落ちる
私は川原多恵48歳。所謂おばちゃんである。
28歳で7歳年上の夫と3年の交際を経て結婚。
中々子供が出来ず5年目に待望の子供を授かり3人家族となった。
夫婦仲は良好で結婚当初からの習慣”行ってきす”と
”お帰り”のキスは健在。
思春期の娘の大きな反抗期は無く、家族皆のんびり平和に過ごしていて不満は無い。強いて言えば経済的に苦しい事。
夫は職人で収入が不安定。借金は無いが貯金も無い。
義務教育が終わり進学する娘の教育費を考えると頭が痛い。娘が小学校入学と同時に私も仕事を始め、家事育児仕事とフル稼働。こんなに頑張ってるのに暮らしに余裕が無い。
あ〜お金欲しい…自分の時間欲しい…
なんて考えなから出勤準備を済ませて玄関ドアを開けて一歩外に出た。あれ⁈ 階段を1段踏み外し様な感覚が…
「ぎゃーーぁ！」落ちてる。
数秒の落下のち柔らかい何かの上に落ちた。不思議と痛みはない。足元には羽？の様なものが敷き詰められている。
「何…ここ」
とりあえず立上がり周りを見渡す。辺りは闇状態で何も見えない。
『…死んだな私』
健康診断で高血圧を指摘され薬を服用していたし、最近は動悸があったなぁ…どうせ死ぬなら娘の受験終わってからにして欲しかったなんて考えてたら…
突然目の前にドアが現れた。
「もっ！何！」
右前に黒いドア。
右後に青いドア。
左後に黄いドア。
左前に緑のドア。
そうドアに囲まれた。もー次から次へとなんなん⁉︎
恐々ドアの裏を覗いてみる…が何も無い。このドアを開けないとこのまま⁉︎ここで餓死するのかなぁ…
『ってもう死んじゃってるかもしれないけど…』
でも暗闇にずっと居るのは嫌だなぁ…
とりあえずここから移動したいからドアを開けよう。
どのドアが正解なの⁈選択間違えたらとんでもないトコに行くのかなぁ…って考えてたら嫌な事思い出しちゃった。
一時期夫がハマってやっていたゲーム。ゾンビがだらけの街から脱出するゲーム。武器を持ちゾンビ戦い、アイテムを探しにビル等に入る。フロアを移動する時に自分でドアを開けるの。タイミングが悪いとドア開けたら直ぐにゾンビがいて襲われるやつ。
目の前のドア開けたら魔物や悪魔とかいたらどうしよう…非武装の私は間違いなく瞬殺されるよね…
前のドアをぼんやり見ながらしばらく考え込んだ。
いっぱい考えいてる内に
『やっぱり私死んじゃったから、もー死なない！』
と思う事にした。だって考えるの面倒臭いから。
なる様になるさ！とりあえずここから出よ！
文才が無く読み辛いかもしれませんが、子供作文と思って読んで下さい。
次は登場人物が増えます。
