こぼれ話(ケニー)
ケニーの心情です
いつもの様に任務を終え帰城すると文官が待っていて陛下の執務室に連れて行かれた。
先日多恵様と面談を終えたばかり、もしかして嫌われて断りの話か!不安がはしる。
「ケニーでございます。失礼します」
室内には宰相のイザーク様もいらっしゃった。
着席を促され座ると直ぐに文官や従者は退席した。
内心ドキドキだ。何の話だ…
「ケニー。其方に秘密裏の任務を命ずる。間もなくベイグリー公国からレオン皇太子が来る。どうやら多恵殿の拉致が目的だ。其方には表向きはレオン皇太子の交渉役をし、レオン皇太子に近づき多恵殿の拉致を手伝う裏切り者を演じて欲しい」
「この事はアルディアでは陛下と私、ベイグリー公国は陛下と宰相のしか知らない。私の影に探らせた結果、かなりの密偵が潜伏している。公にできない。ケニー君が適任だ」
いきなりの任務に目の前が真っ白になった。あの愛おしい多恵様を拉致するだと⁈
「ケニーは?さっきまでそこに居たのに!探せ!」
「・・・やっぱり見張りが付いているか…」
今の奴は第2の騎士だなぁ…ヒューイ殿下の指示か…上手く裏切り者になっている。
任務はスリルがあり馬鹿なレオン皇太子の相手はそれなりに楽しい。ただ一つ辛いのは多恵様に会えない事。心が先にヤラレそうだ。イザーク様にお願いして多恵様の居場所を教えてもらった。
見張りを撒き多恵様の部屋を見上げる。カーテン越しに多恵様が見えた。疲れが消えていく…早く多恵様と語らいたい。
またレオン皇太子の相手だ。相変わらず頭が足りていない奴だ。こんな奴が多恵様を妃にふざけるな!
早く任務を終えたい。
今日は見張りを撒いたのが深夜になってしまった。
もう多恵様は就寝されたのだろうか⁈
それでも多恵様に側に行きたい。深夜人気が無いのを確認し部屋を見上げる。流石に姿は見えない…
暫く部屋を見上げその場を離れた。
何故だ?多恵様がアーサー殿下の妃の部屋に居る。伴侶を殿下に決めたという事か…
我慢出来ない多恵様を直接この目で愛でたい。
先日禁書庫で見た王族私室の隠れ通路を使い眠る多恵様に逢いに行った。
愛でるだけのつもりが、思わず頬に触れてしまう。
柔らかい頬に体の芯に熱を持ち始める。
これ以上は…直ぐに部屋を後にした。
外にボリスが居て頭を嘴で突かれ
『いい加減しなさい!次したらシメるわよ』
ボリスに怒られて翌日陛下とイザーク様に呼び出しをくらい、半刻近く説教受けました。
多恵様が怯えていて警護が厳重になった様だ。
馬鹿レオンを拘束しない限り多恵様に会えない。
ちゃっちゃとレオンを捕まえようと強く思った。
お読みいただきありがとうございます。
たまにこぼれ話を書いていきます。




