる。交代前に申し送りがありそれが終わるまでソファーに座りお茶をいただき、目の前の美丈夫達を眺め目の保養をしている。

少しして申し送りが終わりモーブルの騎士が退室し、改めてレッグロッドの騎士さんからご挨拶頂く。3名の内1名は以前カイルさんがモーブルを訪問した際に同行していた乙女専属騎士のスコットさん。後の2名もいづれレッグロッドへ渡った時に専属で付いてくれるノアさんとメイソンさんだ。


言うまでも無くお2人共美丈夫で、寒い国出身のお2人は色白で女の私より肌が透き通りきれいだ。そしてちょいゴリマッチョで背が高い。レッグロッドの男性は他2国比べ少し背が高い。オーランド殿下も決して低くはないのだが、レッグロッドの男性が高いために華奢に見えてしまいちょっとかわいそう。

そんな背の高いお2人は私と話す時に少し屈む。見ていて中腰は疲れるだろうと思い


「お気遣いいただかなくて大丈夫ですよ」


そう言うとスコットさんが


「オーランド殿下より多恵様は小柄故に、威圧感を与えないようにと申し付かっておりまして」

「反対に気を使うので普段どおりでお願いします」


そう言うと胸に手を当て応えて下さった。そして私の人見知りを発動した所にキースの従者が部屋に来るとノアさんが応対してくれる。

どうやらキースは仕事が一段落したようで、こちらでお茶休憩したいそうだ。

受けると返事をし侍女さんにお茶の準備をお願いする。少しすると部屋にキースが来た…が様子がおかしい。嫌な予感がする。もしかして…


部屋に入るなり悋気やきもち全開のキースに苦笑い。キースは直ぐ騎士と侍女を下がらせ私を抱きかかえた。出港してからずっと忙しかったキース。ストレスまみれの婚約者の為に暫くぬいぐるみになる事を覚悟し、大人しくキースの脚の間に座り降り注ぐ口付けを受けお茶どころではない。


『あ…目の前に大好きな焼き菓子にあるのにおあずけだ…』


溜息を吐いて疲れた婚約者が満足するまで我慢の子となった。

お読みいただき、ありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価をよろしくお願いします。


『いいねで応援』もポチしてもらえると嬉しいです。


暫くお休みをもらっていた『女神の箱庭~』 ですが再開します。

最近執筆が停滞中で更新は遅いと思いますが、ボチボチ更新しますのでお待ちいただけると嬉しいです。

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