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オーランド side - 2

オーランドは苦労人

陛下の執務室から出て深呼吸して心を落ち着かせる。

今は自分の感情は後回しだ。

まずは乙女召喚に関する情報収集だ。通りかかった文官に第1騎士団副団長カイルを自分の執務室に呼んでくるように命じ執務室へ急ぐ。


廊下の角まで来た時に嫌な気配を感じ思わず立ち止まった。この角の先に確実にあの女がいる。しかし執務室に行くにはここ以外道は無い。

「はぁ・・・今日はなんて日だ。嫌なことが多すぎる」意を決し角を曲がると、あの香害が歩いてくる。


「殿下~ご機嫌麗しく。お探ししておりました。」 大公爵家令嬢なのに娼婦様に露出度が高いドレスでエミリア嬢が現れた。


「あの〜このハンカチーフ殿下を思いながら1針1針刺繍しましたの。受け取って頂けますか…」と香水臭いハンカチーフを渡される。


『いつも以上に臭い・・・』全力で微笑みをキープする。


「エミリア嬢。ありがとう頂くよ。私は急いでいるので失礼する。」早くこの場から去りたい…


「殿下。いつもお忙しくお疲れのようですわ。殿下の癒しとなるのならば私をいつでもお召し上げ下さいませ。」熱を持った眼差しを向けられぞっとする。


曖昧に微笑むと急いでその場を離れた。早くキレイな空気を吸いたい。



やっと執務室に着くと既にカイルが来ていた。


「遅かったな。・・・ってエミリア嬢に捉まっていたのか。最近は上手く逃げていたのになぁ。それにしても今日は一段と匂いが凄いな!」カイルも顔を顰める。


「あぁぁ・・・しばらく俺の嗅覚は機能しない」溜息しか出ない。


侍女に先ほどのハンカチーフを渡し直ぐ洗濯し封印箱(エミリアの贈り物用の箱)に入れるように指示。その横でカイルが部屋の窓を全開していた。


侍女や従僕を下がらせソファーに座る。

「さて、オーランド用件を聞こうか。」

カイルは部下だが幼いころから一番信頼できる親友だ。二人きりの時は親友に戻る。


「先ほど父上から女神の召喚の兆しがあったと聞いた。どうやら今回も“乙女”らしい・・・我ら第1騎士団で出迎えるようにと。

召喚についてしっかり把握する必要があるので、専門の者を寄こしてくれ。

カイルには当日の人選を任せる。

それと女神の台座を監視している騎士からは“乙女”と報告を受けだが、自分の目で確認したい。明日朝一に女神の丘へ向かうので同行してくれ。」


「また“乙女”なのか…」カイルから同情の眼差しを向けられる。俺が乙女を毛嫌いしているのを知っているかなぁ。


「召喚されるのが”聖人”ならお前の悩みは一発解決するのに。”乙女”なら絶望しかないな…同情するよ。」


そう。”聖人”なら国に留まってもらう為に花嫁を選ぶ事になる。今王族で未婚の王女はいない。

そうなると貴族からとなり、筆頭貴族の大公爵家のエミリア嬢が選ばれるだろう。


”乙女”がレックロッドに召喚されれば第一王子である俺が相手となる。

レベッカの件もあり”乙女”にはいい感情がない。

”乙女”が他国に召喚された場合は、俺の花嫁候補はエミリア嬢となる。


“乙女”の場合はどっちに転んでも暗い未来しかない。本当にエミリア嬢だけは勘弁してくれ…

彼女はレベッカの子孫なんだぞ。

レックロッドが窮地に陥ったのはレベッカが原因だ。そのレベッカの再来といわれるエミリア嬢を俺は愛せない。


『無理だ…』もう心が折れそうだ。



この話で召喚された多恵との対面まで書きたかったのですが、レックロッドとオーランドに色々あり過ぎて説明が長くなってます。

もう少し苦労人のオーランドの話にお付き合いください。

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