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真珠

ドレス選びに一悶着あり?

やっぱりレオン皇太子は好かない。私が喜んでついて行くと思ってたの?あれだけ嫌がったのに…

ますます明日の晩餐会がイヤになって来た。


ケイティさんが針子のケイトさんとやって来た。

ドレス合わせの為に寝室に籠ります。

ケイトさんに再度昨日の事を詫びたら、美丈夫に拝めた事で針子さんのモチベーションが上がり作業効率が上がっているそうです。

ケイトさんが小声で「また視察を兼ねて殿下や閣下とお越し下さい。マスクの上がりが早まりますから…」

「ぁっはい」

これは協力しないとね!


ドレスは琥珀色、オレンジ、菫色、臙脂色の4色でデザインはあまり変わりない。なんで4色なの?

ケイティさんとケイトさんが2枚ずつ持って立っています。なんか見覚えのある感じがするのは気のせいかぃ?


「・・・あっ!」左から指差しフィラ、アーサー殿下、グラント様にキース様!

申し訳無さそうにケイトさんが


「皆さまご自分の瞳色のドレスを御所望になられまして、仕立てるお時間が無くシンプルですぐ仕立てられるデザインになりました。装飾は施せますのてお申し付け下さい。お決めになられるのは多恵様に委ねるとの事でございます」


「はぁ?」実質伴侶選びじゃん!


イヤ過ぎる。こんな形で決めたく無い。ケイティさんはこれで伴侶が決まるわけで無いと言うけど、周囲の人はそうは思わない。絶対外堀を固められるよ…


呆然とドレスを眺めていたら思い出した。以前衣装部でドレスを見ていた時に綺麗な光沢のある生成りの上に黒に近いグレーの総レースのドレスを見た事がある。デザインが私にしたら露出高め(デコルテが出る)だが気に入ってる。あれがいい!

速攻でケイティさんに提案したら、直ぐに部屋まで取りに行ってくれた。


せっかく仕立て貰ったのに申し訳無いとケイトさんに謝り、近いウチにグラント様とマスク作りを見学に行くと約束した。ケイトさんの瞳が輝いたのを見逃さなかったよ!


あのドレスには髪は束ねた方が似合うと思い、編み込みをしてみた。ケイトさんは不思議そうに見ていて出来上がったら驚きやり方を教えて欲しいとお願いされた。箱庭には編み込みは無かった様です。


ケイティさんがドレスを持ってきてくれ着替えた。

やっぱり私にはこっちの方がしっくりくる。

ケイトがさんが飾りに用意していた小花の造花を編み込みに飾ってくれた。

決定これでお願いします。



ドレス合わせが終わり寝室から出たらフィラがソファーに座っていた。フィラは微笑み足早に私の元に来てハグをして…綺麗顔が近づいってきた?

『待って!人が居る!』思わず手のひらでフィラの口元を塞いだ。

フィラは手の平に口付けをし不適に笑う。


「我が番は人の目が気になる様だ。ならば誰も居ないところへ連れ去ろうか⁈」


「連れ去らないで!恥ずかしいからやめて!」


女性陣は顔を赤らめプルプルしている。そんな中プロフェッショナルなケイティさんは真顔です。


フィラは私の編み込みをマジマジと見て不思議そうにしている。そして髪に触れれないと不満そう。でも何やかんや言ってかわいいって言ってくれるんだけどね…

これを恋は盲目と言います。


フィラは私をソファーに座らせ横にぴったりくっ付いて座る。あの…太腿が密着していますが…

移動したいけど腰をホールドされ動けない。

はい…諦めます。


暫くするとアーサー殿下以外の皆さんがやって来た。アーサー殿下はレオン皇太子の対応で遅れるそうです。私と密着して座るフィラを見てグラント様はあからさまにイヤな顔し、キース様は表情を無くした。


さて晩餐会の打ち合わせが始まるよ。

まず気になったのはいつも爽やかさんのトーイ殿下の顔色が悪い。やはり親友の裏切りがショックなのだろう。


晩餐会の打ち合わせは意外にすんなり終わり、レオン皇太子とケニー様の話になった。

ケニー様はまだ見つかっていない。妖精達が探しても見つけられない事から、私の誘拐でも使用された鉄の布を巧みに使い追跡を逃れている。

レオン皇太子帰国時に私を連れてベイグリーへ亡命する可能性が高いとヒューイ殿下は予測している。

またキース様からは港にカクリー侯爵家所有の船が出港準備に入ったと報告がありました。


「それは私の助言アドバイスをエリザベス様に伝えに行く為では無いのですか?」


「いえ、それは皇太子が帰国後に予定と申告を受けています」


今ファーブス侯爵様が確認中で暫くしたら報告が来る様です。


ずっと沈黙していたトーイ殿下が話しだした


「ケニーは好奇心の塊だ。時に自分の立場や地位などを気にせず己の欲を優先する所がある。この度のレオン皇太子の思惑を探らせた時に、途中から様子がおかしくなりだした。

最後に話した時に多恵殿の知識にがあれば、箱庭の全ての謎を解明できる。誰も解決出来なかったエリザベス嬢の問題さえ簡単に助言されたのだ。もはや多恵殿は”女神”だ。私はあの方の直ぐそばで誰にも邪魔されずに新しい世界を見たいのです」…と


「はじめはてっきり多恵殿の伴侶候補としての意気込みだと思っていたが、奇行が目立つ様になった」


トーイ殿下はヒューイ殿下と別にカクリー侯爵家を第3の騎士に探らせていた様です。

トーイ殿下の不安は昨晩の寝室に侵入事件で確信に変わった。ケニー様貴方…真っ黒です。


思わず両手で自分を抱き身震いする。怖い…

隣のフィラが抱き寄せつむじに口付けを落とし、落ち着いた声で”大丈夫”と囁く。


重い空気の中アーサー殿下がやってきて、私の前に跪き手の甲に口付けを落とす。

フィラが直ぐに口付けされた手を取りハンカチで拭く。アーサー殿下とフィラの無言の睨み合いが始まる。


アーサー殿下と来たデューク様がため息を吐き


「殿下まずはこれを多恵様に」


デュークさんが手にはいかにも貴重品といった感じの箱があった。よく宝石とか入れる表面がビロードの箱だ。アーサー殿下はデュークさんから受け取り


「渡したく無いがレオン皇太子からの贈り物だ。一応危険が無いか調べてある。念のため妖しい妖力が込められて無いが、妖精王フィラにも確認いただきたい」


フィラは嫌そうに箱を受け取り席を立ち私から離れた。念の為離れてくれたのだろう。俺様ぽそうで細やかな心遣い出来るのよね…

って思っていたら空いた私の隣に満面の笑みのアーサー殿下が座り手を握って来る。

どさくさに紛れて!って思ったけど殿下のお顔を見たら疲労が見て取れた。レオン皇太子が来てから休みなくお相手されていたんだ。男前イケメンなのに頬が少し痩けている。殿下の頬を撫でて


「お疲れが見て取れます。ちゃんと眠れていますか?」


殿下は嬉しそうに


「貴女が直ぐ側にいるのに眠れる訳ないでしょ!」


『ぅわぁ!』引く…


思わず身を引いた。後ろに控えるデュークさんはまた深いため息を吐き、グラント様は私の手を引き別のソファーに座らせてくれた。


殿下それは本音だろうけど、言わない方がいいやつです。


「見たぞ。妖しい力は無い。しかし多恵に身に付けさせたくない」


顔を歪めながらフィラが箱を渡して来た。

中を見ると綺麗な真珠のイヤリングとネックレスだ。さっき選んだドレスに合う!意外に?センスいいよレオン皇太子。

箱には手紙が入っていて…


『愛しい多恵殿

明日の晩餐会で御目通り出来るのが楽しみでなりません。美しい貴女に見劣りしますが、私の好きな真珠を送られて貰います。明日は是非身に着けていただきダンスを願いたい

貴女を慕う レオン・デ・ベイグリー』


確かレオン皇太子の瞳は水色だから、真珠を付けても意味を持たないよね⁈思わずケイティさんを見たら、私の意図がわかった様で頷いてくれた。

真珠は箱に戻してケイティさんに預ける


6刻半になり皆んな解散になりました。

明日の為に早めに就寝します。


この時はまだ明日がとんでも無い事が起こるなんて思わなかった。


リリス〜大変だよ。ボーナスとか出ませんか?


お読みいただきありがとうございます。

気持ちを変えたくて短編を1作投稿しました。


『悪役派遣所〜異世界でヒール役をやって下さい〜』です。よければこちらもよろしくお願いします。


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