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添削

少し元気なったグラントに安心した多恵です

「頬に口付けても?」

返事の代わりに私からグラント様の頬にキスした。

驚くグラント様。照れ笑いする私。

グラント様が優しく頬に口付けてくれる。


「子爵領は綿花栽培や織物が有名らしいです。機織りできれば嬉しいなぁ。あっ!何かお土産買ってきますね」

「貴女の無事に帰るのが土産ですよ。1つお願できるなら子爵領で虫をつけて来ないで下さいね」

「そんなの付く訳…」

「貴女はご自分の魅力を分かっていない」

「じゃ虫除けでも付けて行きましょうか⁈」

「それはいいアイデアだ!明日の出発までに虫除けを届けるのでお持ち下さい」

「高価な物や宝飾品は要らないですよ!」

「えぇ…分かっています」


急に機嫌がよくなったグラント様に一抹の不安を感じながら面会を終えた。グラント様は帰り際に凄くキスしたそうだったけど、候補者解消中だからしない。そこをあやふやにしてしまうとなし崩しになってしまう。なっが〜〜いハグ後に別れた。


部屋に戻ってきたケイティさんは安堵の表情をしている。そんなにグラント様は要注意なのだろうか⁉︎


荷造りより先にダラス陛下とビルス殿下に手紙を書く。ちなみにビルス殿下に直筆で初めて手紙を書いた時に、初めて書いた手紙だから添削して欲しいと頼んであった。殿下からは文字やスペルの間違いはないが、言い回しが幼い印象があると。

まるで子供の手紙の様だと…すみません。48歳がこんな語彙力で…もっとこちらの本を沢山読んで言い回しや表現力を身に着けないと。

意識しながらダラス陛下とビルス殿下に手紙を書いたらすっごく疲れた…ベッドで寝ていたてん君を呼んでビルス殿下に届けてもらう。

てん君がお使いに行っている間に居間に行きマリカさんにダラス陛下の手紙を預ける。

はぁ…これでやっと荷造りが出来る。ケイティさんと衣裳室で子爵領に持っていく服を選ぶ。出来るだけシンプルなものを選び、カーディガンやボレロで着まわせる様にケイティさんの助言を受けながら選ぶ。大きなトランクに荷物を入れて荷造り完了!衣裳部屋を出るとてん君が戻っていて居間のソファーで丸まって寝ている。うーん大きい毛玉!

マリカさんが午後のお茶を用意してくれケイティさん、マリカさんとガールズトークに花を咲かせる。


少しすると第1騎士団のデュークさんが来た。許可を出し入室してもらうと明らかに疲れがみて取れる。

「え…と…デュークさん大丈夫ですか?何かお疲れ全開ですが」

「はい。大丈夫と言いたいのですが、余り状況はよく無いですね」

「何かあったんですか?」

「はい。アーサー殿下が今ポンコツなもので私が代行しており仕事が3倍です」

「あぁ…何かすみません」

「いえ、多恵様のせいではありません。想う方に少し冷たくされたくらいで情けない。今まで挫折せずに来られているので結構な衝撃のようです」

「・・・」

「ここで情けないままか、男として一皮むけるかは殿下次第です。聞いた話では冷却期間を設ける為の解消ですよね⁈」

「はい!その通りなんです!何か候補者の方は終わりみたいに受け止めてらっしゃるけど!私は嫌いになったなんて言っていないですよ」

「そこです。自分が拒否された事だけしか頭にない。なぜそうなったのかと、想う方を思いやれていない。私から言わせれば青いです」

「陛下もイザーク様も同じく“青い”って言っておられました」

「多恵様が子爵領に行っている間に鍛え直しておきます故、ご安心を」

やっぱりデュークさんは会った時から“兄貴”だ。頼れるなぁ…

「お願いします」

「お任せを!おっと本題を忘れていました。お伺いしたのは明日からの護衛の者が決まったのでお知らせに来ました。希望者が多くて選定に苦労しましたよ。男女1人ずつ就きます。リックとミリアです。この2人も王城勤めの侍女と従僕という身分で同行します。子爵殿は事情を知っておりますが、子爵領の者は多恵様はサリナ嬢の同僚として認識しています。気負わず平民の暮らしを体験してきて下さい」


デュークさんはお忙しい様で直ぐに退室された。


どうやら今回の設定はサリナさんの休暇に便乗した同僚になっているらしい。箱庭に来て初めて”乙女”から解放されてただの”多恵”になれる。

気分は旅行前夜だ。わくわくが止まらない♪

さっきマリカさんに聞いたが日本ほどではないけどお土産を買う習慣はあるらしい。買ってあげたい人が多くて大変だ!ちなみに現地で宿に泊まったり買い物出来る様に陛下からお小遣いをもらった。

すっかり陛下のパパぶりは板についている。

陛下パパにもお土産買わないと!


少し興奮気味な私をケイティさんは温かい目で見てくれている。今日は少々はしたなくても許してね!


夕飯の時間になり給仕を終えるとケイティさんは仕事を終え退室します。

「良い旅を。また無事にお戻り下さいね」とハグしてくれる。

「ありがとう!お土産買ってくるね!」

「はい!楽しみにしております。マリカ。明日の出発までにしっかりお仕えしなさい」

「はい!」

うーんいい返事だねマリカさん!頑張れ!



明日は2刻半には出発するから早目に就寝します。

7刻過ぎには寝室に入りてん君とのんびりしています。

『たえ たのしい いいこと』

『うん!楽しい早く明日にならないかなぁ〜』

『サリナ いえ なにする?』

『綿花栽培が有名らしいから、農園に行って収穫とかしたいし、また機織りもしてみたい!』

『めんか なに?』

『布の元…』

『たえ?』


目の前にも綿花わたがいた。どんな最高の綿花でもてん君のもふもふには敵わない!無言でてん君に抱きつき高速でもふる!

『てん君大好き!』

『てん たえ いちばん』


暫くてん君とラブラブタイムを過ごし気分良く眠りについた。


『ん?誰か居る?まだ眠くて起きれない』

頬に温もりを感じる。てん君?でも違う!もふもふしてないよ。分からないけど優しく頬に触れるそれは気持ちいい。ずっと触れて欲しい…

また眠くなり意識は遠のいた。




『たえ あさ おきる』

『うーん…分かった』


いつも通り2刻に起きた。

「ん?」手に何か当たる。見ると深緑の革紐に琥珀色の花のモチーフが付いたチョーカーだった。

そしてかすかに新緑の残り香が…

あの温もりはやっぱりフィラが来ていたんだ。


『てん君これ…』

『たえ にあう たび つけてく』

『来たの⁈』

『てん わからない でも おまもり』

 

じっとてん君を見るて横を見て誤魔化している。

誤魔化しているけど思いっきりフィラの色だからバレバレだよてん君。でも騙されていてあげる


『ありがとう!可愛くて気に入ったわ。旅行に付けていくね』

『そうする いいこと』


ごめんねてん君気を遣わせます。


マリカさんが起こしに来た。てん君はベッドから降りて扉を前脚で叩いて返事します。

またいつも通り驚…かない!


一瞬ビクっとなったが普通に入室して来た。


『たえ まりか もうおどろかない』

『やっと慣れたね』

『つまらない』

『へ?』


どうやらてん君はマリカさんの反応が面白かった様だ。あまりマリカさんを虐めないでね!


居間に行くと綺麗な箱が置いてあった。マリカさんに聞くとグラント様の使いが深夜に持ってきた様だ。そっか虫除けを届けるって言っていたヤツだ。

早速開封すると…


ミニクイズ!

フィラから虫除けにチョーカーを贈られた。グラントからも届いた様。

さて!グラントから何が届いたでしょうか?


答えは次話をお読みいただくと分かりますので、よろしくお願いします。



『時空の迷い子〜異世界恋愛はラノベだけで十分です〜』もよろしくお願いします

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