ダイニングルーム
今から楽しい?ご飯です
遠くで鐘が鳴っている。”4刻”だ。
陛下・ヒューイ殿下と執務室を出るとリックさんとマーカスさんが廊下で待機していた。
「多恵様。お手を…」帰りはマーカスさんがエスコートしてくれるみたい。
マーカスさんに手を差し出すと横から別の手が私の手を掴んだ。『⁉︎誰⁉︎』
手の主は陛下だった。「今日は儂が相手を務めよう」
……皆んな固まってる。
「御意!」マーカスさんが手を下げて後方に下がった。私はまだフリーズしたままである。
「では、多恵殿参ろうか。」一歩踏み出したとき
「陛下。多恵殿の相手は私です。私がエスコートします。」私の腰に手を回して引き寄せた。
『ヒューイさん!恥ずかしいからやめて!』顔が熱くなる!
「分かっておる。多恵殿の相手はそなただ。これからいくらでも時間は有るであろう!今日は思いの外話が盛り上がってなぁ!まだ話足りんのだ。」
陛下は強引に歩き出す。『まっ!待って!まだヒューイさんの手が腰に!』
陛下が歩き出すとヒューイさんさ諦めたのか手を離して、陛下と私の後についてくる。
ダイニングルームに着くまで陛下は楽しそうに話をされた。『やっぱり…陛下はやんちゃさんです。』
ダイニングルームに着くと他の方々はもう着席されていた。陛下がエスコートしているのをみて各々の反応は…
王妃様「あらあら。父親と娘みたいね〜娘が出来たみたいだわ!」と微笑み
アーサー殿下「ヒューイ。父上に負けたのか?」と明らかに笑ってる
トーイ殿下は「次は私にエスコートされて下さい。」と次を約束させられた
エスコートはそんなに楽しいのか?疑問だ…
エスコートした陛下は楽しそうで、反対にヒューイ殿下は超不機嫌。
私はもうつかれました…ご飯を食べさせて下さい。
着席すると食事が運ばれてきた。フレンチのフルコースとあまり変わらないみたい。
カラトリーも同じ感じ。外から順番に使えばいいんだっけ⁈
食事は美味しく食に悩む事は無さそうだ。ただ1つビックリしたのが、デザートでポテトフライが
出たのだ。『??なんでポテトがデザート枠なの?』ポテトを凝視していたらヒューイ殿下が、
「前回召喚された乙女がデザートに好まれてよく食されていたと記録に残っていました。再現してみましたがお口に合いませぬか⁈」
確か前の乙女ってレベッカさんだったなぁ…名前の感じとポテトからして北米出身なのかなぁ…ポテトは軽食やおやつ感覚だけど、ケーキやフルーツと同じ皿はありえんなぁ…。とりあえず食べてみよう。
『ゔ…ん普通のポテト…』ちょっとベタベタだけど
「お気遣いありがとうございます。元の世界でも普通に食べていました。美味しいです。
1つ違うとしたらデザートでは無く、軽食に近くパン寄りでした。」
王族の皆さんも恐る恐る食べている。
『!!』王妃様がポテトに生クリームつけてる!
無知って怖い。何でもありだ。
ん?しかし案外口にあったのか⁈2本目イっちゃってるし!
なんか色んな意味で楽しい食事会になりました。
書きながらポテトに生クリームは有りか無しが真剣に考えてしまいました。




