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アダルト?

次のお店はどんな物があるのか楽しみだけど?

『普通の服屋さんだよね…』


2件目は服屋だ。侍女さん達の間で婚姻する時には必ず購入すると聞き来てみたが、至って普通の服屋さんで拍子抜けする。だってアダムさんとジョエルさんの様子がおかしかったから、てっきり下着ランジェリーを扱うお店だと思っていた。少し安心し店内を見渡していたらモリーナさんが店員さんに声をかけると奥へと案内された。


「…」


案内された先には怪しげなカーテンがある。()()はレンタルビデオ店のアダルトコーナーの入口のみたい。警戒しながらカーテンをくぐると、そこは普通の応接室でソファーセットがあるだけの部屋だった。拍子抜けしていると席を勧められ、直ぐに奥の扉から店主らしき女性が入って来た。手には分厚い本を持ち笑顔で挨拶される。店主も着席し本を開くとそれは色見本だった。どんなものか分からないまま色見本を見ていたら、先ほど案内してくれた女性が()()()()を持って来た。

()()()()は小さめのクッションだった。正直クッションを買うのに別室で話する必要があるのか疑問に思っていたら、店主からクッションの使い方の説明がある。


『なるほどね…元の世界でいうアダルトグッツ的な?ものなんだ…』


そのクッションは所謂夜のお誘い時の使われるものらしい。自分から誘う事が出来ない女性が意思を夫に伝える為に、そのクッションを夫のベットに置くそうだ。店主曰く女性から誘うのは品がないとされ大変恥ずかしい事とされる。勿論女性も性欲はあり仲良くしたいと思うのは当然。だから自分から言えない女性を配慮して作られたものらしい。これを使うのは貴族女性のみで、貴族の男性はこの存在を知っている。


『だからアダムさんとジョエルさんの反応がアレだったんだ』


色見本を見ながら頬を染め選ぶモリーナさん。自分の時の事を想像しているのだろうか。苦笑いをし店主の話を一通り聞き、考えてまた来るといい部屋を出た。

でも正直これは無いと思った。モリーナさんはノリノリだけどね。まだ回るお店があるから店を出ると、店の前に微妙な顔の2人が


「ここは無いかなぁ…」


そう呟き次のお店に移動を始めた。こういった物は自分で買い求めた方がいいし贈るのは正直嫌かも。満足そうなモリーナさんを見ながら、きっと彼女のダシにされたと思ったが、嬉しそうなモリーナさんを見ていたら怒る気にはならなかった。


「多恵様。最後はこちらのお店でございます」

「洋菓子店?」


着いた先は洋菓子店だった。また()()何か分からず疑問符を付けた私をモリーナさんが引張り入店する。店内は甘い匂いがしてお腹が鳴っててしまった。直ぐに咳払いで誤魔化そうとしたが、後ろで笑っているジョエルさん。恥ずかしい…


お腹が空いているので無意識にショーケースに目がいく。ショーケースに並ぶケーキが美味しそうで、お土産に買って帰ろうか考えていたら


「モリーナさんあれ?」


そうショーケースの隣の棚に可愛い動物を模った飴細工が飾ってあった。キラキラしてとても綺麗だ。あれがそうなんかなぁ?

するとこちらも店主が現れ説明をしてくれる。これは婚姻や出産等のお祝い事がある時に購入する物でやはり飴だった。それはガラスケースに入れて一定期間飾った後に、家長が木槌で割り家族で食べる。その飴を食べると幸せが続くと言われているそうだ。


店主は過去に作った作品を記録した画集を見せてくれた。先ほど陶器店で見たスローを模った物もあり多種多様だ。画集に集中したいが、お腹の虫が空腹を主張しそれどころでは無い。腹の虫に征服された私の視線はショーケースのケーキに釘付けだ。

するとアダムさんが寄って来て私の手を取り何処かに案内する。疑問に思いながらついて行くとテーブルがある。


「こちらの菓子は王都でも有名です。折角なので召し上られては?」

「いいんですか!」


するとジョエルさんにエスコートされモリーナさんも来た。こうして女子2人はここでお茶休憩をする事になった。色々見て回り疲れていたので甘いケーキは嬉しい。美味しくいただきモリーナさんとの会話を楽しむ。ケーキを食べ少し落ち着くとモリーナさんが


「お祝いどちらになさいます?」

「う…どれも良かったんだけどね…やっぱり…」


そう言い残りのケーキを頬張りお茶を一気飲みした。時間が迫っているので決めた品を買いに行く為に店を出る。

結局私が選んだ品は…


「おーまたお越しいただき光栄にございます」


そう言い店主はオーバーアクションで歓迎してくれる。結局初めに見たスローの置物に決めた。そしてサイズは中くらいサイズで約10㎝の物にした。店主は倍以上大きいサイズを勧めたが大きくなると可愛さが無くなるので断る。だってアイリスさんは”可愛い”必須だからね。そう思いながらガラスのスローを見ていてある事を思い付き店主に


「あのご相談があるのですが」

「愛らしいお嬢様のお願いであればできうる限りお聞きいたしますよ」


店主がウィンクし距離を詰めると、背後から凄い殺気を感じ振り返ると、アダムさんとジョエルさんが剣に手をかけて店主を睨んでいた。店主は真っ青な顔をして一歩下がって最敬礼した。苦笑いしながら2人を手で制し、店主にある事をお願いすると対応してもらえる事になった。そしてモリーナさんから皮袋を受けとり支払いをする。

アルディアで貰ったお小遣いやレッグロッドに視察に行った時のお小遣いを残しておいてよかった。買い物前に陛下から皮袋一杯の金貨を渡されたが、お祝いだから自分の手持ちで買いたいと断っていた。


『良かった足りて』


支払も終わり急いで王城へ戻る。洋菓子店でお茶をしたので時間ギリギリになり、歩くのが遅い私はアダムさんに抱っこされている。こうなると小っちゃい子扱いになる私。


『中身はアラフィフのおばちゃんだけどね』

「バスグルへ渡る前に納品できるそうです。良かったですね」


隣を歩くジョエルさんが話しかけて来た。確かに出発前に渡せるか不安だったが、店主が頑張ってくれ間に合いそうだ。出発の朝に2人に贈って心置きなくバスグルへ向える。

こうして無事婚姻祝いを買う事が出来て、ご機嫌で王城へ戻る事になった。

お読みいただき、ありがとうございます。

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※ 後少しでモーブル編も終わります。一応充電期間を設けたく、バスクル編に入る前にお休みに入ります。お休み中は他の作品を書いていく予定です。 誤字脱字も多くへたっぴな話ですが、懲りずにお読みいただけると嬉しいです。



Twitter始めました。#神月いろは です。主にアップ情報だけですがよければ覗いて下さい。


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