表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
142/442

仲直り

お読みいただきありがとうございます。

またブックマーク登録&評価ありがとうございます。

身支度も終わりソファーに浅く座る。夜も多分食べれないから軽く軽食をいただく。一口サンドイッチとこれまた一口にカットされたフルーツ。

緊張からあまり味がしない。


舞踏会前に全室でナタリー様の紹介でマスク作りに協力してくれているご婦人と令嬢にお会いする。

ナタリー様が指揮を取り当初の予定枚数の8割が出来ているらしい。グラント様も何も出来ない子だと思っていたようだか、さすがグラント様の妹君優秀な令嬢でした。


ご挨拶が終わったらフィラが迎えに来てくれて、そのまま会場に入場になる。

フィラ…昨日があれだからちょっと気不味い。

それよりてん君の咬み傷大丈夫だろうか⁈てん君のドヤ顔から傷が深いのではと少し心配している。


時間になり前室に移動します。

今日は第1騎士団デュークさんと第2騎士団のクレイブ副団長が付いてくれます。なんか2トップに護衛され物々しく緊張しながら城内を歩いていると、前から知らない男性が歩いて来ます。身なりから貴族と分かるけど見たこと無い人。凄い笑顔でこちらに歩いてきます。


私の前を歩くクレイブ様が

「貴殿!そこで止まれ。まずは名乗られよ」


私の前にサリナさんが立ちデュークさんが後ろに立って警戒します。


「よかった。迷い困っておりました。バスグルよりビビアン王女と共に参りました。ラグズル公爵家のエルバスと申します」


「この先は王族の居住区。来賓客が立ち入れる場ではない。案内を付けます故舞踏会会場にお戻りを」


クレイブ様が近くを通った文官を呼び案内を指示していたら


「もしやそちらの御令嬢は女神リリスが召喚された乙女様でしょうか⁈あぁ…なんて幸運なんだ!是非御挨拶させていただきたい」


バスグルから来たと言う男性はキース様が話されていた容姿端麗なビビアン王女の側近の様だ。

確かに美丈夫だが私に関わりある方の顔面偏差値は高くてそんなに驚かない。少ししか見てないけどこの男性自分がかっこいいと分かって振る舞うナルちゃんだ。ハッキリ言って苦手…


クレイブ様が私を見て指示を仰ぐが、私は首を振って拒否する。嫌でもこの後挨拶の機会はある。勝手に徘徊している人の要求に応じる義理はない。


「失礼。貴殿の言われる通り女神の乙女様だ。今予定があり急いでいる故、挨拶は舞踏会の場で。

ではエルバス様に失礼ない様に会場までご案内する様に」


クレイブ様に指示を受けた文官さんがエルバス様を案内していく。エルバスさんは明らかに私に目線を向け大袈裟にお辞儀して文官さんに付いていく。

デュークさんは振り返り

「念のため会場まで監視しろ」と呟くと


横の通路からリックさんとガイさんが出てきた。2人は距離を取りながらエルバス様の後を追う。

どうやら私の移動に知らない間に何人も騎士さんが付いていた様だ。待遇が陛下並み⁈


やっと前室に着いた。中に入るとナタリー様とご令嬢達が待っていた。

20人程の大所帯で驚いたが皆さん綺麗な方ばかりで気遅れする。一人一人と会話して協力いただいたお礼をし無事挨拶は終わった。


ナタリー様達が退室したタイミングでフィラが来た。綺麗な緑のローブを着て今日は髪も撫で上げて妖艶な美しさがある。いつもはすぐに抱きしめてくるのに、何この距離は?私嫌われた?

微妙な空気にサリナさんに退室をお願いして外してもらった。

フィラは目線を合わすも近寄って来ない。


ふと”てん君噛み付き事件”を思い出しフィラに駆け寄り両手を取った。念入りにチェックをしたら左手首に痣が残っていた。


「これ…てん君が噛み付いた所?痛みはないの?」

「…グリスの薬草で傷は癒した。2、3日したら跡も消える」

「てん君の牙は鋭いから心配したよ」

「…俺の事を心配してくれたのか⁈」

「当たり前です!」

「俺はてっきり嫌われたのだと…」

「強引なのは嫌だけどちゃんと止めてくれたでしょう。フィラの気持ち知っていて待たせてる私も悪いし…反対に気持ち知ってて答えない私に愛想尽かしたんだと思ったよ」

「俺がお前を嫌う事は絶対無い!」


私は両手を広げて「ならいつもみたく抱きしめて!」


恐る恐る抱きしめるフィラ。あぁ…やっぱりフィラの温もりと香り好き。すっかり私の精神安定材になっている。キスしてほしくてワザと見上げたら口付けてくれる。優しい口付けに今から始まる不安な舞踏会も頑張れる気がした。


「よかった…ボリスにかなり絞られて落ち込んでいたんだ」

「えっ⁈ボリスが?」

「次やったら・・・って言われた」

「えっ?何て?聞こえない」

何回も聞いたけど教えてくれない。でもかなり恐ろしい事を言われたみたいだ。ボリスママ恐るべし


フィラは抱擁をやめて少し離れて私の姿を見て褒めてくれた。悔しそうにグリード殿下のドレス選びのセンスを褒めていた。


扉の外からサリナさんが入場の時間だと知らせて来た。フィラにエスコートされ入場に口に向かいます。大きな扉の前で待っていると


「妖精王フィラ陛下、女神の乙女多恵様のご入場にございます」


扉が開いた!始まる舞踏会。


耳が痛くなる程の拍手と沢山の視線を浴びて頭がクラクラしてきた。フィラは腰に添えた手をグッと引き寄せ支えてくれる。

ひな壇一番上に上がり会場を見渡す。知っている人の顔を見たら落ち着いて来た。

私達の一段下に陛下と王妃がいて挨拶をしている。


強烈な視線を感じてその先を見ると、いままで会った方の中でもずば抜けた美女がいる。

女神と言ってもいいくらいの美女の少し後ろに、さっきのエルバス様がいる。

っという事はあの美女がビビアン王女⁉︎

エルバス様の横に騎士服を着た美丈夫が立ってこちらをガン見している。美形だが眼光鋭くイカついくてゴリマッチだ。私のタイプでは無い!私は細マッチョがすき!

でも会場の令嬢は目をハートにしてバスグルのこの2人を見ている。


はい!ファーストインプレッションは良くなし。私のこの手の直感はよく当たる。バスグル御一行は今の時点で警戒対象になりました。


陛下の挨拶が終わりひな壇横のソファーにフィラと座るとキース様が来た。キース様は黒地に金糸のウエストコートに細身のスラック、瞳と同じ色のタイをつけられています。クールなキース様に黒はよく似合う。


キース様は私の前に跪き手を取り手の甲に口付けを落とし微笑みます。

身の置き場の無い位ドレス姿を褒められていたら、フィラが「我が番だ。美しいに決まっている」とドヤ顔で呟いています。恥ずかしくから止めて…

会場にワルツが流れ始めホストの陛下と王妃様がフロアに真ん中に出てファーストダンスを踊ります。

この次はフィラと私です。緊張して来た…


フィラにエスコートされフロア中央に

「フィラ…端でいいよ!」

「我が番の美しさを知らしめる必要があるから目立だたなければ」

「平凡の間違いだから!」


気がつくとフロア中央に居てワルツが流れフィラのリードで1歩目を踏み出す。この後の記憶は無い…フィラは今日は踏まなかったぞっと褒めてくれたけど、緊張で全く楽しめ無かった。


拍手を受けながら下がるとヒューイ殿下とトーイ殿下がパートナーと共にフロアにでる。

ソファーまで下がるとサリナさんが果実水を用意してくれていて、緊張でカラカラになった喉を潤す。


アルディアの王族の次は他国の王族らしく、グリード王弟殿下とオーランド殿下がこちらに向かって来るのが見える。一度に2人はお相手出来ないよ!


「えっ!」グリード王弟殿下の前にビビアン王女が立ち何か話をしている。グリード王弟殿下の表情が曇り目線をこちらに送って来た。なんだか申し訳無さそうだ。そうしている間にオーランド殿下が目の前に来てダンスを申し込まれた。

グリード王弟殿下はまだビビアン王女に捕まっている。もうすぐ音楽が終わるグリード王弟殿下とビビアン王女が気になったが、オーランド殿下の手を取りダンスをお受けする。


フロアに出ると少し先にグリード王弟殿下とビビアン王女がいる。なんだろう…凄く嫌な予感がしてならない。この後踊りだすと予感は的中した。

フィラと仲直り?出来たのも束の間、何かやらかしそうなビビアン王女に警戒する多恵。無事に舞踏会を終える事ができるか⁈


続きが気になりましたらブックマーク登録&評価よろしくお願いします。


『時空の迷い人』もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ