交代
楽しい食事会は終わり誰がエスコートするかが問題の様です
食事会が終わりを迎えると、ヒューイ殿下が席を立ち私の横に立った。
「お部屋までは私がお送りしましょう。よろしいか?多恵殿。」手を差し出された。
「兄上は昼から第2騎士団の特別訓練の予定では⁈多恵殿をお送りしてでは間に合いません。ですから私がお送りしましょう。」とトーイ殿下がヒューイ殿下の反対側に立った。
『何コレ?』やっぱりアルディアの王城ではエスコートが流行なのか⁈
ため息を吐きふと前を見ると楽しそうにアーサー殿下がこっちを見ている
『やっぱりアーサー殿下曲者』心で呟くと
「ぶっ!」私を見てアーサー殿下がまた笑う。しっかし失礼だなぁ!
よし!”騎士様いるから大丈夫作戦”決行します!
「トーイ。そなたも昼から王都の巡回であろう。多恵殿を送っていては間に合わんぞ。」
『ん??』何故かアーサー殿下からの助け船。
すかさず「お心遣いありがとうございます。護衛に騎士様を付けていただいていますので、大丈夫です」とお辞儀する。何か言いかけた2人だったが、陛下が護衛騎士を呼び私を部屋に送る様に指示すると、2人は席に戻って行った。
『陛下!アシストありがとう!』
ダイニングルームの扉前で皆さんに食事会のお礼を告げて退室して自室に向かった。
ダイニングルームからはマーカスさんのエスコートを受け部屋に向かう。
部屋の前に着くと交代の騎士さんが待機していた。
お2人はロイドさんとジュードさんと言うらしい。挨拶を受け「お願いします」とお辞儀をする。
リックさんマーカスさんに「1日ありがとうございました。またお当番の時はよろしくお願いします」
とお礼をいい部屋に入る。
部屋に入るとサリナさん以外に若いメイドさんが2人にいた。
「お帰りなさいませ。今日から私が付けない時は侍女が2人がお仕えします。今から明日の昼まではライカとエレナが仕えます。ライカ、エレナ多恵さんに挨拶を」どうやら侍女さんも交代するらしい。当たり前か。サリナさんにも休日は必要だ。
2人はサリナさんより年下かなぁ⁈娘の雪ぐらい?
緊張した面持ちで自己紹介してくれた。
話しぶりからライカさんが先輩でエレナさんは新米さんぽい。
エレナさんがお茶を入れてくれたのでソファーで一休みした。
食事から戻る時にヒューイ殿下が騎士団に特別訓練の指示を出したのち、部屋に来るとリックさんが言っていた。朝サリナさんが言っていた城内の案内してくれるようだ。
忙しそうだから侍女さんか騎士さんでいいのに…真面目な人だなぁ。
そういえばやたらとヒューイ殿下が『私の相手』を誇張してくる。
多分…私の結婚相手って事なんだろう。リリスが話していたとおりアルディア王国に留める為に王族との婚姻を望んでいるんだ。
昔の貴族って政略結婚当たり前って何かの小説で読んだことある。(歴史ではなく小説情報ってトコが私らしい)
ヒューイ殿下可哀そう…私が相手なんて!思い人とかいなかったのかなぁ…
『!!ん』回想中。
やたらとアーサー殿下が「それでいいのか⁈」とヒューイ殿下に聞いていた。
やっぱり好きな人がいるんじゃない?!
リリスのところに行って話が終わったら
「私の相手はその国の殿方なら誰でも(私が好きになる事が大前提だけど)OKだから、ヒューイ殿下は好きな人と結ばれてね!!」と言ってあげよう。
そんな事をぼんやり考えていたらヒューイ殿下の来室の知らせが来た。
今から王城探検が始まります。王城は広いから多分いっぱい歩くよね~。
今晩はよく眠れそうだ。
次は城内探検。新たな出会いはあるのか⁈




