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田舎

解消してスッキリした多恵。

平民暮らしの為に行動しだす。

「アーサー殿下次のご予定の時間が迫っております。入室許可を…」


扉の向こうから文官さんが声をかけて来たので許可すると、文官さんやケイティさん達が入ってきた。皆んな入室と同時に固まる。


室内はお葬式の様な雰囲気で私だけ楽しくデザート食べている。文官さんはアーサー殿下に声をかけるのを躊躇している中、オーランド殿下家臣のカイルさんが話しかけてきた。


「多恵様…何があったんです?この部屋の雰囲気異常ですよ」

「そうですか?私は晴れ晴れしてますがね!」

「多恵様。朝食会はおひらきでよろしくですか⁈」

「はい。終了で!そうそう!ケイティさん。陛下にお時間いただきたいと連絡お願いします。時間は何時でも陛下に合わせますから」

「畏まりました」


席を立ち(元)伴侶候補者様に


「今日はお時間いただきありがとうございました。皆さん次のご予定の宜しいのですか?お付き方が困ってますよ。では私はこれで失礼します」


久しぶりにカーテシーをし寝室に戻った。


『たえ みんな かわいそう』

『う…ん でも皆んな勝手に決めるから』

『ふぃら つがい いる』

『でも、それは私である必要はないよね』

『ふぃら つがい たえ だけ』

『ごめん、てん君…今日はこの話したくない』

『ごめん わかった たえ つらい ぼりす みかた』

『ありがとうね』


ベッドにダイブし考えないように目を閉じた。


少しウトウトしていたら寝室の扉からケイティさんが入室許可を聞いてきた。返事をすると入ってきたケイティさんが


「陛下から返事があり、バスグルとモーブルの会談が始まる少しの時間ならと返事がありました。時間ございません!直ぐ移動を」

「はい!ありがとう」


起き上がりてん君と陛下の執務室に向かう。


陛下執務室には宰相のイザーク様もいらっしゃった。イザーク様は気を使われ退室しようとされたが同席をお願いした。


「多恵殿が話とは珍しい何かあったか?」

「はい。今朝朝食の席で候補者の方と話し合いがありまして、皆さんと私の意見が合わなかったんです。そこで私から提案して伴侶候補の解消をお願いしました」


「「!」」


「私は伴侶は貴族や王族である必要を感じておらず、寧ろ平民の男性の方が私に合っている気がしています。そこで暫くキラス村で平民の暮らしがしたいのです」


「多恵様!流行り病対策はまだ途中では!」

「いえ!マスクも予定より早く仕上がってますし、予防方法はグラント様とナタリー様に資料を渡してあり、後は実践頂くだけです。私が居なくても大丈夫ですから」


陛下が険しい表情をして


「候補者達は多恵殿に無理強いをしたのか?」

「無理強いと言うか…皆さんの望みに私が応えられないと言った方が近いです」


「平民の暮らしと言われるが警備の問題もあるし、モーブルやレックロッドにも許可を得ねば儂一存では決めれん」

「分かりました。お忙しい所もう訳ありませんが、調整をお願いします。別にキラス村で無くてもいいんです。ただ一人の普通の”多恵”として過ごして考えたいんです」


「…あいわかった。今からダラス殿と話す故、相談してみよう」


「ごめんなさい。皆さんによくしていただいているのにわがまま言って…」


陛下は私の横に座り抱きしめて

「儂は多恵殿の父親代わりだと言ったぞ。多恵殿はいい子過ぎるのだ!他の令嬢はもっとワガママだ。儂を困らすくらいがかわいい。多恵殿の好きにすればいいのだ」


「陛下…ありがとう」


陛下は額に口付けて

「それより!あの者達はまだまだ青い!相手に想いを告げるばかりで相手の事を考えておらん!鍛え直す必要がある様だ!」


イザーク様がそろそろ時間だと陛下を促す。


「そうそう。多恵様、侍女のサリナが子爵家いえの用事で1週間ほど休暇を申請しています。

バース子爵領はかなり田舎で多恵様が過ごすのにはもってこいかもしれません。陛下の許可が下りれば調整致しましょう」


「ありがとうございます。イザーク様。陛下!娘の為にダラス陛下から許可をもらってきてくださいね!」


陛下は胸に手を当てて

「待っておれかわいい娘よ!」


こうして私の平民暮らしへ一歩前進した。


この後は特に用事もない。あーでもビルス殿下に繋ぎは取っておかないと…

でも秘密裏に会いに行くのはフィラが居ないと無理だ。今は頼りたくないし…

「ん?」脚に違和感。見るとてん君が前脚で叩いている。


『どうしたの?』

『てん ビルス つかい できる』

『そっか!ビルス殿下に手紙渡せる?』

『てん やれる』


よっしゃ!なんとかなりそう。但し、手紙が問題だ!少しは文字は書ける様になったが正直小学生レベル。恥ずかしくて代筆してもらう事が多い。

でも書かねばならない!寝室のテーブルで1日中手紙を書き続け夕飯時にやっと書き上がった。

てん君にビルス殿下に届けて貰いベッドに倒れ込む。必死に書き続けた所為で指も手首も痛い。


『たえ もどった』

『ありがとう!』

『ビルス あす へんじ てん とりに いく』

『そっか!よろしくね!』


この後痛い手首を堪えつつてん君をもふった。


ケイティさんに呼ばれて夕食を食べに居間に行く。

マリカさんがソワソワしていて気になる。何か言いたげだ。気になって食事どころでは無い。


「マリカさん。何か聞きたい事あるの?」

「あの…いえ…そんな事」


ケイティさんの表情が険しくなり

「マリカ。その物言いたげな態度は相手を不快にします。おやめなさい!」

「いいよケイティさん。何?はっきり言ってくれた方がいいから」


戸惑い気味にマリカさんが


「多恵様が伴侶候補者様を袖にしビルス殿下と相引きしてるのは本当ですか?」


予想外のぶっ込みにフリーズする。

この後再起動に時間がかかり、部屋中にケイティさんの怒号が続く事になる。


多恵の知らぬ間に変な噂がたっている。なんで?


お読みいただきありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価よろしくお願いします。


『時空の迷い子〜異世界恋愛はラノベだけで十分です〜』もよろしくお願いします。

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