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ヒューイ side

ヒューイの当番です。

召喚前です。

風が凪いだ穏やかな午後。ヒューイは執務室で手紙をしたためていた。書き終え封入しようとした時に弟のトーイが来た。手紙を引き出しに入れてトーイに入室許可を出す。

トーイはアルディア王国の第3王子。

昨年成人し1年騎士として修行のち今年からモーブル王国に接する西の地を管轄する第3騎士団の団長に就任した。

決して王子という肩書で団長になった訳ではない。アカデミーも首席で卒業しており剣の実力もある。

騎士としての実力はあるが、団長としてはまだまだ経験不足は否めない。

だからこうしてヒューイのもとにアドバイスを求めてくる。


トーイと向かい合いソファーに座る。

すぐに従僕がお茶を用意して退室していく。

しばらく雑談していると文官が慌ててやって来た。


息をはずませ「ヒューイ殿下、トーイ殿下直ぐに陛下元に!」


ここ数十年平穏で有事はおこっていない。「まさか!父上の身に…」トーイ共に陛下執務室に急いだ。


執務室に着くと宰相のイザークと兄上(第1王子)のアーサーがいた。とりあえず父上に何かあったら訳では様だ。


席に着くと父上から驚きの報告があがる。


「先程女神の丘から召喚の兆しがありと早馬があった。前回の召喚から約300年振りとなる。

報告では”乙女”。アーサー、ヒューイ、トーイもう理解しておると思うが、乙女の相手をそなた達の中ら決めねばならい。」


女神の乙女は異世界から召喚される女性。この箱庭より高い知識を持ち、箱庭の救い人となるお方だ。

王国の繁栄の為にも乙女には王国に留まってもらわないとならない。おのずと乙女の相手は王族になる。現在未婚なのは第1王子アーサー、第2王子ヒューイ、第3王子トーイだ。


しかしアーサーは1年半前にトーイは3ヶ月前に婚約していた。王族は成人を迎えると婚約者を決める。アルディア王家の成人年齢は15歳。現在ヒューイは18歳だが未だ正式に婚約者はいない。


「未だ婚約者がいないヒューイを相手とする。そなたの希はよく分かっている。しかし乙女を迎える事は王国の最優先事項だ。王族の務めと理解し乙女が召喚された場合乙女と婚姻せよ」


“がたっ”すごい勢いでトーイが立ち上がり

「父上も兄上の気持ちはご存知のはず。私は婚約したばかりだ。私が解消して私が乙女の相手となりましょう。」


「ならん!そなたの婚約者はモーブル王国のランティス家令嬢だ。ランティス領から輸入される穀物は輸入量の6割を占める。ランティス家との繋がりは重要だ。」


父上とトーイがいい争っているようだが、全く話が入って来ない。


『なぜこのタイミングなんだ。長年の願いが叶う兆しが届いたのに…リリスは非常だ…』


ふと前に座る兄上が目に入る。兄上は普段は気さくで身分関係なくどの者にも優しく、どちらかというと道楽者のようだ。しかし本来は思慮深く策士タイプだ。そんな兄上が何か企てる時は必ず片肘をつき額に手をやり斜め下を見る仕草をする。

まさにその姿勢をしている。何を考えているのだろう⁈私の視線に気付いた兄上が


「ヒューイお前は本当にそれでいいのか⁉︎」発する声は冷たく私をまっすぐ見据える。


「陛下の決断に私は従います。」


「そうか… まぁ〜まだ乙女が我が王国に来ると決まった訳では無い。あまり気にやむな」先程と違いいつもの気さくな兄上だ。


「トーイよ。陛下の決断は最善だ。我らが異議を唱えるものではない。今は・・・」兄上の言葉にトーイは黙った。


「ヒューイ明日女神の丘に赴き召喚のドアと周囲の確認を。おそらく各国の代表(乙女の相手)もくるであろう。揉め事は起こさぬように。

イザークは秘密裏に乙女を迎える準備を。召喚の日の護衛はヒューイと第2騎士団に任せる。人選を急げ。意義は認めん。

王子は退室をイザークは残れ」父上の言葉で皆席を立ち礼をし兄上とトーイと共に退室する。トーイは明らかに不服そうだ。兄上はいつもどおり穏やかにしている。私はまだ状況に心がついて行っていない。



『お前は本当にいいのか?!』兄上のあの言葉が心に深く落ちていく。。。

ヒューイには何かありそうだし、多恵が感じたとおりアーサー王子は曲者決定です。

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