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お見送り

お茶会が近づき緊張中です


『何度来てもこの部屋は慣れないなぁ…』

謁見の間の重厚感に毎度気遅れしてしまう。

既に陛下以外の皆さんがお揃いだ。まずビルス殿下とビビアン王女にご挨拶する。


「早いものでご帰国ですね」

「多恵殿にはお世話になり感謝申し上げる。貴女が我が地に起こしになるまでに課題をこなしておきますから」

「よろしくお願いします。モーブルの方が整いましたら、お伺いしたいと思います。その時はよろしくお願いします」

「お待ちしております」


にこやかにビルス殿下と話していたら、ビビアン王女がいきなり私の手を取り興奮気味に


「寂しいですわ。バスグルに早くお越し下さいませね!もう私達は友ですわ!」

「あっはい」


ビビアン王女はよく分からない女性ひとだ。天真爛漫かと思ったら、気難しい所もある。グリード殿下位の包容力のある男性じゃ無いと駄目だね。

ビビアン王女のハイテンショントークに疲弊していたら、文官さんが陛下がお見えになると知らせる。皆さん位置につかれ悩んだ挙句トーイ殿下の横から少し離れて立つ。


陛下と王妃様が入室され皆一斉に礼をし直ると目の前に陛下が居る。陛下は微笑み私の手を取り雛壇に上がる。やっぱり…娘は横ですか…


陛下お越しになりビルス殿下とビビアン王女のご挨拶が始まり形式通りに進み無事終わった。このまま馬車までお見送りして終わり。馬車迄はアーサー殿下がエスコートしてくれた。

いつもの様に気さくに話してくれる殿下に安心して身を委す。すると…


「この後お茶会ですね。私も参加したいと陛下にお願いしたのですが許可が出ませんでした。参加者を確認しましたが、手が早く女癖の悪いものがいます。何かあれはデュークに言って下さい」

「ありがとうございます。チャチャッとこなして来ますね!」


馬車に着き乗車され出発する両殿下を見送り部屋に戻ります。帰りもアーサー殿下が送ると仰って手を差し出してくれたのですが、殿下は陛下に呼ばれて執務室に向かって行きました。護衛騎士さんと戻ろうとしたらトーイ殿下が来てエスコートを申し出てくれます。


「お疲れ様です。今日は多忙な様ですが大丈夫ですか?無理なさらず疲れたら付いているもの言って下さいね」

「はい。ありがとうございます」

「多恵殿…」

「はい?」

「ケニーから聞いたのですが…辞退の件。残念ですがこれで良かったと思います。ケニーは好奇心が強すぎる。貴女を寂しくさせてしまうでしょう」

ケニーの好奇心はいずれ箱庭の為に成ると思っています。だからこの選択は正解なんですよ」


トーイ殿下は寂しそうに笑う。殿下の話だと私がモーブルに移ったらケニー様は直ぐにベイグリーに移転するそうだ。第3騎士団は退団し帰国時期は未定。幼馴染が旅立つのだから無理もない。


「殿下寂しくなりますね」

「いや、振り回されなくて清々していますよ」

「離れても友である事は変わりません。今生の別れでは無いのですから…」

「はい…」


話をしていたら部屋に着いた。肩を落としている殿下を励ましたくて


「はしたなくてごめんなさい。ハグしていいですか?」


一瞬躊躇して頷く殿下。両手を広げてハグするけど腕が短く包み込んであげれず、殿下に抱きつくかたちになった。イメージしてたのと違う⁉︎

結果的に殿下に抱きしめられた。殿下は頭の上に頬を乗せ深い溜息を吐く。


「殿下の周りには貴方を慕う人達がいますよ」

「ありがとう。少し落ち着きました」


殿下は腕を緩め額に口付けて帰って行った。


この後、部屋に戻り軽く昼食を取り時間ギリギリまでベッドに寝転がる。今日のお茶会にサリナさんの元婚約者エルドが来る。お茶会にはサリナさんが付いてくれるし丁度いい機会だ。エルド様には区切を付けてもらい、2人には再出発してもらおう!

後の5人は申し訳無いけど適当にお相手して終えよう。


別に無下にするつもりは無く、箱庭が落ち着いたら各領地を旅してお役に立つ事が有れば協力するつもりだ。嫡男さん達と縁を持つつもりは毛頭無い。

って言うかこれ以上求婚されたら、それこそお仕事完了したら速攻で元の世界に帰るよ。男前イケメンはお腹いっぱいです。


「多恵様。そろそろお着替えなさって下さい」

「はぁ〜い」


居間に行くとマリカさんとサリナさんが待ち構えていて着替えとメイクをしてくれる。ドレスは締め付けなく飾りがあまり無いシンプルな物をお願いし、メイクも薄め。髪はハーフアップに出来るだけシンプルに。着飾る必要なし!お茶会という名の仕事ですから!


「せっかく名門のご嫡男とのお茶会ですのに、もっと多恵様の愛らしさを引き立つ装いをなさればいいのに…」

「だから着飾りたく無いんです。新たなご縁は遠慮したいです」

「勿体ないですね…」

「無くないよ、譲れるならマリカさんにあげたいわ」

「私も頂けるなら欲しいです!」


マリカさんと顔を見合い笑った。ありがとう!少し気が楽になったよ。

談笑していたらデュークさんが迎えに来てくれた。

ありがとう兄貴デューク


デュークさんと護衛騎士さんとサリナさんと会場に向かう。会場に着いたら既に皆さんお揃いで、一斉に立ち礼をされた。ビックリして仰け反るとデュークさんが背中を支えてくれる。

会場は円卓が7卓あり各家ごとに着席している。私は雛壇の位置にあるテーブルに1人で座る。後ろにはデュークさんとサリナさんがいてくれる。


それにしても圧が凄い。ご嫡男さんからは火傷しそうな熱い視線を送られ、侯爵様や伯爵様からは強い視線を送られて私は野獣の檻に入れた狸の様だ。

息苦しく感じていたら給仕が始まりお茶会がスタートした。


よく見ると各テーブル1席空いている。不思議に思っていたらサリナさんが説明してくれる。


「多恵様。ご説明いたします。この卓に近い卓からの位の高い順に配置され、各テーブル1席空いているのは多恵様が座る席です。初めは各テーブルを順番に回っていただきご挨拶し、一回りしたら後は自由になります」


まるでお見合いパーティーだ。独身の頃に友人に連れられて参加した事ある。女性が座り前に男性が座り挨拶し5分経つと笛が鳴り男性が横の席にずれる。全女性と話したら最後はフリータイムで気に入った人と話す。まさにそれだ!


「そうしなければ位の高い家の者しか多恵様と話せなくなりますからね」

「システムは分かりました。で今からどうしたらいいですか?」

「一番初めのライナス侯爵家のハリソン様がお迎えにいらっしゃいますわ」

「違うテーブルに行っても2人とも着いて来てくれますか?」

「「勿論でございます」」


良かった…人見知りの私が知らない人のテーブルに1人とか勘弁して欲しい…


1人の男性が立ち上がりこっちに向かってくる。

あ…この人も美丈夫だ。藍色のサラサラの髪に黄緑の綺麗な瞳をされたアイドル系の男前イケメンだ。目の前に来て綺麗な礼をして


「お目もじ出来光栄にございます。ライナス侯爵家嫡男ハリソンと申します。さぁ!多恵様我がテーブルにお越しくださいませ」

手を差し伸べられ恐る恐る手を重ねた。エスコートしてもらいテーブル移動します。


さぁ!ここから怒涛のお見合いが始まります。

お読みいただきありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価をよろしくお願いします。


『時空の迷い子〜異世界恋愛はラノベだけで十分です〜』

『(仮)選べなかった1度目の人生、2度目は好きにしていいですか?』

もよろしくお願いします。

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