書物庫
城内には面白いものありますか⁈
ヒューイ殿下にエスコートしてもらい城内を探索する。護衛のロイドさんとジュードさんも一緒だ。
「多恵殿。行きたい所はありますか?」と聞かれて考えてみる。
「図書館とかありますか⁈」
「図書館?…もしかして書物庫の事ですか?」
「こちらではそう呼ぶのですね。読書は唯一の趣味なんです。こちらの歴史や風習、箱庭の事も知りたいので本をお借りしたいです。」私の意見が通り、書物庫に行く事が決まった。
「多恵殿はこの世界の文字は読めるのですか?」
「はい。先程陛下の執務室で書類を拝見した際に読める事が分かって、嬉しくて早く本を読みたいなぁって思ってたんです。」
「凄いですね。リリスの加護でしょうか⁉︎」
「そうだと思います。こちらの文字はミミズにしか見えなくて。でも文字の上に母国語が浮かんで読めたんです。リリスはやっぱり女神なんですね〜」
『あーでも書けないから勉強はした方が良さそうだ。ヒューイ殿下にお願いしてみようかなぁ…』そう考えてヒューイ殿下をじーと見ていると
「多恵殿⁉︎私の顔に何かありますか?」と顔を赤らめ聞かれた。どうやら勘違いさせた様だ。
確かに恐ろしいくらい美形だが、決して見惚れてた訳ではないよ!
焦りながら「文字を書ける様になりたくて、殿下にお願いすれば先生を紹介いただけるかなぁ…って考えていたんです。」と正直に話す。
「そうですか!多恵殿は努力家ですね。私から陛下に話して早速手配致しましょう。」どうやら勘違いは脱した様だ。ヒューイ殿下のフラグは要りません。
しばらく歩いていると黒い大きな扉が見えて来た。
ここがどうやら書物庫みたい。
中に入ると本独特の匂いがする。この匂い好き!
書物庫は天井が高く2階建くらいある。天井までびっしり本で埋まってて、アニメとかで見る異世界の図書館そのものだ。すげ〜!梯子あるよ!
大きさに驚いていると殿下の元に責任者らしき中年の男性が挨拶に来た。渋いおじ様でこの人も美形。若い時はモテただろうなぁ…『やっぱり箱庭は…』またあのフレーズを言いたくなった。
殿下の横にいる私に気付くと挨拶し自己紹介してくれた。彼は書物庫の責任者でトーマスさん。何と!ここの書物を全て把握されているらしく、読みたい内容を言うと本を選んでくれるらしい。まさに本のソムリエだ。
しばらく入り浸る予定だから仲良くしておこうっと!ほくほく顔の私を見て「喜んで頂けて良かったです」と殿下は安堵してるようだ。
トーマスさんに明日また来ますと宣言して書物庫を後にした。
廊下を歩いていると騎士さんと遭遇する。騎士さんは丁寧に挨拶し足早に去って行った。仕事中だったのかなぁ⁈ロイドさんやジュードさんと隊服が違うのに気付いて殿下に質問した。
「今の方はロイドさんやジュードさんと隊服が違いますが、別の隊の方なのですか?」
今会った騎士さんは第3騎士団でトーイ殿下が団長。第3騎士団は王都から南西地域モーブル王国の国境までを管轄する。
ちなみに私の護衛は第1騎士団で団長はアーサー殿下。王城と王都を管轄し王族の護衛も行う。
第2騎士団の団長はヒューイ殿下。王都から北東地域レックロッド帝国の国境までを管轄しているそうだ。
話を聞いていて少し騎士さんに興味が湧いた。興味って…やっぱり今まで会った騎士さんは高身長で美丈夫。美丈夫の集まりはどんな感じなのかなぁ…(元の世界でいうアイドルグループみたいな⁈)
ただ単に好奇心です。
殿下に次を聞かれて騎士さんの訓練を見たいと希望しました。目の保養をさせて下さい。
最近は書くのが楽しくて読む方が止まってます。
2冊も買っちゃったんですがね…
勉強の為にも読まねば!




