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ボーナス

今回は短めです。

“ペシペシ”またてん君が頬を叩いている。

ここ最近自分で起きれずてん君に起こされる事が多い。疲れているのとてん君が一緒で温かいからだ。

ベッド横の時計を見ると2刻半だ。いつもより半刻遅い。居間の方に行くとサリナさんがお茶を入れてくれ、飲みながら今日の予定を聞く。5刻半モーブル王との謁見がありその後会食。

あとオーランド殿下から昼食のお誘いがあるようだ。特に用事は無いしオーランド殿下のお誘いを受ける事にし、サリナさんに代筆してもらい返事を送って貰う。


朝食後に暇で久しぶりに書物庫に向かう事にした。護衛騎士は第3騎士団のニックさんとランディさんだ。今回が初めて護衛の様で緊張されている。


「多恵様の護衛は本来第1が就くのですが、バスグルの騒動で手が回らないようで、我が第3が担当する事になりました。数日しか多恵様に就けない為、希望者が多くトーイ殿下が訓練の一環で剣の試合トーナメントを開き決めたのです」


大事になっている。私若きに何かすみません。

楽しく雑談しながら書物庫に向かいます。道すがら舞踏会でご挨拶頂いた子爵夫人とあった。ご夫人から丁寧なご挨拶を受けて少し雑談をする。


「多恵様考案のマスクをこの様に改良しまして…勝手して申し訳ございません。実はマスクを作っている時に、息子がマスクを見て嫌がりまして…困ってどうしたら付けてくれるか考え、息子の好きな動物を刺繍しましたら喜んで付けてくれて。子供用だけ刺繍するのはどうでしょうか?」


夫人が見せてくれた子供用マスクの右下に犬とイニシャルが刺繍されていて可愛らしい。


「凄くいいアイディアだと思います!思い付かなかったです。さすがお母さんですね!是非このアイディアを採用したいです。アイディアを使う事を許可いただけますか⁈」


「恐れ多いです。私の様な者の考えを取り入れて下さるなんて僥倖ですわ!」


夫人は涙ぐみ喜ばれている。こうやって皆んなで改善していけば必ずいい結果がでる!

夫人にお礼を言い是非他の方にも広めて欲しいとお願いした。夫人はこの後にナタリー様達とマスク作りの会があるらしくここで別れた。

急遽書物庫から針子さんの作業場に行き先を変更して廊下を急ぐ。


作業場に着くと何故か私が来るのを知っていたケイトさんが迎えてくれた。やっぱりアルディア城内に無線あるでしょ!針子さんの皆さんに挨拶とお礼を述べる…と…『ん?』皆さん耳に色とりどりの小花を飾っている。


「昨日、多恵様が耳に小花を飾っていたと聞き、私達も飾ってみたくなりまして」


昨日の今日で皆んな情報通だなぁ!やっぱり無線…

皆んな憧れている人や婚約者の瞳の色の花を飾っているそうだ。どこに行っても女性はお洒落に敏感だ。一番若い針子さんから”昨日のオレンジ色はアーサー殿下ですか?”とツッコミが入りケイトさんが焦っている。夢を壊してゴメンさない!”たまたまです”とは言えず微笑んで誤魔化した。そうしたら何故か黄色声が上がる。


咳払いをして本題に入る。針子の皆さんは刺繍案を支持してくれ、早速作業してくれる事になった。


「こんなに頑張ってくれているから、陛下にお願いしてボーナス出してもらわないとね!」


「多恵様。ボーナスとは?」


「報奨金って言うのかなぁ…」


「でしたら、オブルライト公爵様から頂戴していますし、時よりナタリー様からお茶菓子を差し入れいただいてます」


おー!流石公爵家!針子さん達はちゃんと評価されているから、明るく頑張っているんだ!

おばちゃん何か感動した!

針子さんに進捗状況を確認し、雑談していたらあっという間に昼になった。


騎士のニックさんに戻りを促される。帰ろうとするとケイトさんに「次はキース様と起こし下さいね!」と耳打ちされ苦笑した。


廊下を少し急ぎ目に歩いていると、前からケニー様と第3の騎士さんが歩いてくる。


「多恵様。お久しぶりでございます。何かありましたか?愛らしいさが増しています」


「ケニー様お久しぶりです。お元気そうで何よりです。今日は?」


「あー今日の護衛する権利を試合で勝ち取りまして、明日昼まで護衛いたします」


あー波乱の予感。今からオーランド殿下と食事なんですが…って思っていたら、オーランド殿下とカイルさんがこっちに来る。も…嫌な予感しかしない!


「多恵様。お迎えに上がりました」


「すみません。戻りが遅くなりまして」


「いえ、貴女と共に居れるのならいくらでも待てますよ」


オーランド殿下がエスコートのために手を差し伸べられ、手を出しだらケニー様に手を取られた。


「「え?」」


殿下と2人で唖然とするなかケニー様は

「今日の護衛の任務を遂行し、お部屋までお送りいたします」


ケニー様はズンズン歩いて行く。ケニー様に引っ張られついて行くしかない。大丈夫か?ケニー様!相手は他国の王子だぞ!


「殿下やられましたね!いいんですか?」


カイルさんが楽しそうに笑っている。やっと再起動したオーランド殿下が走ってきてケニー様と反対の手を取りエスコートする。


『こっこわい…上を見れない!』頭上で睨み合いが起こっている様だ。背が低くて良かったと思いながら、捕らえられた宇宙人の様に左右をがっちりホールドされ連行されています。

背後でずっと笑っているカイルさんに苛立ちを覚えながら、早く部屋に着いてと願う。


やっと部屋に着いた。もうぐったりだ。ふと交代するニックさんとランディさんを見ると彼らもぐったりしている。確か2人は平民出だと話していだ。

彼らに心を込めて”お疲れ様”を言いました。

まだニヤニヤしているカイルさんに冷たい視線を送るとウィンクされ、逆に驚かされる。


ケニー様は護衛だから廊下で待機し、オーランド殿下と部屋に入ります。侍女さんも交代していて、サリナが下がりケイティさんとマリカさんが昼食の準備をしてくれています。


「サリナ嬢は非番ですか?」


残念そうにカイルさんが聞く。やっぱりカイルさんはサリナさんに好意を寄せている様だ。こちらの恋模様も密かに注目しているんだ♪


着席し昼食をいただきます。他愛のない話をして食事を楽しみます。急にオーランド殿下の表情が曇った。


「多恵様の住まいを妖精城に移す話を聞きました。今レックロッド城では今多恵様を迎える準備をしています。俺は貴女と過ごせる日々を楽しみにしていたのに…やはり妖精王フィラとの確執があるからでしょうか⁈」


「いえ。リリスの箱庭以外から干渉が続き、フィラとリリスが安全を考え提案してきました。私は妖精城に住まいを移すと2国の手助けに動きにくなるので反対なんです」


そうだ。この問題もあった。ゔー前途多難だ。

お読みいただきありがとうございます。

続きが気になりましたら、ブックマーク登録&評価よろしくお願いします。


『時空の迷い子〜異世界恋愛はラノベだけで十分です〜』も1日おきにアップしています。こちらもよろしくお願いします。

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