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帰還

今回は少し短めです

「えっと…今日の用向きは?」

「私はグラント殿が不甲斐ない時は貴女をもらい受けると言ってあった故、もらい受けに来たのだか」

「あの…冗談は…」

「シリウスもそうだが候補者がこのままなら、私が相手に名乗りをあげよう」



「今は冗談になりませんよ」

「私のところに来れば貴女はしたい様にすればいい。そして子も私と3人儲ければいい話だ。父親が同じであれば成長した時に兄弟間の争うも減るだろうし、貴女が持っている倫理観も守れるのではないか?」

「陛下には王妃様がいらっしゃいます。折角良好な王妃様との間に私が入って壊すなんて嫌です」

「王妃は国の為になるなら喜ぶだろう」

「いや。。。私が嫌です」

「貴女には私は不快か?」

「いえ、そこでは無くてですね…」

「男として私はどうだろうか?」


『今、私口説かれている?』


返答に困っていたらグリード殿下が来たようだ。


「多恵殿。私は本気だ。貴女が望むなら受け入れる気持ちはある。ただ、無理強いするつもりは無い。貴女との生活は楽しそうだ。考えてみてくれ」

「…はい」

グリード殿下に入室許可を出したらグリード殿下が入室してきた。

部屋の微妙な空気を感じたグリード殿下が明るく世間話を始める。殿下もうちょっと早く来てほしかった。陛下に口説かれちゃったよ…


「陛下夜も遅いので本題をお願いします」

「すまんぬ。ビルス殿と話し合いバスグルとモーブルとで労働協定を結ぶ事にした。立案に際し助言頂きた」

「ルーク陛下にはアルディアの流行病対策が出来次第、多恵殿の拠点をモーブルに移してほしいと持ちかけ許可は頂いた。多恵殿の意見を聞きたく遅くに申し訳ないと思いながらも訪問した次第だ」

「私もそれでいいと思います。ただ、労働協定が完璧に立案出来てもバスグルの体制が変わらないと改善しません。生活の為にあらゆる手段バスグル人はモーブルに渡って来るでしょう。リリスの箱庭で話は終わらず私がバスグルに行く事になると思います」

「我々も同じ考えで多恵殿がバスグルに渡る際には付き人としてグリードを同行させるつもりだ。ゆくゆくはバスグルに婿に入る故慣れておく必要があるだろうし」

「ビルス殿下がな…多恵殿を絶賛しておった。食事会以外では接点は無かったようだが、いつの間に親密になったのだ?」

「えっと…」

「まぁよい。ビルス殿下は意図して道化ピエロを演じているようで、本来のビルス殿は文をわきまえ誠実な方の様だ。あの方なら信用できる」


今後の陛下の予定をお聞きした。一度グリード殿下とモーブルに帰り私を迎える準備をしてグリード殿下はバスグルに渡る。私はアルディアが落ち着いたらモーブルへ。モーブルに慣れたらバスグルに渡りバスグル王と謁見する事になるそうだ。


「ルーク陛下から多恵殿にはもう暫く滞在して欲しと話があった。おそらく候補者の問題だろう。何か悩んでいるなら私でよければ相談にのろう。遠慮せず頼りなさい」

「ありがとうございます」


何か言いたげなグリード殿下。言いたいことは分かっている。友人でもあるシリウスさんの事だろう。

私から解消を申し込んだのに候補の方々がやっぱり気になる。


「グリード殿下何か?」

「貴女に候補者を解消され今シリウスは使い物にならない状態です。他の候補者殿も同じ状態だと聞き及んでいます。シリウスから詳細は聞きました。

多恵様の気持も分かる。貴女を恋う男ども気持ちも分かる。難しいなぁ…」


明確な理由がある訳では無いけど、陛下と殿下には本心を話したくなって打ち明けてみた


「陛下、殿下聞いてもらえますか?」

「「勿論だ」」


「リリスに召喚されてリリスからお願いされたのは箱庭4国の手助けする事でした。伴侶を得て子供を儲けるのは追加依頼オプションです。受けるかどうかは私に判断が委ねられています。まぁ…妖精王フィラに関してもキャパオーバーの関係上、子を儲けるのは優先でお願いされましたが…。それなのに夫を選び子を産むのが当たり前にされ、候補者の願いを受け入れるのが前提って話が進んでいる。そこに私の意志は無いんです。私は子供を産む道具では無いのに…

正直皆さんの好意は嬉しいけど、私一人置いてきぼりなんです。皆さんは誰と恋愛してるんですかね…疑問です」


「・・・」


ダラス陛下は笑っていてグリード殿下は困った表情だ。

「皆青いな…自分の想いを必死に多恵殿に伝えていて、相手を思いやる余裕がないのだろう…」

「やはり、多恵殿は私の元に来るべきだなぁ!」 

「兄上。笑えない冗談はやめて下さい」


「だから関係を解消フラットしお互い考える時間を持った方がいいんです。正直、人知れず田舎で平民として暮らし唯の多恵として愛する人に出逢えればなんて思ってます」


「それもいいかもしれん。多恵殿はまだ若い。色々経験すればいい。全面的に強力しよう」


その後暫く他愛も無い話をしていたら、7刻になり陛下と殿下は退室された。去り際に殿下がモーブルに帰る前にシリウスさんに会ってやって欲しいとお願いされた。


「確約は出来ませんが、前向きに検討します」

と答えた



疲れ果てて湯浴みをして寝室に籠った。昨日夜から妖精達が沢山来ている気配がしている。あえて接触していない。恐らく妖精王フィラの事を思っての事だろう。今は話を聞ける精神状態では無い。


『たえ ぼりす くる』

『えっ!ここに?』

『うん!』


気配を感じ振り向くとリリスの聖獣ボリスが立っていた。相変わらず慈愛に満ちた眼差しを向けてくれる。


『妖精達よ!立ち去りなさい。多恵が困っているわ!』


ボリスが一喝すると妖精達の気配は消えた。母ボリスは強し!

ボリスは静かに話し出した。

『多恵。アリアの箱庭のバスグルにも救いの手を差し伸べてくれてありがとう。アリアからリリスにお礼があり、アリアとリリスは仲直りが出来そうだわ』


『そう。良かったわ!でも実際はバスグルもモーブルも今からお手伝いするんだけどね』

『多恵がきっかけを作ってくれた事に変わり無いわ!それから今日はリリスからの伝言を預かっているわ』



なんだろう…タイミング的に怖い。


『箱庭な問題か解決したら、こちらの寿命を待たずに元の世界に帰します。勿論残りたかった残ってもいいわ』

『今は召喚したてでリリス神力が無いんじゃ!』

『お礼にアリアが帰してくれるらしいわ』


なんでここでアリア何だろう?疑問に思っていたら

ボリスが急に怒り出し


『多恵!フィラの子を産まなくていいからね!』


何が起こっているのか分からず、只ボリスを見つめる事しか出来なかった。


お読みいただきありがとうございます


続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価よろしくお願いします。



『時空の迷い子〜異世界恋愛はラノベだけで十分です〜』もよろしくお願いします

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