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裏切り

連れ去られた多恵はの運命は…

「案外上手くいったな!直ぐに出港する。顔がまだバレてない者は後日戻る様に伝えろ」


「レオン様。乙女は大丈夫でしょうか?抵抗も無く大人しい。どこかお悪いのでは?」


レオン皇太子は私の額に口付けを落とし楽しそうに


「聖獣が主の意志を無視して姿を現すと、主の体力を奪うらしい。あれだけ大きな聖獣だ多恵は暫く動けまい。チャイラに着く頃には回復するだろう。我々にとっては都合がいい。」


「乙女の世話にライカを付けようと、牢番に解放させましたが拒みまして…予定外です。いま別の侍女を手配しています。出港迄には…」


「ライカは拒んだか…俺は多恵を手に入れたから必要ない。確かお前が気に入っていたなぁ…要るなら連れて帰るがいい」


私の頭上でとんでもない話が繰り広げられている。

体が動くなら”ぐー”で一発殴ってやるのに!

文句一つ言えない!口惜しい!


一体レオン皇太子と話しているこの浅黒の男は誰?見たこともない。『あっ目が合った』美丈夫だけど嫌い!軽蔑の眼差しで見てやる!


それにしてもおかしい…騎士さんはじめ伴侶候補者が追って来ない。まさかケニー様&大鷲にやられたの?それにフィラは鉄の布さえ取れば私の居場所は分かるはず。上辺だけで実は好かれて無かったとか⁉︎『うっ…』何か悲しくなって来た。

レオン皇太子は涙目の私を見て嬉しそうに

「案ずるな俺はお前だけを愛するぞ!」と甘い言葉セリフを吐く。本来言われたら嬉しい言葉も言われる人が違うとこんなにも嫌な気持ちになるんだ。早く皆んなのところに帰りたい!


レオン皇太子はどんどん進んで行く。暫くすると王城の一番端の林に着いた。そこは広い広場になっていて大きな影が2つ見えてきた。もう何が来ても驚かない!


「ケニーその大鷲で皇太子と乙女を港に運べ、あとの者は外に馬を用意している。直ちに移動せよ」


『ケニー様がここにいる。…と言う事は…てん君は?』


一気に血の気が引いて行くのが分かる。楽しそうにレオン皇太子は聞いてもいない事を話し出す。


「あぁぁ…俺の世界統一はここから始まる。女神の乙女を妃とし、先駆けにチャイラ島を支配した後ベイグリー公国を手にする。乙女がいれば女神の加護など必要ない」


「レオン皇太子。追手がすぐ参ります。お早く」


何も出来ない私はケニー様を睨む事しか出来ない。

『…ん? ケニー様の瞳。苦痛?悲しみ?何だろ…』


レオン皇太子が私は抱いたまま大鷲に近づく、大鷲が足を上げた瞬間


『たえ だいじょう しんじる』

『てん君!』


大鷲の首元に隠れていたてん君がレオン皇太子に飛びかかった。驚いたレオン皇太子の手が緩み私は地面に落ちる。

『いっ痛い!』次の瞬間何かに掴まれた。顔を上げると大鷲と目が合う。優しくて慈愛に満ちた目をしている。大鷲は私をケニー様に預け、てん君と逃げ惑う悪人たちを捕まえては投げつけた。気が付くと辺りに悪人が伸びて倒れている。


ケニー様が


「例え陛下の命とはいえ貴女を欺くのは辛かった。これで苦痛から解放されます。安心してください。今頃陛下とイザーク様、ベイグリー公国の宰相様が事情説明をしている筈です。詳しくは落ち着いたら全てお話します。大まかに説明するなら…

ベイグリー公国の王からレオン皇太子が乙女の拉致を企ていると密書を受けたのです。陛下はベイグリーの王と協力し皇太子の悪事を暴くために策を講じた次第です。私の役目は“裏切り者”レオン皇太子に協力し多恵様をレオン皇太子に引き渡し後にレオン皇太子の宰相になる約束を元に協力すると云うものでした」


何じゃそれ!知ら無しそんな2国を巻き込んだお大事になってるなんて…それよりケニー様!もっと優しく抱いて下さい。力み過ぎて痛い!

私の顔が歪んだのに気づいたケニー様は力を緩めてくれた。


「任務中何度が我慢できずに貴女の様子を伺いに行きました。申し訳ありませんでした。怖がらせてしまった様です。流石に寝室に忍び込んだ時は陛下とイザーク様にお叱りを受けてました」


だろうね!めっちゃ怖かったんだから!声が出るなら『ホラーだよ!』っと一発パンチをみまいたい位だ。…非力だから猫パンチ位の威力無いけど…


「やっと貴女に触れられる…この1週間辛かった…」


ケニー様は呟き私の頬に口づけを落とす。ちょっとどさくさに紛れて何してんの⁉

「ん?」ケニー様が下を向くと不機嫌なてん君が前足でケニー様の足を連打している。


『こいつ うそ だめ たえ こわい した』

『てん君ありがとう。少し怖かっただけ』

『こいつ つがい ない だめ』

『うぅ…んそうだね』


さっきはフィラ程大きかったてん君は力を使い果たしのか、最小サイズのチワワになっている。

でもめっちゃケニー様を怖い顔で威嚇している。ギャップが可愛い!抱きしめてもふもふしてあげたいよ!てん君の後ろに大鷲が来ててん君を咥えて私のお腹に乗せてくれた。


『多恵。初めまして。私はリリスの聖獣。リリスの命でケニーに協力していました。

てんとは兄弟の様な関係よ。てんは焦って飛び出した様ね。こんなに衰弱して可哀想に。。。

妖精を呼んでごらんなさい。少しは体力を回復出来るわ』


大鷲さんの言ったように妖精を呼んでみた。怖い位集まってきて“たえ かわいそう”、“ちから あげる”とキスをいっぱい受けました。ほんの少しだけど力が戻った様な気がする。話せるかなぁ⁈


急に風が吹き目の前にフィラが現れた。すぐにケニー様の腕から私を奪い強く抱きしめてくれる。フィラの香りに包まれやっと落ち着いてきた。


「多恵…妖精に力を貰ったようだな。少しは話せるか⁈取り合えずてんを戻せ。奴も疲労している」


頷き「も…どれ…」擦れたけどてん君を戻して上げれた。お疲れさまでした!ありがとう!


ケニー様は味方でした。でもやっぱり寝室に侵入は犯罪です。おロープ頂戴になっちゃいますよ!



〜お知らせ〜

こちらで短編で書いた『悪役派遣所〜異世界でヒール役をやって下さい〜』をアルファポリスで続きを書いきました。こちらもよろしくお願いします。

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