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6.転校生

仕事をしながら書いているので不定期です。申し訳ありません。

 みかんが俺の家に住み始めた次の日の学校、俺のクラスに転校生がやって来た。


「それじゃ自己紹介よろしく」


「千種みかんです。よろしくお願いします」


 漫画みたいに椅子から盛大に転げ落ちてしまった。


「お、おい大丈夫か高蔵寺」


「………………何とか」


 人間って驚くと本当にこんな風に転けるんだな。とりあえずいつまでも転けたままではいけないので席に座り直す。


「どうしたんだよいきなり転げ落ちてよ」


「いや、何か急に転げ落ちたい衝動が………」


「そ、そっか。怖いからやめた方がいいぞ」


 色々とツッコミどころがありすぎるので、俺は一旦考えるのを止めた。





 ◆





 一時間目が終わってある程度頭の整理がついたので、すぐにみかんの下に向かう。みかんの席の近くにはみかんと話そうとしていたクラスメイトが何人かいたが俺のただならぬ雰囲気を感じたのかみんな避けていった。


「ちょっといいか?」


「ん」


 俺の呼び掛けに何の抵抗もなく席を立ち上がるみかん。話が早い。


「ま、待て待て高蔵寺。それは駄目だぞ」


「何がだ?」


 みかんと教室を出ようとすると犬山に止められた。


「さすがに転校初日にカツアゲは友人として見過ごせないな」


「しねーよっ! ちょーーーっとだけ話をするだけだ」


「なんだそうなのか。次の授業までには帰ってこいよ」


 当たり前だ。授業に遅れることなんてしない。ちょっとだけ聞きたいことを聞くだけだからな。






 ◆





 転校生と俺が一緒に歩いているので注目を浴びに浴びたが、ようやく人気が少ない廊下にみかんと二人きりになることができた。


「何してるのっ!?」


 今の今まで言いたかった言葉を吐き出した。


「転校してきた。この方が高蔵寺の手助けがしやすいから」


 何も動じることなく冷静に答えるみかん。こいつは何でこんな冷静にいられるのだろう。


「そ、そもそもみかんは14歳だろ、どうやって高校に入学できるだよ?」


「それは極秘だから高蔵寺にも教えられない。でも一つ言えるのは超能力を使った」


「だろうな」


 むしろ超能力以外で高校に入っていたらそれは触れてはいけない闇の力以外の何物でもないだろう。


「はあ……。どうすんだよこれから?」


 入学問題は解決(?)したとしてもここからも問題が多すぎる。


「勉強とかついてこれるのか?」


「頑張る」


「が、頑張るって………そりゃそうだけど」


 みかんの行動力にはこれから色々と考えていかないといけないなと思っていると時計の針がもうすぐ二時間目の授業が始まる時間を指していた。


「もうすぐ放課が終わるな。家に帰ったらもう少し詳しく聞くから。あと絶対学校では超能力は使うなよ。絶対だぞ」


「わかった約束する」


「約束破ったら針千本飲むんだぞ」


「よゆー」


 確かにみかんなら針千本を余裕で飲める気がしないでもない。

 少し急ぎ足で教室に戻っている最中に俺の後ろにいるみかんが話しかけてくる。


「そうだ。高蔵寺にお願いがある」


「なんだよ。言っておくが勉強は教えられないぞ」


「大丈夫。それは高蔵寺には期待してない」


「…………そうか」


 この14歳の女の子は既に俺がバカであることを見破っているようだ。……ショックだな。


「阿久比に会ってみたい」


「えぇっ!?」


 みかんの言葉を聞いて教室に戻るために動いていた足が止まってしまった。


「な、なんでだよ?」


「高蔵寺の話でしか聞いたことないから一度生で見たい。できれば話してみたい」


「えーとその…………は、話すのは無理かなー」


「どうして? 同じ学校の生徒なのに?」


 不思議そうに俺の顔を見つめるみかん。


「は、話したこと………まだ2回しかないから」


「…………マジで」


「マジたぞ」


「あんだけ好き好きって気持ち悪いくらい言っているのに?」


「…………うん」


 俺とみかんの間に沈黙の時間が流れ、授業開始のチャイムが鳴った。

 チャイムが鳴り終わったタイミングでみかんが口を開いた。


「………へたれかよ」


「みかん、今何て言った?」


「へたれかよって言った」


「この俺がへたれだとっ!? 中学の時に他校と喧嘩して一人で100人をボコボコにしたこの俺がっ!」


「へたれだよ。100人ボコボコにしても、女の子一人に話しかけられないようではへたれでしかないよ」


「ぐっ…………あ、阿久比さんだけだっ! 阿久比さんだけ話しかけようとするとこう…………血が沸騰しそうなくらいドキドキするんだよっ!!」


 顔を熱くしながらみかんに訴えかけた後、再び俺とみかんの間に沈黙の時間が生まれる。


「…………恥っず」


 みかんのボソッと言った一言で俺の中の何かの糸がぷちんと切れた音がした。


「ああいいよっ!! 会わせてやるよっ! 阿久比さんに会わせればいいんだろっ!!」


「授業は?」

「そんなのサボればいいんだよっ! そんなことより阿久比さんだっ!! いくぞみかんっ!」

「…………これが若さか」


 良い子のみんなは授業は絶対にサボっちゃ駄目だぞ。

『クールでカッコいい美人なあの娘を惚れさせたいっ!~恋愛チキンの俺は好きな人を惚れさせるために、未来からきた超能力少女の力を借りる~』読んでいただき本当にありがとうございます。



誤字・脱字があったら申し訳ありません。



続きが気になる、面白いと思ってくれた方は感想や高評価、ブックマーク登録の方をどうかよろしくお願いします!



これからも日々努力していきます。




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