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対立

聖騎士団長から縁組を打診され戸惑っていると…

「団長。越権行為あたります故、お控えになって下さい」

「どこが越権行為なのだ。団員の多くは乙女様との縁組を望んでいる」

「我々の問題に多恵様を巻き込まないでいただきたい」


リチャードさんは団長に食って掛かっているけど、上官にそん事言っていいの⁈険悪な雰囲気に困っているとアイリスさんが


「揉め事は多恵様がいらっしゃらない場でなさって下さい。多恵様がお困りですわ」

「えっと…居心地悪いです…」

「「申し訳ごさいません!」」


アイリスさんの起点で聖騎士団の挨拶を無事?終えて文官さんの所へ行く事になった。

道すがらリチャードさんが謝る。


「聞いていいのか分かりませんが、騎士団内で対立してるんですか?」

「やはり多恵様は鋭いですね。しかし私からは詳しい話は出来ないので、陛下に直接お聞き下さい」

「分かりました。すみません…言いにくい事聞いて」


この話を切り上げ次の部屋に急ぐ。


次に文官さんの責任者にお会いし、最後に侍女長にご挨拶に向かう。

侍女長さんはジャクリーヌさんといい、恐らく私と一緒のアラフィフだ。品がよく凛とした女性だ。丁寧なご挨拶をいただくと


「専属侍女は王妃様が選ばれた者を就ける予定にしておりましたが、アルディアからの要望でアイリスを就かせました。アイリスは侍女としては優秀ですが、仕えるお方に意見し主張が強いところがあります。お仕えする前によく言って聞かせましたが、目に余る場合は仰って下さい」

「お気遣いありがとうございます。私は分からない事が多いので、遠慮なく意見していただいた方が有難いです。それに元は平民ですからあまり畏まられても気を使うので、気楽くに接していただきたいです」

「…陛下からお伺いしていた通りでございますね。我々は多恵様にとってモーブルが居心地いい場所になる様に尽力致します」


ディスられたアイリスさんは無表情で怖い。はっきり言ってくれるからまだ分かりやすいと思うけど侍女としてはダメなのかなぁ…

アイリスさんと目が合ったら、優しい微笑みをいただいた。時間が来たようでリチャードさんが咳払いをし退室を促す。


部屋に戻る廊下でふと思い出しリチャードさんとアイリスさんにゴードンさんに会えないか聞いてみる。


「「?」」

「えっとゴードンさんがノリノリで私の服を作っているそうなので…」

「何か問題でも?」

「もう十分過ぎるくらいらあるので、作らないでって伝えたくて」

「多恵様は気にされる事では…」


アイリスさんは何故か渋る。まだアイリスさんの為人が分からないから対応に困っていると


リチャードさんが近くにいた文官さんに何か伝え、私の顔をまじまじと見て


「お疲れではありませんか?」

「はい。大丈夫です」

「今、針子部屋に使いを出しました。針子部屋は王城の奥にあり、少し歩きますが大丈夫ですか⁈」

「リチャード殿!」


何か言おうとしたアイリスさんをリチャードさんは手で制し微笑み手を差し伸べてくれた。針子部屋まではリチャードさんが言った様に遠く、20分位歩きやっと見えて来た。

アイリスさんは無表情で明らかに機嫌が悪い。ちょっと気難しいなぁ…

針子部屋の扉を見ていたらすごい勢いで扉が開きキラキラのゴードンさんが出てきた。


「多恵様!」

「ご無沙汰しています。ゴードンさんさお変わりなく元気そうで何よりです」


夕方なのに元気満タンのゴードンさん。一気に目の前に来て圧が強く少し仰反る。

彼は相変わらず性別不明で女の私より綺麗だ。ゴードンさんは私の手を取り部屋に案内してくれる。


ゴードンさんの作業場にはトルソーに製作中のドレスやスーツが並んでいて目が楽しい!


「わぁ!このワンピース素敵ですね…」

「ありがとうございます!多恵様の普段着用に今製作中です」

「あっありがとうございます…でもこれで作るのは終わりにして下さい」

「えっ!」


固まるゴードンさん。作るなと言ったけど目の前のワンピースに目が離せない私。この箱庭の女性には珍しいダークグレーに品のいい刺繍が袖や裾に施されていて好みのデザインだ。固まる2人にアイリスさんが着席を促し、メイドさんがお茶を入れてくれた。少しの沈黙の後にゴードンさんが


「何故か理由をお聞きしても?」

「既に沢山の衣装を用意していただいていますが私の体は一つです。それに私は箱庭の女性に比べて小柄なので、他の方にお譲りする事も出来ない。勿体ないのでこれ以降は必要ありません」

「…ないでいただきたい!」

「えっ?もう一度いいですか⁈」

「私の創作意欲を奪わないで下さい!!」


前のめりになり興奮気味のゴードンさんに圧倒され思わず仰け反るとアイリスさんが横に座り私を抱えた。


「ゴードン不敬です!弁えなさい」

「アイリスさん大丈夫だし不敬じゃないから。ちょっとびっくりしただけだよ」


不機嫌に私から離れたアイリスさんはまた後ろに控えたので、ゴードンさんに向き直ると興奮気味に話し出すゴードンさん。理解できないけど私の服を作ろうとして私を思いだすと、無限に服のデザインが湧いてくるそうだ。俄かに信じがたいけどお世辞や方便を言っている風には見えない。

創作意欲が湧くのはいい事だが、そのアイデアを他に向けて欲しい。


「ではその新しいイメージを他の方の衣装に取り入れたら喜ばれるし、ゴードンさんも製作できた一石二鳥じゃないですか!」

「いえ…多恵様にイメージの衣装は他の女性には似合いません。貴女でないと…」


ゴードンさんが男の顔をする。こう見ると綺麗だけど男の人なんだと実感する。


「ゴードン多恵様は尊き方ですよ。分を弁えなさいと先ほども言ったではありませんか!そのように多恵様に想いを告げる様な行為は見逃せませんわ!」

「己の気持を素直に表現するは罪でしょうか?」

「えっと…取りあえず一旦作るのをやめて下さると嬉しいです」

「・・・」


『はい』と返事してくれないゴードンさん。困り果てていると、扉外で控えていたリチャードさんが入って来てそろそろ戻るように促す。どうやら日が落ち陛下との夕食の時間が迫っている様だ。納得していないゴードンさんとはまた話す機会を持つと約束し針子部屋を後にした。

部屋までの道のり明らかにアイリスさんの機嫌が悪い。もう意味が分からないよ…ケイティさんに取説を請求した方がいい?


やっと部屋に着く侍女さんが待機していて直ぐに浴室に連れて行かれて湯浴みをさせられた。湯浴みが終わると薄化粧を施されシンプルなドレスを着替える。流石に1日初めての方々にご挨拶に回りで疲れて来た。最後に陛下との食事…また疲れるなぁ…

てん君に癒やしてねとお願いし、もうひと頑張りします。私を気遣うリチャードさんに”大丈夫”と告げ陛下との食事の部屋へ向かう。


部屋に着くと陛下はラフな服装で髪も洗いざらしか整っていなかった。

『う…ん休日のイケおじだ』

私の視線に気付いたダラス陛下が…


「何だ?私に惚れたか?」

「それは無いです」

「いい加減惚れなさい」

「いい加減冗談はやめて下さい」

「私は常に本気だ」

「今日は疲れているので勘弁して下さい」


陛下は楽しそうに笑い疲れた私が着席すると美味しそうな食事が運ばれて来て食事が始まる。相変らず陛下は話題豊富で食事は和やかな雰囲気で進みデザートが出てきた。するとお約束の人払いがされる。座り直した陛下が


「まずは貴女に詫びないといけない」

「何かありましたか?」


陛下に真っ直ぐに見つめられてどうしていいか分からず挙動不審になってしまう。アルディアでお会いした時は“THE KING”って感じで威厳があり近寄り難かったが、今日はラフな服装な上に髪も自然でイケおじ全開だ。小さく笑った陛下が


「この格好をすると異性として意識してくれるようだ。二人で食事をする時はこの格好をしよう」

「お話があって食事に誘って下さったのでしょう⁈まずは要件から」

「相変わらず真面目だなぁ…そんなところも好ましいがなぁ」

「だからですね!」


一頻笑ってやっと話をし出すダラス陛下。何を言われるか戦々恐々だ。


「昨日今日とで聡い貴女なら気付いていると思うが、恥ずかしながらモーブルは今分裂の危機にあり貴族と王家と対立している」


うすうす気づいていたけどやっぱりかぁ…。眉間の皺を深め溜息交じりにダラス陛下は話を進める。


「先に言っておくが貴女のせいではないから気に病まないで欲しい。”女神の乙女“が来る事が決まり更に対立を深めた。抑えきれないのは偏に私に力が無いからだ。以前は王妃は中立を保っていたが、最近は…」


口籠るダラス陛下。『怖い怖い!』正直聞きたくないけど、私に拒否権は無さそうだ。

お読みいただき、ありがとうございます。

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